アメリカで暮らして50年。カリフォルニアばあさんがよく作るアメリカンスイーツとは？

近所のコミュニティーカレッジでホームページの作り方を習って…

https://california-baasan.blog.jp/archives/52180778.html

——レシピを発表するようになったきっかけを教えてください

「カリフォルニアのシリコンバレーで暮らすようになったのは1972年のことでした。その後、両親の介護で実家のある鹿児島とこちらを行き来きする必要があり、実家でも自分のレシピがいつでも見られるように、『anyrecipe.net』というレシピサイトを立ち上げたんです。ホームページの作り方は近所のコミュニティーカレッジで習いました。
サイトに載せたレシピは自分のための覚え書きになるばかりか、友人からレシピを聞かれたときにも見せられてとても便利で、徐々にレシピも増えていきました。
その後、ブログの存在を知り、ホームページより更新がラクで使いやすいことがわかってブログに移行しました」

——レシピを発表するようになってから、ご自身の生活にどんな変化がありましたか？

https://california-baasan.blog.jp/archives/52188776.html

「ブログは読者のみなさんからコメントをいただけるので、それが楽しみになりましたね。朝、コーヒーを飲みながら返信を書いていると、世界中の方とおしゃべりをしている気持ちになれます。そうこうしているうちに、おかげさまで数年前からライブドアの公式ブロガーにもなりました。
子どもたちも巣立ち、仕事も両親の介護も終え、場合によっては張り合いのない生活になっていたかもしれません。高齢になって、ややもすると料理も面倒になりがちです。それでも、今日もブログに何か載せないと！という気持ちが毎日の食事の支度のはげみになって、家族もその料理を喜んでくれるので一石二鳥です。ブログを書いていて本当によかったです」

——そうしたレシピを考えたり、料理をしたりする上で大切にしていることはありますか？

「50歳を前に検査で病変が見つかり、それからは大好きだったお菓子作りを少し減らして、野菜を多くとるなど食事に気を付けるようになりました。早めに健康食に目覚めてよかったと思っています。ブログでご紹介するレシピも、おいしいのはもちろん、できるだけ低カロリーでヘルシーなものを心がけています」

——アメリカに来てからよく作るようになったレシピはありますか？

「アメリカ式の簡単なパイです。1966年に初めてアメリカに来たとき、高校の家庭科でパイの作り方を習って、それ以来、自分なりにアレンジしながら60年近く作り続けてきました」

小さいのからチャレンジしたらできます！

カリフォルニアのばあさんさん

「私のパイ生地は少し塩味で、健康を考えてバターとサラダオイルを半々に使っています。生地ができたらレモンパイ、バナナパイなどいろいろできますよ」

レシピをチェック

https://california-baasan.blog.jp/archives/52193748.html

「あとは、メキシコが隣国なのでメキシコ人が多く、家でもトマトサルサやグアカモーレ（ワカモレ）などメキシコ料理を作ることが多いです。メキシコ料理は簡単に作れるものが多いのがよいですね。
トマトサルサやグアカモーレはトルティーヤの皮に包んでブリトーにして食べることが多いですが、最近は炭水化物を減らすようにしているので、トルティーヤはなしで、どんぶり仕立て、でもご飯はなしのブリトーボウル風にして食べるのが気に入っています」

——料理を盛り付ける食器は、どんなものがお好きですか？

「仕事をしていたこともあり、急いで支度や片付けをする習慣が身について、料理の見た目はそこまで気にせず、食器も片付けやすいようにできるだけ数を絞るようにしてきました。その結果、私も家族も一番気に入っているのがコレール（Corelle）の三分割のプレートです。結婚した娘にプレゼントしたこともありました」

「お皿は引き出しに収納しているので、コレールは軽くて薄いところがとても便利です。何十年も変わらないデザインなので、もしも割れてしまっても同じものがいつでも買い足せて、古いものにも同じように重ねてしまえるところが気に入っています」

——最後に、ご自宅のキッチンのご紹介もお願いします

「今の家には45年住んでいて、一度、キッチンをリフォームしたときに、デザイナーさんから『アイランドはない方がいいですよ』とすすめられたんです。最初はえっ？と思いましたが、アドバイスどおりにアイランドキッチンにしなかったのは正解でした。家族や友人が集まるときに動線にムダがなく、数人でキッチンに立ってもスペースがあるのでとても使いやすいです」

「キャビネットもたくさんほしかったのですが、これもデザイナーさんが却下。仕切りのない開放感のあるキッチンにしたのがよかったです。広々としていて、ダイニングテーブルに座っている人とも同じ部屋にいる感覚で話しがしやすく、とても気に入っています」

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「私が住むカリフォルニア州は人種のるつぼで、手に入る食材も豊富です。使ったことがない食材がまだまだあふれていますので、これからも新しい料理に挑戦していきたいです」というカリフォルニアばあさん。日本ではなじみのない食材やレシピも登場するブログは、まるで海外の料理番組を見ているように楽しめますよ！

（写真撮影／カリフォルニアばあさん）

カリフォルニアばあさんへのQ&A

——大好物といえば？苦手な食べ物は？

「大好物はいろいろありますが、一番うれしいのはうなぎですね。高いのでほとんど食べないのですが、日本に帰るときの楽しみです」

——思い出の料理本はありますか？

「1970年代にアメリカに来たころ、何を夕食に作ったらいいのかさっぱり分からず…。困り果てて手にしたのが、アメリカの料理バイブルといわれるくらい昔から使われてきた『Joy of Cooking』という料理本でした。分厚い、写真もない本ですが、アメリカの伝統的な料理のレシピがほとんど詰まっていて、今でも大事に使っています。初版は1931年で、私が持っているのは1975年に出た改訂版です」

——料理以外で、リラックスタイムの過ごし方といえば？

「友人の飼っている犬たちを預かることです。一匹一匹それぞれに性格が違うので、犬のことをもっとよく理解できるようになり楽しいですよ。愛犬を亡くして8年経ちますが、こうして犬たちとのふれあいが続けられるなんて夢にも思いませんでした」

カリフォルニアばあさん

アメリカ西部のカリフォルニア州に50年以上暮らし、レシピから家族の話、折々の話題までつづったブログが人気。著書に『新版 カリフォルニアばあさんの料理帖』（マイナビ出版）。

＜ブログ＞
「カリフォルニアのばあさんブログ」

＜YouTube＞
「anyrecipe」

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