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お悩み解決!井上かなえ(かな姐)のオンライン料理教室
井上かなえ(かな姐)
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「おでんの大根」をもっとおいしく!味しみしみ&やわらかにする調理法を大公開!

料理に関するちょっとしたお悩みに対して解決方法を解説する人気料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、おでんの具材の中でも人気の高い「大根」をお店の味のようにおいしく作る方法を教えていただきます。冷凍した大根を使っておいしく作れるかどうかの検証結果もぜひご覧ください。
2024/12/30
2024/12/30
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牛ももブロックはローストビーフ...
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こんにちは!かな姐です。

今年の冬はなかなか寒くならないよねなんて言っていたのが嘘だったかのように、あっという間に寒くなったと思ったらその寒さも真冬並み!っていう急降下で、お天気に振り回されているうちに気づけばもう年末!

夏の暑さのせいなのか、今年は野菜のお値段がずっと高いので、少しでも安くて新鮮なものがないかなと、近隣のスーパーをハシゴする日々ですが、みなさまお元気でいらっしゃいますか?

そんな今回のお悩みは、今の季節にぴったりなこちらを選んでみました!

おでんの大根が好きなのですが、自分で作るとお店のようにうまく味がしみません。上手に作るコツはありますか?短時間でやわらかくする方法も教えてほしいです。

おでんの大根について。

寒くなってくると途端に食べたくなるのが冬の定番料理おでんですが、下ごしらえや煮込み時間を考えると、家で気軽に作れるものではないですよね。

そんなおでんを短時間で作りたいというのはみんなが考えている永遠のテーマらしく、過去にわたしもテレビや雑誌などの企画で「10分でできるおでん」だの「煮込まないおでん」などのレシピを依頼されてその都度考えてきたものです。

特に大根は、すっとお箸が何の抵抗もなく入っていくほどのやわらかさであってほしいし、中までじゅわっと味がしみしみになっていてほしい。理想とする大根はそう、お店で食べるあの大根!

そんな理想を目指して、今回も検証してみました。

大根を冷凍すると短時間で味がしみる?

おでんの大根を短時間で煮る方法としてよく挙げられるのが、大根を「冷凍しておく」というもの。

厚めにカットした大根の皮をむき、面取りしたものを生のまま一度冷凍庫に入れて完全に冷凍することにより、大根の繊維が壊れてここにお出汁がしみ込みやすくなるというもの。

若い子向けの料理ならともかく、おいしいものをさんざんあちこちで食べてきたわたしたち世代が食べてもおいしいおでんの大根に果たしてなるんだろうか?と今回ちょっと実験してみました。

冷凍大根

大根は3cmくらいの厚みに切り、皮をむいて面取りしてあります。これを厚手のポリ袋に入れて24時間冷凍し、その後冷蔵庫に移して24時間おいて自然解凍したものを使います(凍ったまま使うより、冷蔵庫で自然解凍させたほうが食感や味のしみ込はよいようです)。

煮込む前にさっと洗って、これを煮込んでいきます。

冷たい出汁に調味料を入れたものに、この冷凍の大根(解凍したもの)、手羽元、こんにゃくを入れて火にかけていきます。

煮込み開始

煮立ててあくをすくった後、弱火にしてとりあえず30分ほど煮てみました。

30分後

30分後です。

実は火が通った時点で何度か煮汁の味見をしてみたんですが、いつものうちのおでんの味と全然違うことに気が付きました。

なんというか、大根の味が強い!大根のくせがすごい!大根のにおいも味もめちゃくちゃ主張してくるので、おでんというより大根の煮物みたいな…。

生のままの大根なのでよく考えれば当たり前なのですが…汗

なので、この大根の荒々しさを緩和すべく、いつもよりだいぶ濃いめの味付けにせざるを得ませんでした。

いつもはあまり入れることがない、みりんやしょうゆも。味付けを濃くして大根のくせをカバーするべく…汗

柔らかくはなっているみたい

串はすっと通るんですが、下ゆでしていないので大根に透明感がなく、全体的に白っぽくて固そうに見えますよね。

この時点で火は中まで通っているのですが、煮えてすぐの状態ではさすがに味はしみていません。

煮物は冷めるときに味がしみ込むという特性があるため、ここから冷ますという作業に入ります。

とはいえ、何もせず放置するだけなのですが。

1時間ほど放置し、その後温めなおしていざ実食!

