なぜ人はビリヤニに惹かれるのか?代々木原シゲルさんが語る“一皿の設計”

なぜ人はビリヤニに惹かれるのか?代々木原シゲルさんが語る“一皿の設計”
鍋のふたを開けた瞬間、立ち上るスパイスの香り。「香りのダイヤモンド」とも呼ばれるビリヤニ。その魅力と一皿に込めたこだわりを、「Curry&Noble 強い女」のオーナー代々木原シゲルさんに聞きました。
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フーディストノート
フーディストノート
2026/06/19
2026/06/19

埼玉県小川町で「Curry&Noble 強い女」を営む代々木原シゲルさん。

無水チキンカレーで人気を集め、全国のカレーイベントにも多数出店してきました。

2026年、同店を埼玉県初のビリヤニ専門店としてリニューアル。インド・ハイデラバードで愛される伝統的な製法にこだわりながら、ビリヤニの魅力を発信しています。

一皿のビリヤニに人生を変えられた――。

今回は、代々木原さんにビリヤニとの出会いから、一皿に込めた設計、そしてその魅力を広げていくこれからまで伺いました。

代々木原シゲルさんインタビュー

ビリヤニと出会ったきっかけ

——ビリヤニを作り始めたきっかけを教えてください

初めて食べたビリヤニに、自分の内側が書き換えられてしまうほどの衝撃を受けたのがきっかけです。

あまりのおいしさに、何でできているか考える間もなく無我夢中で食べ進めていました。食べ終わった瞬間に感じた、宝物を失ったような喪失感。あの「初恋」のような体験が、ビリヤニと自分の出逢いです。

代々木原シゲルさんインタビュー

https://www.instagram.com/tsuyoionna.curry/

——どんなところに魅力を感じていますか?

新鮮な魚を刺身にする、あるいは高級な和牛を焼くといった、素材の力を最大限にいかす料理とはまた異なる、「職人の技術による緻密な構築」に強く惹かれています。

ビリヤニの魅力は、何といっても料理の難易度の高さです。米とグレイヴィー、それぞれの水分量と塩分量という4つの要素が完璧に調和しなければ、すべてが崩れてしまう。肉の質感や複雑なスパイスの配合までを一編の詩のようにまとめ上げる工程は、正解のないパズルのようです。

素材に頼るだけでなく、作り手の技術と情熱によって「1+1を10にも20にも高めていく」。その圧倒的な調和の難しさにこそ、魅力を感じています。

軽いのに満足する、その理由

——強い女のビリヤニの特徴を教えてください

まずこだわったのは、炊き上がり時の肉の質感と、米が吸い上げる旨味のバランスです。バスマティライスの絶妙な食感の中に、肉の力強い旨味が凝縮されています。

また、スパイス使いはあえて主張しすぎず、調和を重んじています。肉の旨味やハーブの香り、バスマティライスの軽やかな食感が自然に重なることで、最後まで飽きのこない「嫌味のないスパイス感」を目指しています。

代々木原シゲルさんインタビュー

——お店の看板メニューを教えてください

看板メニューは「全盛りビリヤニSET」(3,800円)。チキンビリヤニと鴨ビリヤニの2種盛りに、副菜4種、ライタ(スパイス入りヨーグルトソース)、コカ・コーラが付く人気メニューです。

単品はチキンビリヤニ1,600円、鴨ビリヤニ2,300円から。副菜にはアサリのペッパーフライや金柑アチャールなどが並び、ビリヤニと組み合わせて楽しめます。

また、テイクアウトや冷凍ビリヤニの販売も行っています。

※メニューの内容や価格は取材時点のものです。最新の情報は店舗または公式SNSでご確認ください

ビリヤニ

おいしさは“重ね方”で決まる

——味づくりで意識していることは?

大切にしているのは、食べ進めるごとに表情が変わることです。

ビリヤニは、あえてすべてを均一に混ぜ込まずに炊き上げています。スパイスがしっかりしみ込んだ部分と、お米本来の香りが生きる部分が一皿の中に共存しているんです。

だから一口ごとに味わいが少しずつ変化する。「味のグラデーション」を楽しんでもらいたいと思っています。

化学調味料を使わずに、ラーメンのように何度も食べたくなる中毒性を生み出すことも意識しています。

——食感にもこだわりがあるそうですね

炊き上がったときの「ふわっ、パラッ」という食感も重要です。

ビリヤニは、米とグレイヴィーそれぞれの水分量と塩分量が少しでもずれると、全体のバランスが崩れてしまいます。粘り気の少ないバスマティライスだからこそ生まれる軽やかな口当たりと、肉の旨味をしっかり感じられるバランスを追求しています。

編集部メモ

水分量や蒸らし時間など、ビリヤニは繊細な調整が求められる料理。 わずかな差が仕上がりに大きく影響するという。

ビリヤニの魅力を伝えるために

——ビリヤニの魅力を伝えるうえで、難しさを感じる点はありますか?

ビリヤニは料理の難しさゆえに、インド人シェフでも上手に炊ける人はほんの一握りと言われています。

「ビリヤニを食べてみたい!」と思って初めて食べたビリヤニがあまり好みではなかったため、それ以来興味を持てなくなったという方もたくさんいます。

——そんな方にはぜひ「 強い女」のビリヤニを食べていただきたいですね!

ぜひ、食べていただきたいです。「そうじゃないんだ、これを一回食べたらわかる!」という思いがあります。

だからこそ、“本当においしい”ビリヤニを丁寧に提供し続けたい。ビリヤニの魅力を知るきっかけになれたらうれしいですね。

一皿の先にあるもの

——今後やっていきたいことを教えてください

「強い女のビリヤニをもっと広げたい」と思ってくれる人を探しています。

この感動を一人でも多くの人に伝えたい。そう熱くなれるビジネスパートナーと一緒に、もっと大きな挑戦をしていきたいと思っています。

代々木原シゲルさんインタビュー

https://x.com/tsuyoionnaCurry

***
一皿のビリヤニの裏には、緻密な設計と試行錯誤の数々。

香り、食感、軽やかさ。
その絶妙なバランスこそが、人を惹きつける理由なのかもしれません。
Curry&Noble強い女
Curry&Noble強い女オーナー 代々木原シゲルさん
2019年、有機農業発祥の地と言われる埼玉・小川町にスパイスカレー店Curry&Noble 強い女 をオープン。「カレーは肉料理です」をコンセプトにした無水チキンカレーで注目を集め、全国のカレーイベントに多数出店。「食べログ」2024年ベストカレーにも選出される。
2026年、同店を埼玉県初のビリヤニ専門店としてリニューアル。カレー・ビリヤニを軸にした新たな食文化の発信を行っている。ゲストハウス運営や移住促進、地域イベントの企画などにも関わり、地域と食をつなぐ活動を展開中。

埼玉県比企郡小川町大塚171-7
0493-81-5681
営業日はSNSで確認:11:00~15:00(L.O.14:30)

公式Instagram >>

公式X >>

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