18年でおよそ5,000の和洋中レシピを紹介!筋肉料理人さんの【おいしい暮らし】
魚のお造りだけでも数千回!
——筋肉料理人さんがフーディストとしてレシピを発表するようになったきっかけを教えてください
「もう20年以上前になりますが、家の都合で居酒屋のアルバイトを始めて、店で作る料理を家でも練習するようになったんです。料理ブログがはやり出したのがちょうどその頃。そこで、自分用の記録も兼ねてちょっとやってみようか、と立ち上げたのが今も続くブログ『魚料理と簡単レシピ』です。
最初は、居酒屋料理に欠かせない刺身や魚料理の練習ばかり携帯のカメラで撮影してアップしていました。記事にしていないものも入れると、魚のお造りだけでも数千回はやったと思います」
——だからブログのタイトルが『魚料理と簡単レシピ』なんですね
「そのうちに、自分の本を出版された料理ブロガーさんの話をよく聞くようになったのが本格的に料理ブログを書くようになったきっかけです。居酒屋バイトの経験をいかして調理師免許を取得して、安い一眼レフカメラも買って撮影を始めました」
——レシピを発表するようになってから、ご自身の生活にどんな変化がありましたか?
「ブログで本格的にレシピを紹介するようになってから、1年くらいで運よくレシピ本を出版することができました。出版を機にテレビをはじめいろいろなメディアから声をかけていただくようにもなりました。レシピ本や雑誌、テレビなど撮影の現場で拝見したプロのカメラマンさんのテクニックは、今でも撮影するときに大いに役立っています」
「そのうちに撮影自体も楽しくなってきて、携帯で動画を撮り、まだ英語表記しかなかった頃のYouTubeにも投稿を始めました。おかげさまで今ではYouTubeのチャンネル登録者数は10万人を超えています。
こんな感じで、できることはすべてやる、いただいた仕事は断らないという姿勢で今もやっています」
——レシピを考えたり、料理をしたりする上で大切にしていることはありますか?
「どのレシピも、一般の家庭で作りやすい材料と工程で紹介するように心がけています。10年以上、地元の施設で料理教室の講師を担当しているので、そこでの生徒さんとのやりとりも日々のレシピを考えるときの参考になりますね。
ちなみに、今は高齢の男性向けの料理教室や、お子さんとお父さんの親子料理教室を担当しています。レシピ作り、料理教室の進行とラクな仕事ではありませんが、私の方こそいろいろと勉強させてもらっています」
——お忙しい毎日、お時間のない中で「味も見た目もおいしい料理を作るコツ、準備」などアドバイスをお願いします!
「短時間で作るには、下ごしらえが少なく、熱が入るのに時間がかからない材料で作れる料理を選ぶことも大事だと思います。
見た目に関しては、自分なりの盛りつけのコツをつかむこと。たとえば、先日作った簡単ビーフストロガノフ風なら、マカロニにソースをかけるのではなく、皿の片方にソースを、もう片方にマカロニ、そして彩りになる野菜をワンポイントで盛りつけました。単調な色合いの食材が多いので、仕上げには乾燥パセリをアクセントにふりかけています。
ちなみに、この料理は包丁で切るのは玉ねぎだけ。牛肉は短時間で熱が入る薄切りを使うので、ごちそう感ある見た目に反して、それほど手間をかけずに作れますよ」
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「これまで公開したブログの記事はいつの間にか6,000を超えていて、紹介したレシピは5,000近くあると思います。なにせブログを始めたのが2005年。最初の頃に作ったレシピは正直、覚えていないものもありますし(笑)、こんなのも作っていたなあなんて懐かしいものもあります」という筋肉料理人さん。料理と筋トレ、バイクをこよなく愛し、多くの料理家さんからも慕われる、まさにフーディスト界のレジェンド的存在です。
筋肉料理人さんのフーディストノート公式連載「筋肉料理人の絶品『鶏肉レシピ』」では、鶏もも肉や鶏むね肉をはじめとした、使い勝手がよくたんぱく質も摂れる人気食材「鶏肉」を使った絶品レシピを紹介中です!
筋肉料理人さんへのQ&A
——ニックネームの由来は?
「好きな筋トレにちなみました。筋トレはもう私の生活にとけ込んでいます」
——大好物といえば?苦手な食べ物は?
「あえて言えば、博多の郷土料理ごまさばです。おいしいごまさばを食べると目が覚めるようです!苦手なものは今はないのですが、子どものころはきゅうりが大嫌いで給食に出ると逃げ出すほどでした」
——思い出の料理本はありますか?
「料理本ではありませんが、小説家の開高健さんの作品です。オーパ!シリーズでの南米料理や、ベトナム戦争の戦場で食べた料理など、開高さんが世界中を旅しながら食べた料理とその表現には今も大きな影響を受けています」
——インテリアやライフスタイルなど参考にしているショップ、カフェ、雑誌、サイトなどはありますか?
「ホームセンターめぐりは好きですね。用事があってホームセンターに行くと、インテリアや家具コーナー、キッチン関連のものを見てまわり、最後に園芸品コーナーを眺めて帰るのが定番です」
——料理以外で、リラックスタイムの過ごし方といえば?
「料理以外で好きなものは筋トレ、バイク、熱帯魚飼育です。仕事が終わってジムに行き、帰宅後に食事しながら水槽を眺めたり、食後にガレージに行ってキャンプチェアに座ってバイクを眺めたり、バイクの横で開高さんの小説を読んでたりしています」
佐賀県在住の料理研究家。「どこでも手に入る材料で作れるおいしい料理」をモットーに、ブログ・YouTube等で写真や動画を使ったわかりやすいレシピを公開中。著書に『筋肉料理人の男子ゴハンレシピ』『最高の晩酌つまみ』(ともに宝島社)などがある。趣味はニックネームの由来でもある筋トレの他、バイクや熱帯魚など多岐に渡る。
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Kazuo Fujiyoshi(@kinnikuryourinin)
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筋肉料理人 藤吉和男(@kinniku)
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