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お悩み解決!井上かなえ(かな姐)のオンライン料理教室
井上かなえ(かな姐)
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ここがポイント!絹ごし豆腐でも崩さずきれいに作る麻婆豆腐のコツ5か条

せっかく麻婆豆腐を手作りしたのに、豆腐がぐちゃぐちゃに…。お店で出てくるようなきれいな仕上がりにするにはどうすればいいの?と思ったことはありませんか。料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、豆腐が崩れやすいタイミングと、崩さずにきれいに作るためのポイントを詳しく解説していただきます。
2022/08/16
2024/10/24
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こんにちは!井上かなえです。

みなさん、お料理を楽しんでいますか?義務になっていませんか?

忙しいけど食べなきゃいけないし、家族のためにやらなきゃいけないものだから仕方なくやってるって方も、時間に少し余裕のある日はお料理すること自体を楽しめるといいですよね。

オンライン料理教室、第5回目の今回のお悩みはこちらです。

麻婆豆腐を作るとき、最後のとろみ付けで豆腐が崩れてしまいます。CMのようにきれいに仕上げたいのですが、なかなかうまくいきません。絹ごし豆腐で作りたいので、うまくいく方法が知りたいです。

なるほどなるほど!

絹ごし豆腐を使って、豆腐を崩すことなく麻婆豆腐を作りたい!ということですね。

たしかに絹ごし豆腐が崩れずにそのままの形で仕上がっていると、ひき肉の辛味の中に豆腐のマイルドな甘みが引き立つし、崩れていない豆腐が初めて口の中で崩れる、という食感も良いし、なにより崩れていないていねいな仕上がりにテンションも上がりそう!

というわけで今回は、麻婆豆腐の豆腐を崩さずに作るポイントを考えていきます。

一般的に言われている、豆腐を崩さずに仕上げる方法は

  • 豆腐を塩水に漬けてから使う
  • ひし形にカットする
  • 湯通しする
  • 先に片栗粉でまとめてから、最後に豆腐を入れる

など、いろいろあるようです。

でも質問者さんも仰っているように、一番豆腐が崩れるタイミングは最後にとろみを付けるときなんですよね。

しかし今回は、せっかくなので麻婆豆腐を作るときにどの段階が崩れやすいかを、今一度確認しながら作っていくことにしますね。

麻婆豆腐作りで豆腐が崩れるタイミングは?段階ごとに徹底検証!

豆腐を切るとき

まず、豆腐を切る段階ではどうでしょうか。

豆腐といえば手のひらの上でそっと切るイメージがあるかもしれませんが、絹ごし豆腐の場合、意外と難しくないですか?手より豆腐の方が大きいし。

木綿豆腐ならば大丈夫なのですが、絹ごし豆腐だと手のひらの上で切っている途中であまりにもやわらかくて手の端の方にある豆腐が崩れて落下したり、切ったことにより全体の重さのバランスが崩れ、ヤバイ!と焦って切って結果豆腐が崩れたり。

なので、絹ごし豆腐を崩さずに作るには、まな板の上で切るほうがよさそうです。

絹ごし豆腐

まな板の上ですら、端っこが崩れかけてしまう絹ごし豆腐!

このやわらかさと儚さをぜひ仕上がりまで維持したい!

フライパンに豆腐を入れるとき

次に、豆腐をフライパンに入れるタイミングを検証していきます。

先にしっかりとひき肉とスープの部分に味付けをしておき(つまり塩味をつけておく)、ここに豆腐を静かに入れて煮ていきます。

豆腐を鍋に入れる

調味料の塩味のおかげで、豆腐が締まって崩れにくくなります。

豆腐の中までしっかりと火を通して味をしみ込ませていきたいので、ここで蓋をします。

ふたを閉めて静かに煮る

豆腐を入れた後は触りすぎず、無理に混ぜようとせず、鍋の方を揺するようにしながら仕上げていきます。

火は強すぎず、弱すぎず。ふつふつとした状態が続くくらいで7分ほど煮込みました。

この時、豆腐から水分が出てきますので少し汁気も増えます。

とろみをつける

どうでしょうか?豆腐が崩れていないのがおわかりいただけますか?

