新鮮でおいしいお肉を選びたい!食材選びのコツ~お肉編~
鶏肉
少しピンクがかった肌色でみずみずしく透明感があり、弾力があるものほど新鮮な鶏肉です。
皮は黄色っぽく毛穴がポツポツと目立っており、細かくひだが寄っているものがおすすめ。一見、白い皮のほうが新鮮のように見えますが、白く毛穴が閉じ、表面が平らになっているものは鮮度が落ちている証拠です。全体的に暗赤色をしていたり、白すぎて透明度がないもの、ドリップがたくさん出ていたりするものも避けてくださいね。
鶏肉は鮮度が命!
鶏肉を選ぶときにもっとも大切にしたいのは、新鮮なお肉かどうか。他の肉類と比べると水分が多く鮮度が落ちやすいため、買ったらすぐに冷蔵庫に入れ、なるべく早く使い切ります。古くなると臭いも強くなってしまいます。
ドリップとは
肉の内部から分離されて出てくる液で、血液ではありません。少々のドリップが出ていても衛生上の問題はありませんが、たんぱく質・ペプチド・アミノ酸などのうま味成分が含まれているため、ドリップが出ているということは、うま味も逃げているということ。なるべく少ないものを選びたいですね。
料理に合わせた鶏肉の選び方
部位ごとに特徴がありますが、どれも食べやすく、幅広く利用できます。手ごろな価格で普段使いにぴったりなのが若鶏(ブロイラー)。やわらかく、くせのない味です。地鶏は、値段は高めですが豊かな風味と歯ごたえがあります。
むね
やわらかくて脂肪が少なく、淡白な味が特徴。チーズやベーコンと組み合わせて風味を添えるのもおすすめです。
おすすめ料理:鶏ハム、から揚げ、フライ
もも
むね肉に比べてかためですが、たんぱく質や脂肪が多く、味にコクがあります。皮も生かした料理に適していますよ。
おすすめ料理:照り焼き、ロースト、フライ、から揚げ、カレー
ささみ
低脂肪でやわらかく、あっさりと淡白な味です。ゆでたり蒸したりと、しっとりとさせる調理が向いています。
おすすめ料理:サラダ、和え物
手羽(手羽元、手羽先、手羽中)
「手羽元」と「手羽先」にわけることができ、手羽先の先端を除いたものを「手羽中」と呼びます。ゼラチン質で脂肪が多く、コクがあり、じっくり煮込むと骨からもうま味が出ます。
おすすめ料理:水炊き、カレー、揚げ物、焼き物
豚肉
色合いは牛肉ほど鮮やかではなく淡いピンク色ですが、肩やすねは少し濃い色であるなど部位によって色が異なります。色合いよりは、ツヤがあるかどうかを目安に選ぶのがおすすめ。脂身は光沢のある乳白色で、粘りがあってかたいものが◎。牛肉と同じように、赤身と脂身の境目がはっきりしており、ドリップがパックにあまり出ていないものが新鮮さの目安になります。
豚肉は選びやすい?
