わが家の醤油はこいくち?うすくち?今さら聞けない「醤油」の基本のき
ご存じですか?5種類の醤油
古くから日本の食文化に欠かせなかった醤油。地域により違いがありますが、主な原料は「大豆・小麦・塩」の3つ。仕込み方法や貯蔵期間によって味や香り、色度などの違いが生じます。JASでは、種類、製法、特級の3つで分類していて、私たちに最もなじみの深いのは「種類」による分け方。主に次の5つに分類されます。
・こいくち醤油
・うすくち醤油
・たまり醤油
・さいしこみ醤油
・しろ醤油
日本で生産される醤油の8割以上を占める「こいくち醤油」は、赤褐色で深いコクと香ばしさが料理のおいしさを引き立てます。何にでも合う、まさに万能調味料。
これに対し、関西生まれの「うすくち醤油」は、卓上醤油としては色も香りも弱めな分、炊き合わせやすまし汁などの調理用としてよく使われます。仕上げに甘酒や水あめを加えているのが特徴で、塩分量も多くなっています。うすくち醤油よりもさらに淡い色の「しろ醤油」は小麦を主原料とし、強い甘みが特徴。
お寿司や刺身などで使われることの多い「たまり醤油」は、ほぼ大豆だけで作られ、強いとろみと濃厚な旨みが印象的です。醤油を2度仕込む「さいしこみ醤油」は、色・味・香り全てがとても濃厚。「甘露しょうゆ」ともいわれ、山陰から九州地方にかけての特産品です。
それぞれの醤油はどんな料理に合うの?
ポピュラーな「こいくち醤油」は卓上用、調理用としてどんな料理にも幅広く使えます。香りのよさから、クセが強い魚や肉の生臭さを消す効果もあります。
「うすくち醤油」と「しろ醤油」は、素材本来の持ち味や色合いを活かしたい料理にピッタリ。甘みのある「しろ醤油」はうどんつゆや玉子焼き、漬物などに利用されます。また、「たまり醤油」は加熱するときれいな赤味を帯びるため、照り焼きや佃煮などにも最適です。
「さいしこみ醤油」は、調理中に使うよりも冷や奴、刺身、カルパッチョなどできあがった料理に付けることが多いようです。
醤油をかけると塩辛さがやわらぐ?
醤油の香りは魚の生臭さを消してくれるので、刺身を食べるときや青魚を調理するときには欠かせませんね。それに、醤油を加熱した時の香ばしさは食欲を増進します。また、塩鮭など塩辛い味つけのものに醤油をかけると、塩味がやわらぐように感じることがあります。これは、醤油に含まれる香味成分や乳酸が塩味を抑えるため。
他にも甘みのある料理の仕上げに少量の醤油を加えると甘みがより引き立ったり、逆に天つゆなどかつおだしと醤油を混ぜると両方の味が共に強まるといった相乗効果もあります。醤油は塩分や醸造過程でできるアルコールを含むため殺菌力があり、料理の日持ちをよくする効果が期待できるんですよ。
ふだん何気なく使っている醤油ですが、こんな効果を少し意識するだけでそのおいしさはより深まりますね!
醤油はどうやって保存するの?
開栓前、賞味期限前の醤油でも、時間の経過と共に風味は落ちていきます。冷暗所に保存し、できるだけ早めに使った方が本来のおいしさを味わうことができます。
開栓後は酸化やカビの侵入を防ぐためにしっかりと栓をし、直射日光が当たらず火のそばを避けた冷暗所に保管しましょう。冷蔵庫での保管が最もオススメです。大型容器から移し替える際は、短期間で使いきれる小型の容器を選びましょう。開栓後は1ヵ月を目安に使いきるのがポイントです。
醤油を使い分けてみませんか?厳選レシピ3選
ここからはそれぞれの醤油に合う、おすすめの料理をご紹介していきます。
今回ご紹介したもの以外にも、「だし醤油」「ぽん酢醤油」など、醤油をベースにした調味料はたくさんありますよね。その種類の多さが、醤油の使い勝手のよさを何よりも物語っています。
いつも同じ銘柄の醤油しか使っていないのなら、この機会に他の種類もぜひ買い足して使い分けてみませんか。いつものレシピで作っても、使う醤油が変わるだけでまた違った味わいが楽しめるかもしれませんよ!
※参考ホームページ
キッコーマン「しょうゆのすべて」
しょうゆ情報センター
ヤマサ「ヤマサしょうゆ博士」
▼みりんにお酢、砂糖…上手な選び方と使い分けって?これまでの記事をチェック!
「今さら聞けない!調味料の基本」