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お悩み解決!井上かなえ(かな姐)のオンライン料理教室
井上かなえ(かな姐)
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強火じゃなくても大丈夫だった!時間が経っても水っぽくならない野菜炒めのコツ4つ!

料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、水っぽくなりがちな「野菜炒め」を上手に作る方法を、4つのコツとともに教えてくださいました。強火で炒める必要がないので、慌てずに調理できるのも嬉しいポイント。いつもの野菜炒めにイマイチ満足できないという方は、ぜひ一度試してみてくださいね。
2022/06/16
2023/01/24
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こんにちは!井上かなえです。

第3回目のオンライン料理教室のお時間です。

前回は鶏もも肉の下ごしらえに関するお悩みへの回答でしたが、一緒にご紹介した「うめ塩はちみつ照り焼き」はもう復習されましたか?

梅干しを使っているので梅雨のジメジメした今の季節にはまさにうってつけ!防腐効果もありますし、食欲増進効果も疲労回復効果も期待できます。

まだ作っていない方は、ぜひ作ってみてください!

鶏もも肉の余分な脂肪ってどこまで取ればいいの?仕上がりに差が出る「下処理」の仕方を解説!

さてさて、それでは今回のお料理に関するお悩みはこちら!

 

野菜炒めを作ると、気を付けていても水分でべちゃべちゃになります。どうしたら良いでしょうか?

 

なるほどなるほど、野菜炒めに関するお悩みでした。

炒め物って短時間でできますし、一品で肉も野菜もどちらもとれるので、忙しいときの強い味方になる料理ですよね。

わたしは子どもの頃は野菜炒めがあまり好きではなかったのですが、大人になってからそのおいしさに目覚め、よく作るようになりました。

しかしよくある料理レシピを見ますと

・強火で短時間で炒めましょう!

・油で野菜をコーティングするように調理しましょう!

など書かれているものの、その通りにしているつもりでもイマイチその結果に満足できなかったり。

強火って書かれているから強火で作ったのに、にんじんは生だわ、逆にもやしは焦げてるわ、なんてことも。

そもそも調理してすぐに食べられる場合ならばいいですが、時間差で食べる家族がいらっしゃる場合などは、最初はシャキシャキでも時間が経つとどんどん水分が出てきてべっちゃり…なんてことも。

というわけで。

家庭で失敗しない、肉野菜炒めの作り方です。

(ご質問は野菜炒めだったのですけれど、今回は肉入りでメイン料理として作りました。解説の後にレシピも紹介しているのでそちらもぜひご覧ください)

まずはお肉。

肉の下味

これは下味をつけます。

味付けを後でしようと思うと味にムラができてしまったり、時間が経つと調味料の塩分によって野菜からどんどん水分が出てきてしまいがちに。

お肉にしっかりと下味をもみこみ、この時に片栗粉も加えておくことで一緒に炒める野菜から出る水分もとろみにして閉じ込めてしまう作戦です。

水分の出にくい野菜を選ぶ

次にお野菜です。

冷蔵庫にあるものならなんでもいいですよ!って言いたいところなんですが、これも選び方が重要になってきます。

水分を多く含む白菜、もやしなどはわたしは野菜炒めにはあまり使いません。

加熱するとめっちゃ小さくなってしまう野菜は、水分を多く含んでいると覚えておくとイメージが浮かびやすいかもしれません。

今回はキャベツ、にんじん、アスパラ、生きくらげを使いましたが、他にもヤングコーン、ピーマン、しめじ、エリンギ、たけのこの水煮、いんげん、にらなどなどが使えると思います。

キャベツをメインにしたときに、彩りとして赤いにんじん、濃い緑のアスパラやいんげんやにら、黒い色としてきくらげやしめじ、という風に色で組み合わせると、結果見た目にも食感的にも味的にもバランスの良い野菜炒めになります。

また、野菜を洗った後はよく乾かすか、キッチンペーパーで水分を抑え、余分な水分が少しでも入るのを防ぎます。

1種類ずつ炒めて

実際に炒めていく時ですが、

鉄のフライパンをお使いになっていらっしゃる方以外であれば、フライパンを事前にカンカンに熱しておく必要も、強火で炒める必要もないです。

中火でゆっくり慌てず、確実に1種類ずつ炒めていく方法にしましょう。

1種類炒めたら奥へ、また新たな食材を炒めたら奥へ、という風に炒めていきます。

もしもフライパンが小さくて、入れていくことが不可能であれば、炒め終わったものは一旦取り出しておいて、最後に一緒に合わせる方法もあります。

肉の次は固い野菜から

今回使う野菜はほぼ、生でも食べられるものばかり。

なので周りに油が回ったら後ろへやって、次のお野菜を入れていきます。

肉野菜炒め仕上げ

キャベツは余熱でも火が通っていきます。

全体をざっくりと混ぜ合わせたら火を止め、すぐにお皿に移します。

ここでフライパンにいつまでも入れっぱなしにしてしまうと、野菜にどんどん火が通りすぎてしまい、結果べちゃっとした仕上がりになってしまうのです。

味付けは肉の下味のみにしましたが、肉のしっかり味と肉から野菜に移った旨味でバランスの良い仕上がりになります。

もっとご飯がもりもり進むおかずにしたい場合は、最後にキャベツを入れた後で全体に軽く塩、ブラックペパーを振りかけたり、お皿に盛り付けた後にたっぷりの大根おろしをのせ、ポン酢をかけて食べるのもおすすめです。

肉野菜炒め

 

「野菜がシャキシャキ!水っぽくならない肉野菜炒め」レシピ

材料(3~4人分)

・キャベツ…300g

・生きくらげ…70g(同じ量のしめじやしいたけなどで代用可)

・にんじん…中1本(100g)

・アスパラガス…3本(いんげん10本で代用可)

・豚バラ薄切り肉…300g(豚こま、豚ももなどで代用可)

・油…大さじ1

A

・塩…小さじ1/2

・ブラックペパー…少々

・にんにく…1片(みじん切り)

・しょうゆ、ごま油…小さじ1

・片栗粉…大さじ1

作り方

1. 豚肉は4cm長さに切ってボウルに入れ、Aを加えてよくもみこむ。キャベツは一口大サイズに、生きくらげは1cm幅に、にんじんは短冊切りにする。

2. フライパンに油を入れて、1の豚肉を広げて入れ、中火にかける。肉をなるべくバラバラにほぐしながら加熱し、8割くらい色が変わってきたところで奥へ寄せる。空いたところににんじんを入れて軽く炒め、油が回ったら肉に混ぜて奥に寄せる。

3. 空いたところにきくらげを入れて軽く炒め、油が回ったら肉に混ぜて奥に寄せる。空いたところにアスパラを入れて同じように炒める。

4. 最後にキャベツを入れて、肉をキャベツの上にのせるようなイメージで炒め、キャベツ全体に油が回ったら火を止め、すぐに皿に盛り付ける。

 

結論!

1. 肉の下味に片栗粉を使うことにより、野菜から出た水分を吸ってもらうべし!

2. 野菜は水分が少ないものを選び、洗った後のしずくはすべてふき取ってから炒めるべし!

3. 肉、野菜はすべて1種類ずつフライパンに入れ、その都度炒めて合わせることにより加熱ムラをなくし、仕上がりを均一にすべし!

4. 調理が終わったらすぐに皿に移し、余熱で野菜に火が入りすぎるのを防ぐべし!

 

ぜひご紹介した方法でお試しください。

それでは次回のオンライン料理教室もお楽しみに。

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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