煮崩れなし&生臭みなしに仕上げるには?煮魚を上手に作るコツとレシピを紹介!

煮崩れなし&生臭みなしに仕上げるには?煮魚を上手に作るコツとレシピを紹介!
ふっくらやわらかで味わい深く、ご飯もお酒もすすむ煮魚。自宅でもお店のように上手に作りたいけれど、生臭くなったり、煮崩れしてしまったり…。そこで今回は、魚の臭みをとって見た目もバッチリに仕上げる煮魚作りのコツをご紹介します。魚の臭いが手に付いたときの取り方もあわせてチェックしてくださいね。
Kayoko*
Kayoko*
2020/12/26
2023/01/27
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見栄えよく仕上げる!煮魚の煮崩れを防ぐコツ

煮魚

煮魚作りのお悩みの一つが、煮ているうちに魚の身が崩れてしまうこと。せっかくなら見た目よく仕上げたいですよね。まずは、煮崩れを防ぐコツをご紹介します。

煮汁は少なめに

煮汁は、魚が少し出るくらいの7~8割程度かぶる「ひたひた」が目安です。煮汁が多すぎると、魚が動いて鍋や魚同士がぶつかって煮崩れしやすくなります。また、煮汁が多いと魚の旨みが煮汁に流れ出てしまう心配もあるので気を付けてくださいね。

煮立ててから入れる

魚を入れるタイミングは、鍋に調味料や水を入れたらすぐ、ではなく、しっかり煮立ててから。沸騰した煮汁なら魚の表面が一気にかたまり、旨みが流れ出るのを防げます。

魚が重ならないように並べる

煮汁に入れるときに、魚が重ならないように並べるのもポイントです。魚に大きさに合わせて調理道具を選びましょう。

火加減は弱火~中火で

煮魚

煮汁に魚を入れたあと、再び沸騰するまでは強火で構いませんが、沸騰した後は弱火から中火に。はげしく沸騰させると身が崩れやすくなるためです。煮汁控えめで作る分、焦げ付きにも気を付けましょう。

落とし蓋を活用

落とし蓋をすると、魚が浮いたり動いたりしにくく、煮崩れを防げます。落し蓋がない場合は真ん中に穴を開けたキッチンペーパーやアルミホイルで代用してもOK。少ない煮汁でも、沸騰した煮汁が落とし蓋に当たって落ちるので、途中で魚をひっくり返さなくても全体にムラなく味がしみ込みますよ。

仕上がりに差が出る!魚の臭みを取るコツ

おいしい煮魚を作るために、もう一つ気を付けておきたいのが魚の臭み。

特有の生臭さがある魚ですが、新鮮な魚ほど臭いが少なく、鮮度が落ちていくにつれて臭いが強くなっていきます。その原因は、時間の経過とともに臭いの元となる成分(主にトリメチルアミンやピペリジンなど)が増えるからとされています。

とはいえ、水揚げした魚をすぐに食べるのはなかなか難しいですよね。日本だけでなくフランス・イタリアなど西洋の国でも古来より魚の臭みを感じさせないために、さまざまな工夫がなされてきました。ここでは、魚の臭みを取るコツについて詳しく解説していきます。

魚を水で丁寧に洗う

前提として、魚を調理する際は水で丁寧に洗いましょう。魚の主な臭みの原因であるトリメチルアミンは、水に溶けやすいため、水洗いすることで臭みを緩和することができます。ただし、洗うときに身が崩れないよう、十分注意してくださいね。

「酢洗い」で中和する

魚を洗う方法に、酢洗いというものもあります。魚の臭いの元となるトリメチルアミンはアルカリ性のため、酸性のお酢で中和すると臭いを抑えられます。

2倍に薄めた酢で魚の身をやさしく洗います。ウロコや血合いも一緒に取ると効果的です。酢で洗った後、キッチンペーパーで水気をよく拭き取り、味付けをします。酢の濃度が濃いと身がかたくなってしまうので、注意しましょう。

手に付いた魚の臭いを酢水で洗うと臭いが軽減されるので、こちらもぜひ試してみてくださいね。

魚にお湯をかける

魚の身がさっと白く変わる程度にお湯をかける「霜降り」という方法もあります。

・ボウルにザルをセットして魚を入れ、上からお湯をかけたらすぐにザルをあげ、魚を冷水が入ったボウルに移し替えます

・冷水の中で魚の汚れやぬめりなどを手でやさしく取り除きます

・魚の水気をキッチンペーパーで拭き取ります

この作業をすることで生臭さやアクが抜け、煮汁もスッキリと澄んだものになりますよ。このとき、お湯の温度が高すぎると身がはじけて反り返ってしまうので、沸騰直前のお湯(高くても80℃くらい)を使うのがポイント。沸騰したお湯に差し水をしてもOKです。一方で、温度が低すぎると生臭さが抜けないので注意してくださいね。

