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井上かなえ(かな姐)
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作り置きおかずを水っぽくさせない3つのテクニック~「もやしナムル」と「きのこの和え物」編~

作り置きしたおかずがおいしくない…誰もが一度はそんな経験があるのではないでしょうか。料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、水っぽくさせないテクニックとともにお悩みに対する解決方法を教えていただきます。
2023/06/16
2023/09/06
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固くなる…加熱ムラができる…。お...

こんにちは!かな姐です。

4月から社会人になった我が家の長女なんですが、最近とってもいい感じの八百屋さん(新鮮で安い!)を近所に見つけたらしく、週末になると野菜をあれこれ買ってきて、作り置きの副菜を作るのにハマっているみたいです。

週末にまとめて副菜を作っておき、それを次の週の毎日のお弁当や晩ごはん作りのときに活用するという方法は、母であるわたしがずっとしていたルーティンだったのですが、すっかり長女もこの方法が気に入っているみたい。

完成した色とりどりの副菜を並べて写真に撮るところまでわたしと同じなので、今では週末になるとお互いにどっちが先に作るか、どっちがおいしそうか密かに競っている母娘です(笑)。

さて、そんな作り置きの話題から、今月はこちらのご質問を取り上げてみました。

もやしのナムルやきのこの和え物(やさしめのお味)など、味付けをした直後は味がするのに、次の日になると味が消えちゃう料理があります。油を先にからませてから味付けをするようにはしているのですが、結局2日目には残念な味になります。

作り置きした料理が水っぽくなってしまう事があります。特に焼き菜の花は、作りたてはパリッと香ばしくておいしいのですが、タッパーで保存するとしなしなで味も落ちてしまいます。おいしく保存するコツはありますか?

これ、あるあるですよね。

少し多めに作って冷蔵庫に入れておいたら、できたてと味わいが変わってしまった…。昨日はおいしかったのになんで??と一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

せっかく作り置きするのですから、水っぽくさせずにおいしく保存したいですよね。

というわけで、ご質問に上がっていたもやしナムルときのこの和え物をわたしが作り置きのおかずとして作るときに気を付けていることを、実際に作る工程を見ていただきながら説明していきますね。

作り置きおかずを水っぽくしないコツ~もやしナムル編~

まずは水っぽくなる代表、もやしから。

もやしのナムルですが、たいていは熱湯で湯がいたり、レンジでチンしたりして加熱してから調味料を和える、という作り方ですよね。

今回はレンジで加熱していきます。

「もやしナムル」レシピ

日持ちおかずを作る場合の敵はなんといっても水分。

もともと食材に含まれている水分もありますが、ゆでるときにも余分な水分が付いてしまうため、なるべく無駄な水分を付けないようレンジで加熱するというわけです。

これで食材に含まれている水分の対策をすればよいだけになります。

また、加熱後のことですが、そのまますぐ食べるときはあまり気にしなくていいのですが、日持ちさせたいおかずとして作るときには、「なるべく素手で触らない」というルールが重要になってきます。雑菌をなるべく入れないようにするためですが、手で触ると雑菌が繁殖して一気に腐りやすくなります。

ですので、加熱後に食材から出た水分を絞るときなど、手で触らないようにするため、お箸で押さえつけるようにして絞ったり、調理用の手袋をするのがよいでしょう。

「もやしナムル」レシピ

加熱後のもやしです。

お箸を使って水分を切ったあと、ボウルに移して味付けをしていきますが、まずここで重要なのは、液体の調味料で味付けしないようにすること。

例えばよくありがちなのですが、おしょうゆ味にしよう!めんつゆ味にしよう!とここで液体のものを入れてしまうと、時間が経ったときに味が薄くなり、水っぽさを感じるようになります。

なので液体じゃない調味料、すなわちお塩をメインに味付けしていく。おしょうゆは香りづけとして使います。

そしてもう一つポイント!

素材から出る水分で、料理を水っぽくさせないためのアイテムを入れていきます。

食材の水分を吸ってくれて、なおかつ旨味成分が含まれているものです。

ここでは国産のカットわかめ(水洗い不要のもの。裏面にみそ汁には仕上げにそのまま入れる等書いてあるもの)を入れました。もちろん戻さずにそのまま入れます。

これがのちに、もやしの内部からどんどん出てくる水分を吸いつつ、旨味のもとになってくれるんです。

よく和えてできあがり!粗熱が取れたら、清潔な保存容器に入れて冷蔵庫に入れましょう。

わかめのほかにも、わたしがよく使う食材の水分を吸ってくれる乾物はこちら。

「もやしナムル」レシピ

かつおパック、塩昆布、すりごま、乾燥のえび(干しえび)、そして乾燥のカットわかめ。

加熱せずに食べられて、食材から出る余分な水分を吸い取り、さらには食材に旨味をプラスしてくれるので、食材が持っている本来の水分をお出汁のような存在にしてくれるのです。

