ごまサバ、博多の郷土料理
こんにちは~筋肉料理人です!皆さん、お元気ですか~
きょうの料理は博多の郷土料理、ごまサバです。ごまサバとは刺身用の鯖を角切りにし、ごまとしょう油ベースのタレに漬け込んだ漬けです。関東の方が博多に来て驚くのが、居酒屋さんで普通に鯖の刺身がメニューにあることだと聞きます。九州在住の者にとって、鯖の刺身はスーパーでも売っている当たり前の刺身ですが、関東の方では鯖はしめ鯖にするのもので、刺身では食べないものだからです。言われてみると昔、居酒屋さんでアルバイト料理人をやってた頃、本社の偉い料理長(京料理の人)が来て、鯖の刺身を出すのを嫌がってたのを思い出しました。
その当時から「なんで本州じゃ鯖の刺身を食べないんだろう?」そう思っていたのですが、鯖の刺身の食中毒の原因になる寄生虫のアニサキスは、東シナ海、日本海側で獲れる鯖と、太平洋で獲れる鯖ではアニサキスの種類が違うらしく、どちらの鯖にもアニサキスがいるのですが、太平洋側で捕れる鯖のほうが刺身にした時、アニサキスの食中毒を起こしやすいんだそうです。→こちらに資料があります。
何故、そういうことが起こるかと言えば、アニサキスは魚の内臓の表面に寄生していて、内臓を取り除けば身にはいないんです。ですが、魚が死ぬとアニサキスは内蔵表面から筋肉に潜り込んで行くらしく、アニサキスが潜り込んだ身を刺身にすると食中毒を起こすことがあるんだそうです。ここで東シナ海、日本海側の鯖と、太平洋の鯖に違いが出ます。太平洋側の鯖に寄生するアニサキスのほうが身に移りやすいんだそうです。資料を見て納得しました。確かに太平洋側の鯖を刺身にするのはヤバイ感じがします。資料には獲れて何時間後か書かれていないので、本当はそこを知りたいところなんですが・・・・
鯖の旬は秋から冬にかけてです。8月の終わりから冬にかけて美味しくなり、早春には旬を終えます。今の時期の鯖はとても美味しいです。美味しいのですが、獲れた海、大きさでどう料理したら美味しいか変わってきます。私の好みですが刺身にするには大きな鯖より小ぶりな方が、脂がきつくなくて美味しいとおもいます。大きな鯖は塩焼きや煮物がお勧め。
上の写真の鯖は長崎産、小ぶりなサイズです。刺身用に首を折ってあります。魚屋さんで買い、氷で冷やしながら持ち帰りました。持ち帰ったらすぐに捌いて内蔵を取り出すか、氷づめのまま冷蔵庫に入れておきます。刺し身で食べられるのは買ってきたその日だけです。さばく直前まで氷詰めにしておきます。
最初に腹を開いて内臓とエラを取ります。そして腹腔内を流水で綺麗に洗い流します。アニサキスは内臓の表面にくっついていますが、腹腔内に残っていることがあるからです。それを三枚におろし、皮をむく、腹骨を切り取る、血合いの小骨を抜き取る。その後に刺身に切ります。腹骨を切り取った後、腹の身をよく観察し、アニサキスが潜り込んでないか確認します。(アニサキスが潜り込んでるのを、私は見たことがありません)
こんな感じで鯖の刺身を作ります。ごまサバのレシピはこちらです。
ごまサバ
材料2人分
刺身用の鯖 200g
大根けん、大葉、味付き海苔、わさび
A:ごまタレ材料
刺身しょう油 大さじ2
みりん 大さじ2
すりゴマ 大さじ2
作り方
1)ごまタレを作ります。
みりんを耐熱ボウルに入れ、電子レンジにかけて沸騰させます。アルコールが飛んだら刺身醤油とすりゴマを混ぜて冷ましましょう。
2)鯖の刺身は一口大の角切りにします。切ったら1)のごまタレと和え、冷蔵庫で15分から2時間位、お好みで馴染ませます。
3)皿に大根けんと大葉を敷きます。漬けにした鯖の刺身を盛り付け、上に味付き乗りを刻んでのせます。わさびを添えてできあがり。
下の動画を参考にご覧ください。
こんな感じでごまサバの完成です。旨味の塊のような鯖の刺身を、ごまタレの風味で実に美味しく食べられます。酒がいくらでも飲めるような美味しさです。鯖の刺身は先程書いたように食べられる地域が限られますが、実に美味しいものです。機会があればお試しください。ご飯もいけます。
こちら九州は台風が通過中です。私が住んでいる佐賀はそれ程、強くは吹いていませんが、これからが強くなりそう。今晩には本州に行くと思われますので、進路にお住まいの方はご注意下さい。