豚肉は牛肉や鶏肉と比べ、品質に差がなく初心者でも選びやすいお肉といえます。注意として、新鮮な豚肉は淡い灰色がかったピンク色ですが、時間が経つと肉色は灰色へと変化していきます。また全体的に白っぽい肉も、変色する一段階前なので気をつけてくださいね。
料理に合わせた豚肉の選び方
牛肉ほど各部位の大きな違いがないため、どの部位も料理の範囲が広いのが特徴です。
肩ロース
赤身の中に脂肪が網目状に広がり、コクのある濃厚な味が楽しめます。和洋中のほとんどの料理に適しています。
おすすめ料理:とんかつ、生姜焼、煮豚、シチュー、野菜炒め
ロース
外側にほどよく脂肪がついており、きめ細かく脂身のおいしさが持ち味です。
おすすめ料理:とんかつ、ポークソテー
バラ
赤身と脂身が層になったいわゆる三枚肉で、豊かな風味とコクが特徴。
おすすめ料理:角切りは角煮、シチュー、酢豚。薄切りは野菜炒め、豚汁
もも
脂肪が少なくきめが細かい赤身肉で、ブロック、切り身、角切り、薄切り、ひき肉と利用範囲が広いことが特徴です。
おすすめ料理:野菜炒め、煮込み、ローストポーク
ヒレ
豚肉の中ではもっともきめが細かく、やわらかで上品で淡白な味。脂肪分が少ないため油を使った料理におすすめです。
おすすめ料理:かつ、ソテー、串揚げ
牛肉
色合いは、鮮やかな紅色をしており、きめが細かくしっとりとやわらかいもの。脂身は乳白色または白色で、適度な粘りがあり赤身との境界線がハッキリとしているものが新鮮です。時間が経つとドリップが出てしまうので、なるべく少ないものを選んでみてくださいね。
黒ずみの正体
パックから出したら黒ずんでいた!なんて経験はありませんか?「古いのかな?」と心配になりますが、肉の重なり部分が黒ずんでいる場合は、鮮度が落ちているわけではありません。切ってすぐの牛肉は黒色なのですが、空気に触れて酸化することで鮮やかな紅色になっていきます。なので、しばらく広げておくと鮮度がよければ黒ずみも取れていきます。ただし、冷蔵保存しているうちに色が変わってしまったものは、風味が落ちていますのでご注意ください。
料理に合わせた牛肉の選び方
牛肉は部位により特徴がはっきりしており、肉質がやわらかい場所はステーキやグリルなど焼く料理に、かたい部位は加熱するほどやわらかくなるためシチューなどの煮込み料理に向いています。
肩ロース
きめが細かくやわらかい部位。脂肪もほどよいため、牛肉特有のコクのある風味を楽しむことができます。
おすすめ料理:しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼肉
バラ
赤身と脂身が層になっており、濃厚な風味が特徴。
おすすめ料理:焼肉、牛丼、すき焼き
肩
肉質はややかためですが、エキス分やコラーゲンが豊富です。じっくり火を入れるとやわらかくなります。
おすすめ料理:シチュー、スープ
もも
もっとも脂身が少なく、塊で使う料理に向いています。
おすすめ料理:ローストビーフ、たたき
ひき肉
豚ひき肉、牛ひき肉、鶏ひき肉、合いびき肉がありますが、どの種類にもいえることは、色が全体的に鮮やかで均一なものを選ぶこと。鮮度が落ちてくると表面が黒ずんでいきます。また他の肉類と同様にドリップが少ないものを選ぶのが◎。ひき肉は空気に触れる面が多いため傷みやすく、その日に使う分のみ購入する、新鮮なうちに冷凍するなどの工夫も必要です。
料理に合わせたひき肉の選び方
ひき肉は火が通りやすく丸めることもできるため、さまざまな料理のバリエーションがあります。
鶏ひき肉
淡泊であっさりしており、高たんぱく、低脂質で消化吸収にすぐれています。和食に使われることが多いです。
おすすめ料理:鶏そぼろ、つくね
豚ひき肉
脂が多くコクがあり、ジューシーでやわらかな仕上がりになります。特に中華料理におすすめです。
おすすめ料理:餃子、焼売、麻婆豆腐
牛ひき肉
うま味が多く弾力があり崩れにくいため、こねて作る料理に向いています。洋食によく使われます。
おすすめ料理:ハンバーグ、ミートローフ、ミートソース
合いびき肉
豚肉のコクとやわらかさと牛肉のうま味が合わさることで、和洋中さまざまな料理に使えます。
おすすめ料理:ハンバーグ、キーマカレー、コロッケ
家族も喜ぶメニューが多いお肉ですが、新鮮でおいしいものはそれだけで十分なごちそうになります。せっかくなのでスーパーでカゴに入れる前に、お伝えしたそれぞれのポイントを思い出しながらお肉を選んでみてくださいね。