野菜のプロ直伝!「きゅうり」の基本・豆知識・おすすめの食べ方
はじめまして。青髪のテツです。
この度、フーディストノートで連載を始めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
私はスーパーの青果部に10年勤めていて、現在は仕入れや部門チーフの指導などを担当しています。Twitterでは野菜や果物の選び方、保存方法、食べ方、相場変動予想などの発信を続けていて、先日フォロワーさまが30万人を超えました。
こちらの連載でも野菜の選び方、保存方法、旬、食べ方、豆知識を紹介していきます。
今回は夏が旬の「きゅうり」について紹介していきます。おいしい食べ方や保存方法も紹介するので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
おいしいきゅうりの選び方
鮮度が良くておいしいきゅうりを選ぶなら、5つのポイントで見分けましょう。
・触ると痛いくらいのイボがついているもの
・表面が濃い緑色のもの
・しっかりとかたいもの
・太さが均一なもの
・ヘタの切り口が乾燥していないもの
きゅうりを選ぶときは、表面についているイボが痛いぐらいに尖っているものを選ぶといいですよ。新鮮なものほどイボが鋭く、鮮度が落ちてくると水分が蒸発したり、表面がこすれたりしてイボが丸くなっていきます。
ただ、イボがない品種もあるので、イボが全くない場合は表面の緑色が濃くかたいもの、また太さが均一なものを選びましょう。
まっすぐなきゅうりは見栄えが良く高めの価格に設定されているのですが、味は大して変わらないので曲がっているものを選んでも問題はありません。
私が仕事で鮮度チェックをするときは、きゅうりの両端を見ています。端に水が溜まって膨れているものや、しおれているものは鮮度が落ちています。やわらかくてふにゃふにゃしているものは論外です。
きゅうりの保存方法
きゅうりの最適な保存温度は10~13℃です。きゅうりは夏野菜なので、寒さと乾燥に弱いという特徴があります。なので、室温が低い11~3月までの間は冷暗所での常温保存も可能です。何も考えずに冷蔵室で保存すると低温障害を起こし、むしろ傷みやすくなる原因になるので注意が必要です。ただし、冷暖房の使い方にもよるので、室温と相談して常温で保存するか野菜室に入れるかを選択してください。
室温が13℃を超える場合は冷蔵庫の野菜室に入れましょう。冷蔵室ではなく、野菜室に入れる理由は温度にあります。冷蔵室の温度は0~5℃、野菜室の温度は3~7℃と言われているので、きゅうりにとって冷蔵室では寒すぎるんです。また、野菜室は湿度が高く設定されているので、乾燥に弱いきゅうりは野菜室の方が保存に適しています。
野菜室での保存方法
保存する場合はペーパーに包んでポリ袋に入れ、野菜室で立てた状態で保存しましょう。
立てて保存する理由はきゅうりが縦に成長する野菜だからです。野菜は収穫後も生きており成長していきます。太陽に向かって成長しようとしているので、横にして保存すると余分な水分や栄養を消費してしまって長持ちしません。ペットボトルや牛乳パックを切ったものを野菜室に常に入れておけば、立てて保存しやすくなりますよ。
冷蔵保存したきゅうりの保存期間は4~5日程度になります。あくまで目安なので早めに食べきってくださいね。
冷凍室での保存方法
きゅうりは冷凍保存することもできます。冷凍保存の方法を紹介します。
冷凍保存の方法は、以下の通りです。
- きゅうりを薄く輪切りにする
- 塩もみをする
- 水気をしっかり取る
- 保存袋に入れて冷凍庫へ
この工程を行うときは菌が入らないようによく手を洗い、可能であれば手袋をして作業をしましょう。
冷凍きゅうりの保存期間はおよそ1か月です。家庭の冷凍庫は頻繁に開け閉めをするので、絶対に長期間安全に保存できるとは限りません。冷凍とはいえ、早めに食べきるようにしてくださいね。
きゅうりの豆知識
きゅうりの豆知識を紹介します。今と昔のきゅうりを比較すると今のきゅうりはアクが少ないと言われていますが、全くないわけではありません。
アクを抜いてあげることによってえぐみが少なくなり、調味料がよくなじみやすくなります。
きゅうりのアク抜きといえば板ずりが有名ですが、もっと簡単な方法があるので手順を紹介していきます。
この白い液体の正体はギ酸と呼ばれるアクを含んでいる維管束液です。ギ酸はきゅうりの実全体に含まれるわけではなく、維管束液に多く含まれています。ヘタ同士をこすり合わせることで維管束に流れている維管束液がしみだしてくるので、それを流してアクを抜きます。
きゅうりのおすすめの食べ方
私が一番おいしいと思うきゅうりの食べ方、無限きゅうりを紹介します。
辛いものが苦手なお子さんが食べるときはコチュジャンをケチャップに変えると食べやすくなります。
実際に私の発信を見て試してくれたフォロワーさんから「子どもがたくさん食べてくれた」「辛味がやみつきになっていくらでも食べられる」などのお声をいただいています。
うちの子どもも大好きなレシピです。無限に食べられるぐらいおいしいので、ぜひアク抜きしたきゅうりで試してみてくださいね!
最近の野菜トピック
今年の夏はとても暑いですね。最近は激しい災害も多く、農家さんも苦労をしておられるようです。野菜の値段も変動が激しいですが、たくさん食べることで農家さんの応援に繋がります。特に安くなっているときは農家さんの儲けも少なくなるので、安くなっているときほどをたくさん食べて需要を高めることで農家さんを応援していきたいですね。
ではまた次回の連載でお会いしましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました!