違いのわかる人になろう!緑黄色野菜と淡色野菜はなにが違うの?
色だけじゃない、緑黄色野菜と淡色野菜の違いって?
ほうれん草やにんじん、かぼちゃなど色の濃い野菜は緑黄色野菜、白菜やねぎ、もやしなど色の薄いものは淡色野菜と分類されるイメージがありますが、実際はそうではありません。では、一体どのような基準があるのでしょうか?
緑黄色野菜と淡色野菜の基準はカロテンで決まる!
緑黄色野菜とは色の濃い野菜のことを指すのではなく、「100gあたり、β-カロテンを600μg(マイクログラム)以上含む野菜を緑黄色野菜」と分類基準が厚生労働省より決められています。それ以外の野菜は「淡色野菜」または「その他の野菜」と分類されます。
ただし、例外としてトマトやピーマンなどβ-カロテンが600μg未満でも一度に食べる量が多かったり、使う頻度が高かったりするものは緑黄色野菜に分類されています。
主な緑黄色野菜
かぼちゃ・にんじん・ほうれん草・小松菜・春菊・モロヘイヤ・チンゲンサイ・豆苗・トマト・にら・長ねぎ・かいわれ菜・しそ・おくら・アスパラガス・パセリ・とうがらし・ピーマン・ブロッコリー・紫キャベツ・ケール・サニーレタス・リーフレタス・大根の葉・かぶの葉など。
β-カロテン含有量トップ5は、1位しそ、2位モロヘイヤ、3位とうがらし、4位パセリ、5位にんじんです。
主な淡色野菜
大根・キャベツ・白菜・レタス・もやし・ごぼう・れんこん・かぶ・玉ねぎ・きゅうり・なす・カリフラワー・とうもろこし・セロリ・ズッキーニ・しょうが・たけのこなどです。
見分け方のポイント
両方の野菜を比べて見ると意外に思うものもあったのではないでしょうか。レタスとサニーレタスは同じ種類の野菜なのに分類が異なりますし、大根やかぶは葉と実(根)の部分で分かれます。
なすやきゅうりは色が濃いので一見すると緑黄色野菜に分類されそうですが淡色野菜です。見分け方のポイントとして、表面が濃い色だとしても切ったときの中身が白っぽく薄い色の場合は淡色野菜。にんじんやかぼちゃのように中身も色の濃いものは緑黄色野菜と覚えるといいでしょう。
どちらにも分類されない野菜もあった!
じゃがいもやさつまいもなどの芋類やきのこ類などは緑黄色野菜と淡色野菜のどちらにも分類されませんが、私たちの体に必要な栄養素を持つ野菜です。芋類の主な成分は糖質ですが、食物繊維を多く含むため血糖値の上昇がゆるやかで太りにくい食材です。また、ビタミンBも豊富です。
きのこ類にも、β-グルカンなどの食物繊維やビタミンDなどが豊富に含まれています。緑黄色野菜や淡色野菜と合わせて食べるようにしましょう。
緑黄色野菜と淡色野菜の栄養素
農林水産省が緑黄色野菜とわざわざ分類して摂取をすすめる“β-カロテン”。私たちの体にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?反対に淡色野菜は私たちの体に必要な栄養素がどのくらい含まれているのかも気になるところです。
β-カロテンは効率がいい?
緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、私たちがビタミンAを摂取するのに、もっとも効率がよく効果の高い成分なのです。ビタミンAは肌や目・鼻・内臓の粘膜の材料になります。
さらにうれしい緑黄色野菜の栄養素
緑黄色野菜にはカロテン以外にも、ビタミンC・ビタミンK・葉酸・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。ビタミンCは美肌効果、ビタミンKは骨の健康を保つ効果、葉酸は体の成長促進効果、ミネラルは老化予防や代謝を助ける効果があります。
淡色野菜も負けていない!含まれる栄養素
緑黄色野菜よりカロテンの含有量は少ないですが、だからといって積極的に食べる必要がないということではありません。淡色野菜の中でも、たまねぎやキャベツ、大根などは食物繊維も豊富です。また水分量が多い野菜が多いので、腸内環境を整える役割もしてくれます。
【野菜の分類別】お手軽レシピまとめ
厚生労働省では、健康を維持するために1日に必要な野菜の量は、成人1人に対して350gと公表しています。そのうち120gを緑黄色野菜、残り230gを淡色野菜やその他の野菜から摂取することが望ましいとされています。生野菜などのサラダなら両手1杯、加熱した野菜なら片手に1杯が120gの目安です。
フーディストノート連載の中からおすすめの野菜のおかずをご紹介します!ぜひ、作ってみてください。
【緑黄色野菜】ほうれん草のオイスター和え
【緑黄色野菜】にんじんのごまあえ
【緑黄色野菜】かぼちゃのめんつゆ煮
【淡色野菜】なすのスイチリ和え
【その他の野菜】しめじとじゃがいものガリバタ炒め
緑黄色野菜と淡色野菜の違いを理解したところで、さっそく今日の献立から取り入れてみましょう。β-カロテンの効果を知ると緑黄色野菜を積極的に取り入れていきたいところですが、何事もバランスが大切です。緑黄色野菜と淡色野菜を1日どのくらい摂れるのかゲーム感覚で楽しみながらはじめてみてはいかがでしょうか。