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【おいしい暮らし】料理家・柚木さとみさんが「レシピに頼りすぎず、味見してつくる」理由って?

【おいしい暮らし】料理家・柚木さとみさんが「レシピに頼りすぎず、味見してつくる」理由って?
暮らし上手な人にフォーカスし、お料理をすることや食べること、心地よく暮らすためのヒントをお届けする不定期連載「おいしい暮らし」。今回は、セルフリノベーションしたキッチンスタジオで「さときっちん料理教室」を主催する料理家の柚木さとみさんに、お料理や暮らしを楽しむコツを教えていただきました。
フーディストノート
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2018/11/20
2021/11/05
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体調やお天気、そのときの自分の気分にも耳を傾けながら

お料理をするうえで、大切にしていることはなんですか?

「料理をする上で大切にしているのは、その時々の食材の様子をよくみること。自分も含め、食べる人の体調や気分、お天気などとも相談しつつ、味見をしてつくること、です。

温度や湿度、食材の水分はそのときだけのもので、まったく同じということは基本的にないと思うので、レシピに頼りすぎず、そのとき求める味に微調整しながら料理を楽しむようにしています。そういった意味でも、味見はとても大切にしています」

レッスンで、生徒さんたちと一緒にお料理する際に心がけていることは?

「まず、教室のレシピは、習ったあと繰り返し作り、それぞれのご家庭の味にアレンジしながら育ててもらえるようなものを意識して考えています。なるべく特別な食材や調味料、道具などが必要なく、家で気軽に再現できるようなレシピが理想です。

レパートリーを増やすことは、料理を気軽に楽しむことに直結すると思うので、レッスンを受けられた方の、日々のごはんのレパートリーとして活用してもらえたら嬉しいです。

それから、教室では長く通われている常連さんも、初めていらっしゃる方も一緒にレッスンをするので、それぞれの方が心地よく過ごせるよう気を配るようにしています。また、数えるほどしか包丁を握ったことがないという料理初心者さんもいれば、料理上手なベテランさんもいらっしゃるので、それぞれの方のペースも大切にしながら、どう作業を分担して進めるのがいいか、といったこともそのときどきで意識しています。

いらして下さる全ての方に満足していただくのは難しいことだと思いますが、そこを目指して取り組んでいます。

そういえば最近、教室にいらした生徒さんが、思いがけずわたしの姉の知り合いだったことがあってお互いにびっくりしました!いろんなご縁を感じますね」

「おいしく、美しく見える料理の盛り付け、スタイリング」のアドバイスをお願いします!

「わたし自身、もっとおいしそうに、もっと生き生きとした盛りつけがしたいなと思っているので、アドバイスをするのも恐縮なのですが…。盛りつけのとき、いろいろと『バランス』は意識するようにしています。料理と器の色のバランスや、盛りつける分量のバランスや高さ、シルエットのバランスなど。

でも、あまり考えすぎずに、ざっと盛りつけた方がおいしそう、なんてこともよくあります。食材が窮屈にならないよう、料理そのものが呼吸できるような盛りつけができたら嬉しいです」

これまでのMY BEST レシピは?

■お野菜たっぷり「南蛮漬け」

昔から作っていて、教室でもいろいろアレンジしつつ紹介して人気なのが「南蛮漬け」。カラフルな見た目と、甘さ控えめな味付けが気に入っています。

レシピをチェック!>>

■まるまる谷中生姜の入った「谷中つくね」

つくねもよく作ります。谷中しょうがを入れるのが気に入っています。

レシピをチェック!>>

元気のない葉野菜は、ちょっとひと手間

忙しい毎日でもできる「味も見た目もおいしくするちょっとしたコツ」を教えてください

「ちょっとしたひと手間、下ごしらえは、やはり見た目と味をぐんとよくすると思います。たとえば、葉ものの野菜などは、買って来たらまず結束を外し、ボウルにたっぷりの水をはり、そのなかに入れて水を吸わせます。根元が乾いているようなら、少し根元を落とし、更に水にはほんの少しのお酢を入れます。

ちょっと元気がないな、という葉野菜も、しばらくすると元気になりますよ。そうしたひと手間で、野菜のもちもよくなるし、仕上がる料理もおいしくなります。

あとは切り物をするときに、長さや大きさをある程度揃える、などもポイントだと思います。なんてことないことのようですが、案外意識していない方も多いようです。見た目の美しさはもちろん、火の通り方、味の入り具合も均等になりやすく、仕上がりの味に差が出ます」

***

「食べる人に対して、というのももちろんなのですが、むしろそれ以上に、料理そのものや、食材に対して強く感じるのは、『料理は愛情』ということ。やっぱりそれだよな、ってしみじみ思います」という柚木さん。築60年のキッチンスタジオ、使いこまれた料理道具たち、そして、ご家族やお友だち、レッスンに訪れる生徒さんたち…。お料理と柚木さんのまわりも、いつでも愛情いっぱいです。

柚木さとみさんへのQ&A

ブログを始めたきっかけは?

ちょっと時間に余裕があったときで、日々のごはんの備忘録も兼ねて、なんとなくという感じでした。

1ヵ月でも食べ続けられる大好物といえば?苦手な食べ物は?

うーん。難しいですね。餃子やお寿司、香りの強い野菜(大葉、生姜、みょうが、三つ葉、パクチーetc)など好きなものは色々ありますが、1ヵ月となると、ちょっと想像がつきません。味噌汁、とかありなら、365日いけますが…。苦手なのは「ホヤ」かな。いただく機会も少ないのですけれど、あまり得意ではありません。

インテリアやライフスタイルなど参考にしているショップ、カフェ、雑誌、サイトなどはありますか?

最近は定期購読はしていませんが、創刊号からずっとマガジンハウスさんの『ku:nel(クウネル)』を定期購読していました。インテリアやライフスタイルに特化していたわけではありませんが、ものづくりのことが書かれていたり、料理が載っていたり、とにかく好きで読んでいただけですが、今思えば色々と参考になったり、影響を受けた要素がたくさんあったように思います。『天然生活』『& Premium (アンド プレミアム) 』『Kurashi』『nice things』なども好きな雑誌です。

お料理以外で、リラックスタイムの過ごし方といえば?

家でのんびり。映画も好きで、最近だと『グレイテスト・ショーマン』がよかったです。音楽はもちろん、映像や衣装も美しくて素敵でした。少し前の映画なら『ベアーズ・キス』の世界観がとても好き。『エターナル・サンシャイン』『マルコビッチの穴』『ヒューマンネイチュア』など、チャーリー・カウフマン脚本の映画も好きです。アクションものなら『キック・アス』、大好きです。あとは、吉祥寺や高円寺といった行き慣れた街をぷらぷらすること、でしょうか。地味です(笑)。

柚木さとみ
柚木さとみさん
築60年の平屋をセルフリノベーションしたキッチンスタジオで、“おもてなしにも対応できる野菜たっぷりのおうちごはん”をコンセプトにした「さときっちん料理教室」を毎月開講。企業向けレシピ開発や、ドラマの料理制作、雑誌、Webサイトへのレシピ提供も手がける。『塩レモン・塩ゆず パーフェクトブック』(辰巳出版)ほか著書も多数。

 

<ブログ>

さときっちん ~日々のごはんと宴のレシピ~
<Instagram>
柚木さとみ(ゆぎさとみ)@yugisatomi

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