味付けとして水っぽくさせないものは、塩のほかには昆布茶や顆粒の出汁のもと、顆粒の鶏がらスープのもとなどがあげられます。いずれも液体ではない、というのがポイント。

必須ではありませんが、ここに油を加えるとコクや香りがプラスされ、よりおいしく感じます。

「もやしナムル」

こちらが、2日後のもやしのナムルです。

乾燥わかめがもやしの水分でしっかりと戻っています。

「もやしナムル」

保存容器に水分も溜まっていませんね。

味も薄まらず、しっかりおいしいままでした。

作り置きおかずを水っぽくしないコツ~きのこの和え物編~

同じように、きのこの和え物も作ってみました。使うきのこはしめじ、和えるのに使うのはおかかです。

おかか和えといえば、おしょうゆとかつおぶし、と思われがちですが、作り置きにする場合はここでもおしょうゆで味付けするのではなく、お塩で塩味を付けておき、おしょうゆは香り付けに。

かつおぶしは、たっぷりと加えます。

「きのこの和え物」レシピ

もやしと同じようにしてレンジで加熱したしめじです。

お箸で水気を切ったあと、ボウルに移して塩、しょうゆ、かつおぶしで和えるだけ。

これも同じように2日後に水分の出具合を見てみたところ、さすがに少し出てしまっていたのですが、かつおぶしのおかげでその水分がお出汁のようになって、しっとりじゅわっとお出汁が溢れるおいしい和え物になっていましたよ。

焼き菜の花とアスパラのおかず

2つ目のご質問にあった焼き菜の花(フライパンにオリーブオイルをひいて菜の花を広げて両面パリッと焼いていくだけの、我が家の春の定番の日持ちおかずです)なのですが、焼き立てのパリッと感はどうしても日にちが経つとなくなります。

ですが、オイルで焼くだけにしておき、食べるときにだし醤油をかけたり、刻んでおしょうゆをふったり、他の具材と一緒にご飯の上にのせてビビンバ丼にしたりするとまた違った味わいになってそれはそれでおいしいのかな~と思います!しなっとなったからこその別のおいしさを見つける方法で!!

ちょうどアスパラがたくさんあったので、アスパラを使った日持ちおかずも最後にご紹介しますね。

「きのこの和え物」レシピ

根元の固い部分の皮をピーラーでむいたアスパラを、食べやすい大きさに切ってアルミホイルの上にのせ、塩をふりかけます。

「きのこの和え物」レシピ

魚焼きグリルで蒸し焼きにします。

「きのこの和え物」レシピ

乾燥えび(干しえび)とごま油をまぶしてできあがり。

作り置きおかずを水っぽくさせない3つのテクニック

というわけで、作り置きの副菜を水っぽくさせないための3つのお約束!

  1. ゆでるのではなくレンジを使う
  2. 液体の調味料で味付けしようとしない
  3. 食材の水分を吸ってくれる乾物を利用する

作り置きおかずを水っぽくさせない3つのテクニック

最後に今回のレシピを書いておきますね。

「もやしとわかめのナムル」のレシピ

材料

・もやし…1袋(200g)

・乾燥カットわかめ…大さじ2

・塩…小さじ1/4

・ごま油…小さじ1

作り方

1. もやしは耐熱容器に入れて蓋を斜めにのせ、600Wの電子レンジで2分加熱する。

2. 水気を箸を使って切り、温かいうちに乾燥カットわかめ、塩、ごま油を混ぜる。

「しめじのおかか和え」のレシピ

材料

・しめじ…大1株(石づきを取って150g)

・塩…小さじ1/4

・しょうゆ…小さじ1

・かつおぶし…1袋(2g~3gくらい)

作り方

1. しめじは石づきを取って小房に分け、耐熱容器に入れて蓋を斜めにのせる。600Wの電子レンジで2分加熱して取り出し、箸を使って水分を切る。

2. 塩、しょうゆ、かつおぶしを加える。

「焼きアスパラの干しえび和え」のレシピ

材料

・アスパラ…200g

・塩…小さじ1/3

・干しえび…大さじ1強

・ごま油…小さじ1

作り方

1. アスパラは根元の固い部分の皮をピーラーでむき、食べやすい長さに切る。ホイルにのせて塩を振り、きっちり包む。

2. 両面魚焼きグリルで5分加熱し、ホイルを開けて干しえびとごま油を加えて混ぜる。

 

ぜひ、お試しくださいね!

ではまた来月。

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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