旬の「しらす」と「ちりめんじゃこ」の違い、説明できますか?今さら聞けない「しらす」基本のき
「しらす」は「ちりめんじゃこ」と何が違うの?
しらすはイワシの稚魚の総称で、乾燥具合によって呼び名が変わるんです。生のしらす(写真中)を釜揚げしたものが「釜揚げしらす(写真左)」、釜揚げ後に少し干したものが「しらす(干し)」、じっくり乾燥させたものが「ちりめんじゃこ(写真右)」。
つまり、「しらす」と「ちりめんじゃこ」の原料はどちらも同じというわけなんです。しらすは白っぽくて柔らかく、ちりめんじゃこはあめ色で歯ごたえがあり、旨みが凝縮されています。食感と色、それぞれに特徴がありますね。
乾燥具合による呼び名は、地方によって違うことも。たとえば、関西ではしらす製品を「ちりめん」とひとまとめにすることがあり、「釜揚げちりめん」というものもあります。これはいいご当地ネタになりそうですね。
曲がったものが新鮮!「しらす」の選び方とは?
水揚げしてすぐにゆでたしらすは、お腹側に曲がります。まっすぐより、丸みのあるしらすの方が新鮮な証拠。また、鮮度が落ちるとしらすの表面がベタッするため、表面がサラッとしているものを選ぶといいですよ。
しらすは一年中出回っていますが、イワシの種類によってとれる時期が違うため、旬は春と秋の2回あります。今では急速冷凍の技術により、いつでも新鮮なしらすが食べられるようになりましたが、せっかくなら旬のしらすを堪能したいですね。
密閉せずに冷蔵庫へ!「しらす」の上手な保存方法
水分量の多いしらすは、傷みやすくデリケート。生ではない「釜揚げしらす」や「しらす(干し)」は冷蔵庫で保存できまが、湿気がこもって蒸れるため、密閉するのは避けて風通しをよくしましょう。
ふたやラップをしないで容器に入れるか、ざるのまま保存してください。少しずつ乾燥して硬くなりますが、食べるたびに違った食感を楽しめますよ。表面だけが乾き、下の方が傷みやすいので、毎日軽く混ぜてくださいね。
しらすは冷凍保存もできます。小分けにしてアルミホイルなどに包み、密閉袋に入れて冷凍庫へ。食べるときは、前日くらいから冷蔵庫にうつしてゆっくり解凍すると、品質が落ちにくいですよ。2週間程度を目安に食べ切りましょう。
いろいろ試そう♪「しらす」のアレンジレシピ
しらすといえば、ごはんにのせたり、大根おろしと一緒に食べたりするのが定番ですよね。ほんのりとした塩加減や、ふんわり食感を活かして、しらす料理をもっと楽しみませんか?
職人の技が光る!「たたみいわし」のおいしい食べ方
しらすといえば、「たたみいわし( たたみしらす )」という、しらすが薄い板のように一枚になった加工品もおなじみです。江戸時代から伝わるといわれ、パリパリとした食感が特徴です。
このたたみいわしは、水揚げされたしらすを生のまま、またはゆでてから天日干しにして仕上げます。すべて手作業で、職人さんの手間ひまがかけられた逸品なんですよ。
しらすの栄養と旨みがギュッと詰まっているたたみいわしは、そのまま食べてもおいしくいただけます。軽く焼いたり、ふりかけのようにごはんの上にのせたりしてもOK。しらすより保存期間が長いのもうれしいですね。
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小さなお子さんでも食べやすいしらすは、カルシウムやビタミンDも豊富。おいしくて栄養たっぷりと言うことなしです。アレンジレシピも活用しながら上手に保存して、しらすをもっとおいしくいただきましょう。
※参考ホームページ
まるとも海産「しらす豆知識」
中田遊亀商店「“しらす(しらす干し)”と“ちりめんじゃこ”ってどう違うの?」
しらす問屋とびっちょ「しらすの雑学」
しらす問屋とびっちょ「たたみいわし」
東野水産「“ちりめんじゃこ”と“しらす”の違い」
カネナカ商店「たたみいわし」
JCAST「今が旬!春のしらす―ここで見分ける鮮度と生臭さ撃退料理」
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