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井上かなえ(かな姐)
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豚こま肉を上手にほぐす方法とは?お肉がくっつかないように炒めるコツを紹介!

お肉を炒めたらお団子みたいにくっついてしまった…。誰もが一度はそんな経験があるのではないでしょうか。料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、だまにならないよう上手にほぐす方法を教えていただきます。
2022/09/16
2024/10/24
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こんにちは!井上かなえです。

ちょっとの手間でいつもよりぐーんと見栄えよく、さらにおいしく。

料理ってやらなくちゃいけない義務感でやるより、誰かによろこんでほしくて作るほうがずっとおいしいものができる気がします。

みなさまは普段どんなことを考えながらお料理されていますか~。

さて、今月のお悩みはこちらです。

 

豚バラスライスや豚こま切れ肉を炒めるときに、肉をバラバラにするのが面倒です。箸を片手に1本ずつ持ってバラバラにしていますが、なにかいい方法はありますか?

これ!ありますよね~。

豚バラスライスだと形がそろっているので比較的お箸でバラバラにしやすいのですが、こま切れのお肉だと最悪の場合、フライパンの上でどんなにがんばってほぐしても(お箸を片手に1本ずつ持って!)お肉が最後までバラバラにならず、端っこの方が丸まって団子になったまま加熱が終わってしまうことも…。

せっかく300g入れたお肉が団子になってしまったせいで見た目150gくらいになってしまったり、4人で分けたいのに肉ちょっぴりになってしまって家族から「肉が足りない!!!!!!」とブーングが起きてしまったりすることもあるかも。

まずはスーパーに売っている豚こま切れ肉をよく見てみましょう。

豚こま

これですよね!豚こま。

豚こまにはいろんな部位のお肉がいろいろな形で薄切りにされたものが入っていますが、今回はどうやらもも肉とロース?が多かったです。

厚みも大きさもまちまちですが、お買い得なのがうれしいですよね。

豚こま

お箸で持ち上げてみました。

パック詰めにされるときにぎゅっとまとまってしまっているため、このように肉同士がくっついた状態になっているのがおわかりでしょうか。

この状態のままでフライパンにポーンと入れれば、団子状になってしまいます。

お箸で必死にほぐしても、量が多いと間に合わないし、焦る焦る。

続いて、持ち上げたお肉のかたまりを、手でていねいに広げてみます。

豚こまを広げて

先ほどお箸で持ち上げたかたまりをほぐしてていねいに広げてみれば、なんとお肉が3枚もありました。

ほぐさずに加熱すると一塊にしかならず、一口で食べておしまいですが、広げるとこんなに大きなお肉…。

見た目にも大きくなるし、薄いので食べやすいし、食感もこのほうがいいです。

わたしは時間があるときには、火をつける前のフライパンにこうして1枚ずつ肉を広げ、広げ終わったところで手を洗って火をつけることにしています。

が…、

そうはいっていられないほどうちは大家族なのよ!大量のお肉をいちいち1枚ずつ広げるだなんてできないわ!

と仰る声も聞こえてきそう。

というわけで、お湯の中で一度お肉をゆるめ、ほぐしてみる方法をご紹介します。

お湯を使ってお肉をほぐす方法を検証!

ボウルに熱湯を入れる

ボウルに熱湯を1カップほど入れます。

お湯の中でほぐす

ゆでるのでもなく、霜降りにするのでもなく、あくまでもほぐすのが目的なので、ここで菜箸を使ってゆらゆらと揺すり、お肉をやわらかくほぐします。

そしてすぐさま、ざるにあけます。

ざるにあける

肉は当然まだ生の状態ですが、かさならずにほぐれました。

炒める

お湯がついているのでキッチンペーパーで水気をおさえ、フライパンに入れて中火で焼いていきます。

この時も強火にはせず、あくまでもやさしい火で加熱していく方がほぐしやすいし、肉同士がくっつきにくいです。

お箸で揺らすようにしながら加熱します。

水分

少し水分が出てきました。

お肉には火が通ったようですが、ここで次の食材はまだ入れません。味付けもまだです。

この水分がなくなるまで少し放置するようにして、あえて焦げ目をつけていきます。

こうするとお肉が香ばしさを増し、くさみもなくなっておいしくなります。

塩と胡椒を振る

お肉がからからに乾いて焦げ目も付いたところで、塩とこしょうを振ります。

※この状態で長く火を入れ続けるとフライパンがダメになってしまうので、一瞬を見逃さないで

ニラ

にらを入れます。

フライパンが十分に温まっているので、にらはさっと加熱するだけでよいでしょう。

加熱しすぎるとこれまたにらは小さくくにゃくにゃになり、食感もなくなってしまいます。

仕上げる

最後におしょうゆを鍋肌から加え、大きくかき混ぜたらできあがりです。

フライパンの上に放置せず、すぐにお皿に盛り付けましょう。

ニラ豚炒め

いかがでしょうか。

豚肉が重ならず、バラバラにほどけてお肉の量もたっぷりに見えます。

食感もやわらか、満足感もあります!1枚ずつ手で広げられない時には、この方法もありですね!!

 

にら豚炒めの分量ですが、一応お買い物するときの目安のために書いておきます。

「にら豚炒め」のレシピ

材料

・豚こま切れ肉…200g

・にら…1束

・塩こしょう…適量

・ごま油…小さじ1

・しょうゆ…小さじ1

作り方

1. 耐熱ボウルに熱湯を1カップ注ぎ、豚肉を入れて菜箸でほぐす。ほぐれたらざるにあけて湯をきり、キッチンペーパーで水気をおさえる。にらは5cmの長さに切る。

2. フライパンにごま油をひき、1の豚肉を入れて中火にかける。菜箸でほぐすように常に移動させながら加熱し、肉の色が変わったら今度は完全に水分がとんで肉に焦げ目がつくまで触らずに加熱する。

3. 焦げ目がついたら塩こしょうを振り、にらを加える。さっと混ぜたらしょうゆを鍋肌から入れて大きくかき混ぜ、すぐに火を止めて皿に移す。

結論

というわけで結論!フライパンで豚こま切れ肉をだまにしてしまわないコツは、下記の2点です。

1. 時間があれば火のついていないフライパンの上で1枚ずつていねいに広げ、全部広げ終わってから加熱を開始する。しっかり色が変わって肉が広がった状態のままをキープできてきたら混ぜる

2. 大量の肉の場合は、肉を熱湯でほぐしてから水気を取り、炒める!炒め始めてからも箸で常に移動させるとふわっとした食感の豚肉になるが、肉に焦げ目をつけるようにするとさらにおいしくなる

おすすめとしては手で広げるのが肉の表面積が増えるので一番ですが(手が汚れるけど後で洗えばよろしい)、熱湯でほぐす方法もお肉がやわらかくておいしいので、よかったら一度お試しください!

ではまた来月をお楽しみに~♪

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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