う~ん…大根はやわらかく、味もしみていないことはないのですが、理想とするようなやわらかさではなく、大根の繊維感が残る、少しガシガシした食感になっています。

わたしが個人的に思った結論なのですが、冷凍した大根でおでんはできないことはないが、食味は劣る。大根の野性味を強く感じるため、味付けは濃いめにしたほうがよい。という感じでしょうか。

というわけで、実に消化不良な実験結果に終わってしまったのですが、この実験を踏まえて、やはりこれが一番よい!と再認識するに至った大根の下ゆで方法をご紹介します。

おいしさ再認識!「おでんの大根」のおすすめの調理法

大根の下茹で

大根は3cmの厚みに切り、皮をむいて面取りをします。

鍋に入れてかぶるくらいの水をそそぎ、ここへ生米を小さじ1~2入れて、火にかけます。

※お米を入れることで大根のくせや苦味、香りをやわらげて本来の甘さを引き立たせ、大根を透明感のある白さに仕上げてくれます

串を刺してみる

30分ほど煮ました。竹串をさしてみたら、すっと通る感じ。このあとそのままこの中で冷まし、煮汁から引きあげて軽く表面を洗います。

さっと洗う

これでできあがりです。

ここまでをおでんを作る前日にやっておけば、おでんの前に煮なくちゃと焦らずに済みますよ。

冷たい出汁から煮ていく

こんな感じで冷たい煮汁に入れ、煮ていきます。

1時間煮たら、

厚揚げや練り製品も

厚揚げや練り物も入れて、30分煮ます。その後は冷ます作業に入ります。

じーーーーっくり中まで味がしみ込むのを待ち、食べる前に温めなおします。

あーーーーやっぱこれ!!これじゃないと!!

短期間に2回もおでんを食べた家族ですが、1回目に作ったおでんがいつもと味が違う!と大変不評だった分、2回目のいつものおでんに大満足してくれました。

「井上家の塩おでん」レシピ

分量

3人分くらい

材料

牛肩ロース塊肉…350g(3cm角に切る)

大根…1/2本

こんにゃく(下ゆで不要タイプ)…1枚(三角に切る)

厚揚げ…1パック

煮込みちくわ…1袋

さつま揚げ(ひら天)…1袋

A

水…1L

昆布…10cm角1枚

酒…大さじ3

みりん…大さじ1

塩…大さじ1

作り方

1. 大根は3cmの厚みに切り、皮をむいて面取りする。鍋に並べてかぶるくらいの水をそそぎ、生米小さじ1を入れて火にかける。中火で30分ほど煮て、大根に竹串がすっと通るようになったら火を止め、そのまま冷ます。冷めたら煮汁から大根を取り出し、大根の表面をさっと洗う。

2. 煮込み用の鍋にAを入れ、1の大根とこんにゃく、牛肉を入れて中火にかける。煮立ったら丁寧にあくをすくい、ふたを斜めにのせて弱火で1時間静かに煮る。

3. 厚揚げやちくわ、さつま揚げなどを入れてさらに30分ほど煮たら火を止め、冷めるまで置いて味をしみ込ませる。食べる前に火にかけ、温めなおす。

 

内心わたしも大根の下ゆでって本当に必要なの?冷凍大根でもいいんじゃないの?と思っていたのですが、実際作れないことはないし、それなりのものはできあがりますが、個人的にはこれからも面倒でも必ず生米で下ゆでしてから大根は作るべき!味も食感もしみ具合も全然違う!と自分の心の中にメモしました。

とはいえ、忙しいときや大根が余っているときは冷凍する手もあり!と思うので、適材適所で活用しようと思います。

では次回もお楽しみに。

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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