アンティークとDIY、見せる収納で作る、ショップみたいなマイキッチン~末森陽子さんの「世界一楽しいわたしの台所」
末森陽子さんの「世界一楽しいわたしの台所」
一番のお気に入り、たっぷり収納できるDIY棚
これまでにも雑誌やWEBなどでたびたび紹介されてきた末森陽子さんのお住まい。ナチュラルで温かみのある雰囲気、日の光がたっぷり入り、お花やグリーン、ナチュラルな小物でさりげなく彩られて…と、まるでどこかのインテリアショップのよう。そんな素敵な空間は、キッチン、ダイニングなどDIYしたところも多いそうなんです。
末森さんがキッチンで一番のお気に入りという、ロータイプの白い収納棚。こちらも、ご主人と2週間ほどでDIYしたものだそうで、「中に収納する電化製品やカゴのサイズを測り、すべてすっぽりとしまえるよう設計しました。タイルトップにしたので熱いものを置くことができ、作業スペースとしても使い勝手がいいんです」。白いタイル張りがとっても素敵、「なるべく統一感を出したいので、キッチン用品や雑貨などの色は白、ベージュ、黒などに絞り込んでいます」というキッチンのたたずまいにもぴったりです。
「自分の目で見て確かめて吟味しているものばかりなので、キッチンにあるものはすべてお気に入りです」という末森さんは、見せる収納が基本。「たっぷり収納できるDIY棚ですが、ここに収まりきる量を常に保つよう、あまりものを増やしすぎないことを心がけています」
自分好みの演出で、大好きな場所に
通路を挟んで、コンロ、シンクは収納棚の対面に。「なるべくすっきりとした空間を作るようにして、使いやすさに重点をおいています」と、スタンバイしているのはお玉や木べらなど必要最低限のキッチンツール、そして毎日使うオリーブオイル、塩、こしょう、ワインビネガー、バルサミコ酢などの調味料だけです。
すっきり見せている分、とっても映えるのがアンティークにコーディネートされたキッチンカウンター。キャニスターの左側には、じつは窓枠がはめ込まれています。「気に入ったアンティークの窓枠と出会ったのでキッチンカウンターに取り付けました」と末森さん。木枠をはさんではめ込んであるだけとのこと、「釘などは使っていないので、いつでも取り外し可能です。気分転換で他の場所に替えようかな、と考えています」
模様替えできる、と思うと、キッチンのコーディネートもますます楽しくなりますよね。
和食器たちの収納にぴったりの意外な場所って?
この使い方は初めて拝見するかもしれません!シンク下の引き出しには、ふだんの食事で使う食器を重ねて収納。「シンク下の引き出しは深さがあり、重さにも耐えられるので以外と便利なんですよ。量もたっぷり収納できます」
ご家族で囲む食卓では、和食器を使うことが多いという末森さん。形、色、質感などさまざまな和食器には、高さがある収納がかかせません。シンク下の深めの引き出しがぴったり、というわけなんです。そして、この引き出しに入る量=ふだん使いの食器の数、と決めている末森さんのマイルールもぜひ、まねしたいところです。
「ざらっとした質感で黒やグレーなど重厚感のある器が好みです」という和食器の多くは、お友だちのお母さまの手作り(裏にはちゃんとオリジナルの焼き印が!)という思い入れのあるもの。「あとは、イイホシユミコさんの器も好きで、ことあるごとにひとつひとつ買い足しコレクションしています」
アンティークのカップボードは、リビングの主役
リビングに置かれた存在感たっぷりのカップボードには、自宅で開催する「おもてなし会」の食器やグラスを収納。オープンタイプの棚に落ち着いた色合いの洋食器が並び、お部屋のコーディネートにもひと役買っているようです。
ゲスト用の食器は枚数が必要になるため、「基本的には丈夫でスタッキング出来るもの、そして1枚ずつ買い足しできる定番の食器を使うようにしています。どんな料理にも合う無地でシンプルな食器は、長年使っていても飽きないですね」
その下の引き出しにはテーブルクロスなどのリネン、ペーパーナプキンやリボンなどを収納。「その時の料理や季節、来るお客さまのイメージで選ぶのも、私にとってとても楽しい作業のひとつです」
「お店で見た瞬間、私と主人がビビビっと来たので(笑)。わが家のリビングの主役です」というカップボードは、アンティークショップの「Old Friend」で購入。ガラス貼りになっているフロントにはお子さんが小さいころに拾ってきたどんぐりやくるみ、葉っぱなどがディスプレイされています。お使いになって10年ほど、ご家族を見守り続けてきたアイテムのひとつです。
人も、ものも、出会いとタイミングが大切。
「天窓があるので一日中明るい光が射し込み、夜には家の中にいながら月が見えることもあります」というダイニング。カーテン(天窓用もDIYで設置!)は白のリネンで統一し、とってもやわらかな雰囲気です。「植物や花が大好きなので、暮らしのそこかしこにかかさないようにしています」と末森さん。
レストランのように趣のあるアンティークのダイニングテーブル、そこに並ぶ椅子は少しずつ買い足したもの。「アンティークの家具とは出会いとタイミングが大切なので、いつもアンテナを張っています(笑)」。末森さんがお住まいの千葉は、素敵なアンティークショップやインテリアショップが多いそう。ダイニングには、末森さんが独身時代からかれこれ25年以上愛用しているというチェストも置かれ、「昔から、好きなテイストはさほど変わっていないような気がします」。長く使い続けているもの、新しくやってきたもの、どれも末森さんのおもてなしにはかかせません。
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「身近な食材でできる、簡単で見ばえのする料理。そこに花やクロス、雑貨などを合わせ手軽にできるコーディネートをたくさんの人たちに紹介し、その楽しさを共有できれば…」と始めた末森さんの「おもてなし会」も、あっという間に10年。「参加してくれた方同士が仲のいいお友達になることもあって、おもてなし会がきっかけでご縁が広がるのはとても嬉しいことです」
その「おもてなし会」、これからも続けていくのはもちろん、「小さなお子さんや、なかなかわが家のある千葉まで来られない方たちのために『出張おもてなし会』の開催を増やしたいと考えています」と末森さん。そうしてまた人やものとの縁が広がって…。ゲストもご自身もそんな出会いを大切にする、それが末森さん流のおもてなしなんですね。
末森陽子さんプロフィール
あの人気料理家さんのプライベートキッチンも登場♪
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