野菜のプロ直伝!「しいたけ」の基本・豆知識・おすすめの食べ方
こんにちは。
スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。
今回は「しいたけ」についてご紹介していきます。
しいたけは年中お店に並んでいるのでいつが旬かわからない方も多いかなと思いますが、これからの季節が旬なんです。
とはいっても、スーパーに出回っているしいたけはほとんど自然に自生しているものではなく、菌床栽培と呼ばれる工場で栽培されているものがほとんど。そのため、この時期だからといって特別においしいというわけではありません。
でも、なんとなくこれからの季節はきのこ料理が食べたくなってきますよね。
そこで、まずは鮮度がよくおいしいしいたけの選び方からご紹介していきます。
おいしいしいたけの選び方
鮮度のよいしいたけを見分けるには、以下のポイントをチェックしてくださいね。
・カサが丸まっている
・カサの色が薄い
・表面が湿っていない
それぞれ詳しくご紹介していきます。
カサが丸まっている
プリプリとした肉厚食感のしいたけを見分けるなら、カサが丸まっているものを選びましょう。
カサが開ききっているものは、プリプリした食感も弱くなっています。
カサの色が薄い
私が仕事でしいたけの鮮度チェックをするときは、カサの色を確認します。
鮮度のよいしいたけのカサは淡い茶色をしていて、カサの裏側は真っ白なんです。時間が経って劣化してくると、表と裏どちらも黒っぽく変色していきます。ですので、カサの色が薄いしいたけを選ぶようにしましょう。
表面が湿っていない
しいたけは湿気に弱いので、表面が湿っているようなものは傷みやすい傾向にあります。選ぶときは避けるようにしてくださいね。
しいたけの保存方法
ここからはしいたけの保存方法についてご紹介していきます。
<保存する前に>
汚れがある場合は湿らせたペーパーで拭き取ってください。
これは有名な話かもしれませんが、しいたけに限らずきのこ類は洗ってはいけません。洗ってしまうと、きのこの風味や香りがなくなってしまうからです。
そもそも流通しているきのこのほとんどは工場栽培なので、汚れはほぼついていないと思ってよいでしょう。それでも汚れが気になる方は、洗うのではなくペーパーで軽く拭き取るとよいですよ。
冷蔵保存の場合
1. しいたけを一枚ずつペーパータオルで包む。
2. カサを下に向けて保存袋に入れ、冷蔵室で保存する。
しいたけは湿気にとても弱いので、必ずペーパーや袋に包んで保存してください。
また、しいたけは冷蔵室で保存しましょう。しいたけの最適保存温度は5℃。野菜室だとしいたけにとって暑すぎるので、傷みが早くなります。スペースに余裕があれば冷蔵室で保存してください。
冷蔵保存したしいたけの保存期間はおよそ1週間です。ただ保存期間はあくまで目安です。野菜は収穫後も生きているので傷む速度は全て同じというわけではありません。また水溶性の栄養素は時間が経つにつれて失われていくので、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
冷凍保存の場合
しいたけは冷凍保存も可能です。以下の方法で保存しましょう。
1. 石づきを切り落とす。
2. 軸を切り落とす。
3. 保存袋に入れ、冷凍庫で保存する。
冷凍したしいたけの保存期間はおよそ1か月です。
料理に使う場合は、必ず凍ったまま加熱調理してください。自然解凍してしまうと、食感が大きく変わってしまい食味が悪くなります。
冷凍したしいたけは常温で1〜2分置いておくだけで包丁で切れるようになります。そのままみそ汁の具や炒め物に入れてしまいましょう。
しいたけの豆知識
しいたけの豆知識をご紹介します。
先ほどしいたけの冷凍保存方法をご紹介しましたが、しいたけを冷凍するメリットは保存期間が伸びるだけではありません。
しいたけは冷凍することで細胞壁が破壊され、旨味成分であるグアニル酸が3倍近く増えるのです。そのため、より味わいが引き立つようになります。
乾燥させて干ししいたけにすることでも旨味が増えるのですが、冷凍するだけでも手軽に旨味成分を増やすことができることを覚えていただけたら幸いです。
おすすめのしいたけの食べ方「しいたけつくね」レシピ
私が個人的に好きなしいたけの食べ方は、しいたけつくねです。
調理時間
20分
分量
2人前
材料
しいたけ…4~6個(大きさによって調整)
玉ねぎ…1/4個
鶏ひき肉…200g
おろししょうが…小さじ1
卵黄…1個
きざみねぎ…適量
薄力粉…適量
ごま油…大さじ1
マヨネーズ…大さじ2
塩こしょう…適量
(たれ)
料理酒…大さじ1
しょうゆ…大さじ2
みりん…大さじ2
砂糖…大さじ2
作り方
1. しいたけの軸を切り落とす。 玉ねぎとしいたけの軸をみじん切りにする。
2. ボウルに鶏ひき肉としょうが、マヨネーズ、塩こしょうを入れ、粘り気が出るまでしっかり混ぜる。
3. 2に玉ねぎとしいたけの軸を入れてさらに混ぜ、しいたけの数に合わせて等分する。
4 しいたけのカサの内側に薄力粉をまぶし、肉だねを内側に詰める。
5. 熱したフライパンにサラダ油をひき、4を焼く。
6. 焼き色がついてきたら裏返して酒を入れ、ふたをする。
7. 全体に火が通ったらたれを加えて煮からめ、お皿に盛り付けて卵黄ときざみねぎをのせて完成。
しいたけのぷりぷり感と甘辛いたれがからんだジューシーなつくねは相性抜群!秋にぴったりの一品です。試してみてくださいね。
最近の青果トピック
9月に入っても残暑が厳しい日が続きますが、だんだんと秋が近づいてきました。
9月になるとぶどうや梨などの露地栽培(屋外の畑で栽培する方法)の食材が流通し始めるため、秋の果物が安くなります。
りんごも「つがる」などの新物が出回るようになり、いちじくなども増えてきます。
一気に秋の果物売り場に切り替わるので、ぜひこの季節は秋の果物をたくさん食べていただけるとうれしいです。
また次回の連載で!最後まで読んでいただきありがとうございました。