
野菜のプロ直伝!「秋なす」の基本・豆知識・おすすめの食べ方
こんにちは。
スーパーの青果部歴10年目の青髪のテツです。
今回は「秋なす」について紹介していきます。
みなさんがご存知の通りなすは夏野菜とされていますが、秋に採れたなすは皮がやわらかくて食べやすく、実も引き締まっていておいしいものが多いのです。
その特徴をいかしたおいしい秋なすのおすすめの食べ方や、選び方や保存方法ついて紹介するのでぜひ最後まで読んでいってくださいね。
まずは秋なすの選び方からご紹介します。
おいしい秋なすの選び方
4つのポイントで見分ける
鮮度が良くておいしい秋なすを選ぶなら以下4つのポイントで見分けましょう。
・表面が濃い紫色
・ずっしりと重い
・ヘタ側の実の部分が白い
・ヘタに対して実がふっくらしている
ふっくらとした形をしていて皮の色が濃いものは味がよいと言われています。
また、ヘタ側の実の部分が白いものはその部分がまだ日に焼けておらず鮮度がよい証拠です。
なすはヘタや周辺の実から傷みやすいので、私が鮮度チェックをするときはヘタのあたりを重点的に確認しています。買うときはよくチェックしてみてくださいね。
トゲの鋭さで鮮度が判断できるのは9月ごろまで
なすには「ガク」と呼ばれる花びらのように広がっている部分があります。なすの品種にもよりますが、一般的に出回っているなすのガクにはトゲがあります。
私も仕事をしているときに何度か手に刺さったことがあるのですが、ピンセットを使ってもなかなか抜けないし地味に痛いので、みなさんも選ぶ際や調理する際は気をつけてくださいね。
そんなトゲですが鋭ければ鋭いほど鮮度がいいんです。
特に夏の気温の高い時期は鮮度のいいなすほどトゲが鋭くなるのですが、夏以降はなすの木が徐々に弱っていってトゲも弱々しくなります。そのため10月ごろからはトゲで鮮度を見分けられなくなります。夏と秋で鮮度をチェックする部分が変わるので、ぜひ覚えておいてくださいね。
表面の傷は気にしなくてOK!
皮に傷があるものは見た目があまりよくないため低めの価格で販売されていますが、傷があるからと言って味が落ちるわけではありません。
それどころか傷がないきれいななすよりも、傷があるなすの方が生活習慣病の予防に役立つポリフェノールが多く含まれているという話もあります。これは傷ができるとその部分を守るために、抗酸化作用の高いポリフェノールを生成するためだと言われています。なんにしても味は変わらないので傷があるなすを選んでも問題はありません。
なすの保存方法
なすの保存方法についてお伝えします。
なすの最適保存温度は8〜12℃で最適な湿度は90〜95%。夏野菜なので、寒さと乾燥に弱いという特徴があります。
地域にもよりますが、室温が低い10〜4月くらいまでの間は冷暗所での常温保存も可能です。冷蔵庫で保存すると低温障害を起こし、種が黒くなるなど傷みやすくなる原因になるので注意が必要です。ただし、冷暖房の使い方によって変わってくるので室温と相談して野菜室に入れるか常温で保存するかを選択しましょう。
室温が高い場合は冷蔵庫の野菜室に入れましょう。冷蔵室ではなく野菜室に入れる理由は温度と湿度にあります。冷蔵室はメーカーにもよりますが、温度は0〜5℃、湿度は10〜30%とかなり低く乾燥しているので寒さと乾燥に弱いなすには向きません。野菜室の場合は温度が3〜7℃と冷蔵室よりは高く、湿度はメーカーによって差があるものの冷蔵室よりも高く設定されているので、なすを冷蔵庫に入れるのであれば野菜室に入れるようにしましょう。
常温と冷蔵での保存方法
常温の保存期間は5日間程度、冷蔵の保存期間は1週間程度です。
冷蔵の場合は冷やすことで低温障害のリスクはありますが、暑い時期は常温よりも長持ちします。
3. 常温の場合は冷暗所で保存し、冷蔵の場合は野菜室に入れる。
冷凍での保存方法
・なすをまるごと冷凍する場合
保存期間は2か月程度です。
4. 冷凍庫に入れる
・なすをカットして冷凍する場合
保存期間は1か月程度です。
まるごとの状態で冷凍保存するより期間は短いですが、こちらは凍ったまま麻婆なす、スープ、パスタなどの具に使えて便利です。
4. 冷凍庫に入れる
なすの豆知識
なすの豆知識を紹介します。
なすの皮をむく方がいますが、なすの皮はむかないことをおすすめします。
なすの皮にはポリフェノールの「ナスニン」と呼ばれる栄養が多く含まれていて、老化の原因である活性酸素の働きを抑制する効果が期待できます。
なすが本来持っている栄養素をいかした調理方法で食べましょう。
秋なすのおすすめの食べ方
レンジで手軽になすの揚げ浸しを作る方法を紹介します。
秋なすは皮がやわらかく加熱することでより一層しんなりとします。
たれともよくからむのでとってもおいしいですよ。
揚げる必要がなくお手軽な割においしくてご飯のおかずにもお酒のお供にもなるので作ってみてくださいね。
調理時間
8分
分量
1人分
材料
・なす…2本
・ごま油…大さじ2
・A みりん…大さじ2
・A 3倍濃縮のめんつゆ…大さじ2
・A しょうゆ…大さじ1
・A 砂糖…小さじ2
・A しょうがチューブ…適量
・A 水…100ml
作り方
3. 2. の水気を拭き取ったあと、ごま油をかけて混ぜ合わせる
4. 600Wのレンジで3分加熱する
5. Aを混ぜ合わせてかける
6. さらに600Wのレンジで3分加熱する
味の濃さはお好みで水の量で調整してくださいね。
最近の野菜トピック
最近は食料品の値上げラッシュが続いていますね。
うちのお店も例外ではなく、小麦商品や油などのさまざまな食品の値上げが毎月のように行われています。
国産品の野菜の場合、今の仕組みでは需要と供給のバランスで価格が決まるので、大きな値上げは行われていません。
しかし、海外から輸入されてくるもやしの豆は価格が高騰し、原価が高くなってきています。同じように海外から輸入されるフルーツのバナナ、オレンジ、アボカドなどは価格が高くなりつつあります。つまり、輸入品の農産物は値上げされてきています。
そのため、野菜やフルーツを買うときはぜひ国産品の価格もチェックしてみてください。こんなときだからこそ日本の農家さんが作る農産物を買って応援していただけたらうれしいです!
ではまた次回の連載で!最後まで読んでいただきありがとうございました。