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井上かなえ(かな姐)
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これで失敗知らず!煮魚の味付けがおいしく決まる基本のレシピと作り方のコツ

料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、煮魚をおいしく作るコツを基本のレシピと共にご紹介いただきます。味付けがうまくいかないという方は必見です!
2024/01/16
2024/10/24
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こんにちは!かな姐です。

年末年始にごちそうを食べ過ぎて、少し胃がお疲れ気味の方も多い時期でしょうか。

野菜のスムージーや断食など特別に頑張らなくても、ご飯、おみそ汁、煮魚、野菜と昔からの和食をきちんと腹8分目にいただくと、身体がすっきりしていくような気がします。

さて、そんな年明けに選んだお悩みはこちらです。

最近、煮魚のよさが分かり、時々作ります。 でも、なぜかぼんやりした味で煮魚の味が決まりません。どうしたらよいでしょうか。

煮魚!

いいですよね煮魚。短時間でできるし煮るだけなので台所も油などで汚れませんし、おしょうの香りでご飯に合うし、たまに無性に食べたくなる和食ナンバーワンではないでしょうか。

基本の調味料と煮方さえ覚えてしまえば、失敗することもほとんどなく、魚を変えていろいろなバリエーションで楽しめるので、まずは基本の煮魚の作り方をおさらいしてみましょう。

煮魚に向くお魚はお住まいの地域や季節によっても変わってきますが、カレイやぶり、メバル、金目鯛などなど。

うちのお姑さんは昔よく鯛の煮つけを作っていましたし、デパートのお惣菜屋さんでは鯖の煮つけも売っています。

今回はおいしそうな子持ち赤カレイを買ってきました。

「基本の煮魚」レシピ

分量

2人分

材料

・子持ちカレイ…2切れ

・しょうがスライス…皮付きのまま4枚

A

・水…150ml

・酒…50ml

・しょうゆ…大さじ2

・みりん…大さじ1

・砂糖…大さじ1

作り方

子持ちカレイ

カレイは切り身で売っているものを買っています。汚れやにおいが気になるようであれば、さっと表面を洗ってキッチンペーパーで水気をふき取りますが、今回のは特に気にならなかったのでしていません。

また、わたしはお湯をかけて表面の汚れを落とす霜降りもしません。最近のお魚は鮮度もよいですし、いい状態で売られているので特に必要ないと思います。

重要なのは、このお魚2切れがちょうど重ならずに並べて入る大きさの、浅めの鍋で煮ていくこと。

底が広めで浅めの鍋の代わりになるのが、フライパンなんです。

フライパンを使用する

ここで調味料とお水、そしてくさみ消しのしょうが(皮付きのままスライスする)を全部入れて火にかけ、強火で煮立てていきます。

カレイには表面の皮の部分に包丁で切り込みを入れておきます。

厚みのあるお魚の場合はこうすることで表側にも味がしみ込みやすくなります。

切れ目を入れておく

調味料を量るために使った計量カップとスプーンはフライパンのそばに置いておきます。あとから、煮汁をかけるときに使うからです。

フライパンへ並べて入れる

煮汁が煮立ってきたら、魚を重ならないように並べて入れます。

煮汁が魚の上まで来ていませんよね?

ここでクッキングシートで落し蓋をしていくんですが、その前に上の部分に煮汁を5回ずつくらいかけます。

スプーンで煮汁をかける

煮汁をかけると熱い煮汁のせいで皮目がキュン!と縮みます。

まんべんなくかけてやったら、クッキングシートで落し蓋をします。

ここまでずっと強火のままです。

落し蓋をする

クッキングシートが浮き上がっているようならば、火を強火から中火にします。

このまま10分煮ていきます。

10分煮た状態

10分後です。

落し蓋のおかげで煮汁に浸かっていない魚の上の部分にまでちゃんと火が通りました。

ここで落し蓋は外し、仕上げに煮汁をお魚にかけていきます。

さらに煮汁をかける

何度も何度もかけながら、煮ていきます。

しっかりかけているうちに、煮汁が煮詰まって少し照りが出てきました。

いい色になった状態

先ほど、クッキングシートを外したときの画像と比べて、魚の表面に照りが出ているのがおわかりいただけますでしょうか。

クッキングシートを外してから2分間くらいです。ここで火を止めます。

へらなどでそっと移動させる

魚の身が大変崩れやすいので、へらなどを使って慎重にお皿に移動させましょう。

最後に煮汁をかける

フライパンに残った煮汁を魚にかけて、完成です。

子持ちカレイの煮つけ

煮魚をおいしく作るコツ

お魚を煮るときは、強めの火でスタートし、落し蓋をして10分煮た後は、しっかりと煮汁をかけながら仕上げ、最後に残った煮汁をお魚にかける、これで失敗知らず!

最後まで煮詰めずに煮汁は最後にかける分を残して火を止めるのがコツです。

 

この方法で、ぶりの煮魚も作ってみましたので最後にもう一つレシピを紹介しますね。

お魚おかずをしっかり1品でメイン料理にしたいとき、魚以外の食材(ねぎやごぼう、大根、豆腐など)を入れて一緒に煮るのもおすすめなんです。

鰤と焼き豆腐の煮つけ

「ぶりと焼き豆腐の煮つけ」レシピ

分量

4人分

材料

・ぶりの切り身…4切れ

※天然ぶりより養殖の方が脂がのっていてやわらかく仕上がります

・焼き豆腐…1丁(350g)

・長ねぎ…2本

※わたしは岩津ねぎを使用しました!めっちゃおすすめ

・しょうがスライス…皮付きのまま4枚

A

・水…200ml

・酒…100ml

・しょうゆ…大さじ4

・みりん…大さじ2

・砂糖…大さじ1

作り方

1. フライパンにAとしょうがスライスを入れて強火で煮立て、ぶりと食べやすい大きさに切った焼き豆腐を入れる。煮汁を全体にかけ、クッキングシートで落し蓋をし、中火で10分煮る。

2. クッキングシートを外し、斜めに切った長ねぎを加える。全体に煮汁をかけながら煮汁が少なくなるまで2分ほど煮る。

3. 魚の身を崩さないように慎重にお皿に盛り、最後に煮汁をかける。

 

いかがでしょうか。

煮魚は途中でひっくり返さないので上の部分に煮汁をかけながら仕上げることで、味をしみ込ませていきます。

魚が重ならないように並べられて、なおかつ大きすぎない適度な大きさのお鍋(フライパン)を選ぶのも大切!!

ちなみに2人前のカレイを煮たときのフライパンは24cmの浅型、4人前のぶりと焼き豆腐を煮たフライパンは28cmの浅型を使いました。

ポイントさえ押さえれば、煮るだけなので本当に簡単で短時間でできるのがうれしい煮魚。ぜひお試しくださいね!

次回もお楽しみに。

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井上かなえ(かな姐)さんのプロフィール
井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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