「卵焼き」が実は危ない!?知っておきたい、夏のお弁当で注意したいこと

お話を伺った方

料理研究家。2人のお子さんをもつ4人家族。「フーディストアワード」お弁当部門で3年連続グランプリを受賞。2016年に発表された「第3回 料理レシピ本大賞 in Japan」の「料理部門」で入賞。著書『たっきーママの毎朝ラクする!スープジャーのお弁当』も好評発売中。
実は“夏の卵焼き”が一番こわい
──夏のお弁当で、特に注意した方がいい食材はありますか?
「お弁当に入れることが多い『卵』は、注意してほしい食材のひとつです。
目玉焼きを入れる方も多いかと思いますが、半熟の目玉焼きは夏のお弁当に入れるのは言語道断。どうしても入れたい場合は、両面焼きくらいにした方が安心です。
さらに、スパニッシュオムレツのようにじゃがいもなど水分の多い具材を加えた卵料理も、夏場はとても傷みやすいので注意が必要です。でんぷん質の多い食材は菌のエサになるので、30~37℃くらいになると一気に繁殖してしまうんです。まさに夏の外気温ですよね。
しっかり焼いた卵焼きも、夏の屋外では3時間ほどで傷み始めると言われていますし、30℃を超える夏の常温ではあっという間に傷みますので調理法には十分気をつけてくださいね」
──それでも卵焼きを入れたい!そんなときの対策はありますか?
「おすすめは『酢』や『スパイス』を加えることです。例えば卵焼きに酢を小さじ1入れるだけでも、傷みにくくなります。味にほとんど影響はないので安心してください。
他にもカレー粉やターメリックなどのスパイスを少量入れてみるのもおすすめ。夏らしい風味にもなって一石二鳥ですよ」
──持ち運びをするときに意識することはありますか?
「保冷剤とセットでお弁当を持ち運びすると思いますが、保冷剤の置き方にもポイントがあって、お弁当箱の“上”に置くのが基本です。
冷たい空気は下に流れる性質があるので、下や横に置くと効率が悪いんです。
それから、ひと口ゼリーを凍らせて保冷剤代わりにしている方もいますが、1〜2個だけだとすぐ溶けてしまってあまり効果がないんです。 あくまで『補助的に』使うようにしてくださいね」
入れ方を間違えると傷みの原因に!夏のお弁当は“水分対策”がカギ
──卵以外に、夏のお弁当で注意しておきたいことはありますか?
「生野菜も、できれば避けたい食材のひとつ。たとえばミニトマトのヘタ、実は雑菌の温床なんです。見た目の彩りはよくても、必ず取ってから入れるのが鉄則です。
それに、ミニトマトを切ったりピックで刺したりすると水分が出やすくなって傷みの原因になります。まるごとそのまま使うのが安心ですね」
「ブロッコリーは水分が残りやすいので、ゆでた後はしっかり水気を切ることが大切です。もし水分が気になるときは、かつおぶしやすりごまと和えて余分な水分を吸わせるといいですよ。
生野菜をお弁当に入れるときは、おかずやご飯と直接触れないようにワックスペーパーやバランで仕切るなどの工夫も効果的です。おかずの塩分で野菜から水分が出てしまい、それが傷みの原因になることもあるので要注意です」
夏のお弁当作りは、“油断しない”がいちばんのコツ
暑い日が続くこれからの季節、少しの工夫や意識でお弁当の安心感がぐっと増します。冷蔵庫がなく、常温でお弁当を置いておかなければいけない場合は、たっきーママさんのアドバイスをぜひ参考にしてくださいね。
たっきーママさんの公式サイトやブログ、Instagramでは、ほかにも役立つアイデアがたくさん紹介されているので、ぜひ遊びに行ってみてください。
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