始めて間もないTikTokで550万回再生のレシピも!あーぴんさんの【おいしい暮らし】
息子に言われた「料理教室をやっているだけじゃダメだよ」の一言
——あーぴんさんがフーディストとしてレシピを発表するようになったきっかけを教えてください
「大学生の息子に『今はブログやSNSの時代だから、料理教室をやっているだけじゃダメだよ』と言われ、ブログを始めたのが2016年のことです。当初はレッスンの案内、作ったものや食べたものの報告のような感じだったのですが、コメントなどでくわしい分量を教えてほしいという声が寄せられて、レシピも載せるようになりました。そのうちに、今度は『今はInstagramだよ』と言われて、2018年にInstagramでレシピ紹介をスタート。今年はまた何か新しいことをと思い、TikTokを始めました。蛇腹きゅうりがバズって、今では550万回以上再生されています。このシリーズは好評で、アレンジしたレシピもいろいろご紹介しました。
ブログ、Twitterは毎日、Instagram、TikTokは3日に1回くらいのペースで更新しています。『継続は力なり』だけを信じて続けてきました」
——息子さんの言葉が背中を押してくれたんですね。レシピを発表されてから、ご自身の生活にどんな変化がありましたか?
「『あーぴんさんのレシピは間違いないので大好きです』とか『なすが嫌いでしたが、あーぴんさんのレシピで大好きになりました』といった感想をたくさんの方からいただくようになったことです。フォロワーさんとより濃いつながりもできました。やっぱり、フォロワーさんから『おいしかった』と言われると、自分の料理を認めていただいた!とうれしく思います。
おもしろいのは、ブログやSNSの人気レシピと我が家のそれが別物なこと。夫が和風の料理よりカレー、パスタ、中華などが好きなので、SNSで何万と保存されているレシピでも、我が家ではあまり登場しないものもあるんです(笑)」
——そうしたレシピを考えたり、料理をしたりする上で大切にしていることはありますか?
「レシピを考え、それを発信していて一番気をつけているのが、作ってくださった方が『失敗した、おいしくなかった』とならないレシピをお伝えすることです。たとえば、電子レンジを使うレシピなら容器を変えたらどうなるのか、お菓子ならオーブンとオーブントースターでは仕上がりがどう変わるかなど何度も試作をして、やっとレシピが完成します。そうしているうちに、失敗しがちなポイントがわかるので、『私が試作して失敗したので、作る人には失敗させません!』と、自信を持ってご紹介できます。
それと、リアルの料理教室では、目の前で調理している生徒さんがどんなところでつまずくのかがよくわかりますが、ネットでは直接見られない分、レシピはより丁寧に書くようにしています」
——お忙しい毎日、お時間のない中で「味も見た目もおいしくするコツ、準備」などアドバイスをお願いします!
「ご紹介するレシピは、とくに第一印象を大切にしています。見た目でおいしさが伝わらなければ、実際に味がおいしくても…というところもあるので、昼間の自然光でなるべく鮮やかになるように撮影しています。
それから、たとえば、茶色のから揚げなら器の色を華やかにしたり、緑の葉を添えたりと彩りにも気をつけています。色や形で選んで勝ち抜いた(笑)から揚げをセンターにして盛りつけるのも欠かせません。
とくに、私のなす料理は『色がきれい』『おいしそう』と感想を多くいただき、保存もたくさんしていただきました。水にさらさずに切ったらすぐに調理することと、油をからめたら皮の面から焼くのが見栄えよく仕上げるポイントですよ」
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「料理のおいしさを伝えられる写真を撮影できるように勉強は続けつつ、これからは動画の撮影にも力を入れていきたいです。料理のシズル感を今まで以上にいかすことができるとうれしいですね」という、あーぴんさん。わかりやすいレシピとおいしそうな動画で、見ているとつい料理がしたくなるあーぴんさんのTikTokは必見ですよ。
あーぴん/道添明子さんへのQ&A
——大好物といえば?苦手な食べ物は?
「大好物は、おいしいパン。特に食パンにはこだわりがあり、自分でも作りますが、おいしいといわれるお店は必ずチェックしています。トーストにおいしいバターを塗るとエンドレスに食べられます。苦手な食べ物は生牡蠣。フランスで体調を崩して以来食べられません」
——思い出の料理本はありますか?
「高校生の頃、母からもらって大切にしているのが、辰巳浜子さんの『娘につたえる私の味』(婦人之友社)。今では表紙も取れてボロボロですが、料理上手な母がきっと参考にしていたのだと思います。もう1冊が、城戸崎愛さんの『ラブおばさんのお嫁さんクッキング』(鎌倉書房)。大学生の時に最初に買った料理本です。大学で調理実習があり、料理本もたくさん買う中で、イラスト入りでかわいい料理がたくさん載っていてワクワクしました」
——インテリアやライフスタイルなど参考にしているショップ、カフェ、雑誌、サイトなどはありますか?
「スタイリングの勉強になるので、雑誌の『KINFOLK』やモデルの雅姫さんの『MASAKI』、『北欧、暮らしの道具店』のWEBサイトなどをよく見ています。カフェのお気に入りは、白金台の『ショコラティエ・エリカ』です。有名なチョコレート屋さんですが、ここのホットチョコレートが大好きで、スプーンの上にのってくる小さなチョコレートをいつ食べるか悩むのもうれしいひと時です」
——料理以外で、リラックスタイムの過ごし方といえば?
「好きな音楽を聴きながら、おいしい紅茶をお気に入りのカップで飲むのが至福の時間です。紅茶教室に通って、ルールや種類なども勉強しています。お気に入りの紅茶はいろいろあり過ぎて悩みますが、フォートナム&メイソンのロイヤルブレンドや、ダージリン紅茶専門店リーフルダージリンハウスの農園ごとに個性の違うダージリンが好きです」
ネクストフーディスト1期生。栄養士、料理研究家。食品会社の新製品開発、新聞社のレシピ開発などを経てフリーランスへ。レシピ開発やメニュー提案、栄養セミナーなど幅広く活動中。「健康な体は毎日の食生活から」をモットーに、初心者でも作りやすく、素材を活かしたメニューを提案している。
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