どんどん増える大好きなもの、雑貨屋さん風にレイアウトするには?~クック井上。さんの「世界一楽しいわたしの台所」
クック井上。さんの「世界一楽しいわたしの台所」
キッチンのテーマ、こだわりやお気に入りのポイントを教えてください。
「テーマは、大雑把に『U.S.A』、少し昔のカリフォルニアとかLAとか、そんな感じのイメージです。あっ、アメリカ行ったことないですけど(笑)。奥さんには『これ、いらなくない?』とか『しまっておいたほうがよくない?』とか言われるんですけど、僕、ちょっとガチャガチャしたのが好きなんです。雑貨屋さんっぽい雰囲気、LOVEです」
たしかに雑貨屋さん風で、つい、いろいろ手に取りたくなりますね!そんなキッチンツールたちの収納のマイルールはありますか?
「かわいい食器やお気に入りの調理道具は、見せておきたいっていうのがありますね。あとは物が多いのもあるので、必然的に『見せる収納』になっちゃっています」
お子さんたちも、キッチンの雰囲気づくりにひと役、買っているとか。
「キッチンは食卓から見えるので、6歳と4歳の小さい我が子たちに“楽しい空間”と思ってもらえるよう、『冷蔵庫(写真右)にはどれだけシールを貼ってもよし!他の場所にはアカンけど!』と伝えてあります。キッチンに入って来るきっかけ、お料理を目にするきっかけになってくれたら嬉しいです。ただ、貼り過ぎですけどね…(笑)」
コンロまわりの使い方、収納のマイルールは?
「古き良き洋食屋さんや喫茶店のキッチン、そんなイメージでレイアウトしています。スキレット、トング多数、計量カップ、フリーマーケットで入手した海外の珍しい調理道具などを吊るして、ここもやっぱり見せる収納ですね」
どれも味のあるものばかりですね。中でも、とくにお気に入りのアイテムといえば?
「コンロ上に吊るしてある、右から1番目と2番目のスキレットです。フリマで見つけたものなんですが、60代くらいの女性が『もう、重いのは持てないのよー。フランスに住んでた頃に買って、40年も使ったスキレットなのよ』と譲っていただきました。味は出てるけど、丁寧にお手入れされていたのがわかるスキレットです」
キッチンの左手の壁には、丁度手に取りやすい位置にスパイスラックが。
「ここにはスパイス&ハーブ、あとは日常よく使う調味料を並べています。東京・大久保にあるイスラム横丁で買った本格スパイスもありますよ。棚は、アメリカ製のものを見つけてきて、自分で打ち付けました」
手作りされている調味料もあるそうですね!
「真ん中の棚の右から2番目、瓶に入った自家製のラー油です。餃子のたれや麻婆豆腐、酸辣湯麺などで沢山使うので、買ってたら追いつかなくて自分で作っちゃってます。一味の辛さだけじゃなく甘味、香ばしさも感じられるラー油は自家製ならではだと思います」
キッチン横の廊下にも、古道具屋さんのような棚を見つけました!
「ここには、清涼飲料メーカーやアルコール飲料メーカーが出している、ノベルティのコップやグラス、ジョッキをしまっています。コーラ、ビール、ハイボールなどを自宅で飲むときでも、お店みたいに飲めるよう、その飲み物専用のグラスやジョッキをそろえています」
とくにお気に入りのものは?
「1番上の段に入っている、ホッピーのジョッキですね。業務用のもので、昔、よく通っていた渋谷の『細雪(ささめゆき)』という赤提灯が閉店する時に、大将に譲っていただきました。これにホッピーを注いで、テレビで吉田類さんの『酒場放浪記』(BS-TBS)を見ながら飲むってのが最高の時間です(笑)」
そもそも、この食器棚自体も歴史がありそうですね!
「ええ、アンティーク好きが高じて、実際にアンティークショップで働いていたこともある実家のオカンが譲ってくれたものです。実家は、家具も食器もアンティークだらけで、僕が古いものや人のあったかさが感じられるものが好きなのも、オカンの影響だと思います」
ダイニングスペース、お気に入りのポイントは?
「『アメリカに“憧れている”店主が営む喫茶店のカウンター』のイメージです。木製のものを多めにして、温かさが感じられるようにしています。テーブルと子どもの椅子をカントリー調にしたのがお気に入りですね。とはいえ、食卓に並ぶものは餃子や煮物など、完全に日本の家庭料理です(笑)」
お料理の話も出ましたので、ご家族からリクエストの多いメニューといえば?
「子どもからは、週末に一緒に作る餃子、から揚げ、自家製チャーシューとその煮汁から作る自家製ラーメンなどが多いです。奥さんからは、ナポリタンやお好み焼きが好評ですね。いろんな凝ったものも作るのですが、結局、昭和の定番の味が我が家の人気です」
テーブルと椅子は、ダイニングとキッチンの雰囲気に本当にぴったりですね!
「テーブルの天板は、買った時は塗りがしてあって光沢があったので、サンドペーパーをかけてからヘンプオイルを塗って、素朴な感じに仕上げました。3年くらいしか使っていないんですが、アンティークっぽさが出ていい感じになってくれています。
子どもの椅子は頂き物です。全て木なので、ここで生活を重ねていくうちに、子どもの成長や自分が年を重ねるにつれて、味が出ていけばいいなと思っています」
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お笑いコンビ、ツインクルとして活動中のクック井上。さん。「相方が芸人兼ベビーシッターもやっているので、子ども向け食育授業をやりたいですね。個人としても、大人初心者向け料理教室、料理動画、お店や商品のプロデュース、話と音が美味しいグルメなラジオ、思い出の味の継承事業、書く仕事もまだまだ増やしていきたいですし…、やりたいこと沢山あり過ぎです(笑)」。さすがは“最強料理芸人”、そのお名前やお料理を目にする機会はますます増えていきそうですね。