魚に塩を振る

水洗いや霜降りをする前に、魚をバットなどの上に並べて全体に塩をまぶし冷蔵庫で置いておくと、余分な水分と一緒に臭いの成分が出てきます。これも重要なポイントなのでぜひ押さえておきましょう。

また、塩は手に付いた魚の臭い取りにも役立ちます。手に塩を付けて、両手でこすってから水で洗い流すようにしましょう。

「しょうが」や「ねぎ」などの香味野菜を一緒に煮込む

煮魚を調理する際に、臭み消しとしてしょうがやねぎを活用するのも効果的です。

魚のたんぱく質には、しょうがの消臭作用を妨げる働きがあるため、より効果を高めるためには最初からしょうがを入れるよりも、魚を加熱してからしょうがを入れるようにしましょう。

ねぎにも硫化アリルという魚臭を包み込む成分がたくさん含まれています。栄養価も高いため、一緒に煮るとよいでしょう。また、煮汁をかけながら調理することで味がしみ込み、生臭さを感じにくくすることもできます。

長ねぎ&しょうが

長ねぎは青い部分ほど辛みが強く、薬味におすすめ。煮付けに使うと、生臭みを抑えてくれます。白い部分は、別で焼いて添えるのがおすすめです。

「日本酒」や「ワイン」で共沸効果を狙う

⽇本酒やワインなどのアルコールには、「共沸」という効果があります。加熱すると周りの食材の臭い成分も一緒に揮発させるのです。酒類を一緒に入れて煮ると、この共沸の作用で臭いを抑えられます。

養殖の魚より天然の魚を選ぶ

ここまで調理をするときのポイントを中心にご紹介してきましたが、最後は魚を買うときのポイントについても一つ。

実は、天然の魚に比べて養殖の魚の方が臭みが強いとも言われています。これは、微生物などが繁殖しやすい飼育環境が影響しています。購入するときに天然か養殖かをチェックするのも臭みを軽減するポイントになるのでぜひ意識してみてくださいね。

一緒に入れると食べやすさアップ!臭みが和らぐ優秀食材

先ほど紹介したしょうがやねぎ以外にも、香りなどで臭みの軽減に一役買ってくれる食材があります。煮魚の味わいも増すのでぜひ参考にしてくださいね。

しょうが&梅干し

さばのみそ煮にしょうがと梅干しをプラス。臭みがとれて風味も増します。梅干しの酸味が食欲を刺激しますよ。

しょうが&ごぼう

しょうがと一緒にごぼうを入れて煮込みます。しょうがもごぼうも香りがあるので、臭みを上手くカバーしてくれます。

しょうが&大根

塩と酒を振り、せん切りしたしょうがを入れることで臭みの軽減に。大根おろしをたっぷりかけることで食べやすさもアップします。

 

煮汁を活用した「煮こごり」を楽しもう♪

煮魚を作ったあと、煮汁が冷えてゼリー状にかたまることはありませんか?

これは「煮こごり」といい、さばやカレイなどゼラチン質の多い魚を煮付けたときの副産物なんです。魚や調味料の旨みが凝縮され、コラーゲンもたっぷり。煮魚だけでなく、プルプルな煮こごりもぜひ味わってみてくださいね♪

煮こごり丼

煮汁を冷蔵して煮こごりになったものをスプーンで崩し、熱々のご飯にのせた「煮こごり丼」。煮こごりがほんのり溶け出し、ご飯によくからみます。ねぎや青じそをトッピングしてもおいしくいただけますよ。

煮こごりのせそうめん

ジュレ感覚で煮こごりを使うのもあり!そうめんの上に煮こごり、ゆでたにんじんとオクラなどをのせればキラキラとしたきれいなそうめんのできあがりです。

味がしみしみでやわらかい煮魚を食べると、ほっこりと幸せな気持ちになりますよね。ひと手間かけて生臭みをとり、煮崩れしないコツをマスターして、ワンランク上の煮魚に仕上げましょう♪

※参考ホームページ
AJINOMOTO Park「食のQ&A」
ノーリツ「煮魚は、煮崩れなく ワンランク上の仕上がりに」
辻調グループ「日本料理一年生/めばるの煮付け」
NHKテキストView「買った魚のおいしさを保つ3ステップ」
長谷工グループ「今さら聞けない料理のアレコレ/魚の霜降りの方法」
大阪ガスクッキングスクール「魚料理編/煮魚のコツ」
マルイチ産商「きれいに、おいしく。煮魚の基本ルール」
マルイチ産商「煮こごり(煮凝り・煮凍り)の豆知識」
魚殿「煮凝り(煮こごり)」
J-Stage「魚の生臭さとその抑臭」
宝酒造「食品の不快なにおい」
タマノイ酢株式会社「お酢の効果・効能|お酢と調理」
mizkan「お酢を使うと魚の臭みをとることができますか?」

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