でも最後まで気を抜かないでください!ここから最大の難関、とろみを付けていきます。

とろみを付けるとき

ここまでがんばったのに最後に崩れてしまう…質問者さんの悲しみがわかります。

まずはそーっと豆腐を奥へ追いやり、とろみを付けたい汁の部分を手前に出します。

水溶き片栗粉

ここをめがけて水溶き片栗粉を少しずつ入れていきます。

左手で水溶き片栗粉を入れ、右手の木べらでスープの部分のみをかき混ぜてとろみを付け、そしてそのとろみを全体に行き渡らせるときは、フライパン自体を大きく揺するようにします。

木べらでかき混ぜない!木べらでは豆腐を触りません!

とろみがついた状態

木べらはフライパンのへりから、ひき肉のあんの部分を寄せるだけのために使います。

香味野菜を入れる

最後に香味野菜を入れて、完成!

崩れずに仕上げることができました。

お皿に移すとき

なのですが、最後にもう一つ、最大の難関がやってきます。

そうです、お皿に移すとき。

ここが一番崩れやすいタイミングかもしれません。

シリコン製スプーン

これはもう10年くらい前に読者さんにいただいた調理道具なんですが、シリコン製のヘラ?スプーンのようなものです。

こういうのが1つあると、お豆腐を崩さずにお皿に移動させやすいと思います!これ、とっても便利!

お持ちでなければ、フライパンを傾けてお皿に直接注ぐように麻婆豆腐を移動させてみてください。かたいお玉ですくうよりは断然崩れにくいと思います。

または、土鍋のように調理器具ごとテーブルに持って行って食べる方法もありです!!

崩れやすいタイミングと崩れないようにする注意点さえ押さえておけばどんなレシピでもきれいに作れるのですが、一応わたしの麻婆豆腐の作り方も書いておきますね。

麻婆豆腐

「絹ごし豆腐で作る崩れない麻婆豆腐」レシピ

材料(3人分くらい)

・豚ひき肉…120g

・絹ごし豆腐…1丁(350g)

・にんにく、しょうが…1かけずつ(みじん切り)

・豆板醤…小さじ1~2

・ごま油…小さじ1

 

・A砂糖…小さじ1

・Aしょうゆ…大さじ1

・A紹興酒または酒…大さじ1

・Aテンメンジャンまたは赤味噌…大さじ1

・A塩…ひとつまみ

・A水…150ml

 

・水溶き片栗粉…適量

・玉ねぎまたは長ねぎ…1/4玉または15cm

・ラー油、花椒…適量

作り方

1. 玉ねぎ(または長ねぎ)はみじん切りにしてさっと水にさらして水気をしっかりと絞る。豆腐はまな板の上で2cm角くらいに切る。

2. フライパンにごま油を入れ、豚ひき肉を入れて中火で炒める。肉の色が変わってきたら豆板醤、にんにく、しょうがを入れてさらによく炒める。

3. 香りがたってきたらAを入れ、ひと煮立ちさせたところに1の豆腐をそっと入れる。蓋をして中火から弱火で7~8分煮る。

※ここでお味見して、物足りなければお塩を足します

4. 豆腐をフライパンの端に寄せ、スープの部分にめがけて水溶き片栗粉を入れてとろみをつける。フライパンを揺すりながら全体になじませ、とろみ加減を調整します。

5. 1の玉ねぎ(または長ねぎ)とラー油を加えて火を止める。豆腐を崩さないようにそっと盛り付ける。仕上げにお好みで花椒を振っても。

結論

というわけで結論!

絹ごし豆腐を崩さないための5か条!

1. 絹ごし豆腐は手のひらの上ではなくまな板の上で切り、まな板ごとフライパンの上に持っていって入れる
2. ひき肉のスープの部分に味を付けた状態で、豆腐を入れる
3. 水溶き片栗粉はスープの部分にのみ入れてとろみをつける
4. フライパンを揺すりながら全体を混ぜるイメージで。豆腐を入れたら、木べらでは絶対にかき混ぜない!
5. お皿に移動させるときまで気を抜かない

    ぜひ、ポイントに気を付けながら作ってみてくださいね!

    それではまた次回~。

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    井上かなえ(かな姐)

    料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

     

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