もやしの最適なゆで方は?シャキシャキに仕上げるにはゆでる?レンチン?それとも…?
こんにちは!
この4月から心機一転、こちらのフーディストノートで連載を始めさせていただくことになりました、井上かなえと申します。
毎日の晩ごはんの献立写真を載せたブログを2005年にスタートしまして、それをきっかけに徐々に料理のお仕事をさせていただくようになり、レシピ本を出版させていただいたりテレビや雑誌などでレシピを紹介させていただいたり、神戸や東京での料理教室、企業さんのレシピ開発、コラム執筆、そして去年はずっと子どものころから憧れていたNHKのきょうの料理にまで出させていただくという貴重な経験もさせていただきつつ、日々もっとおいしいものを食べたい!おいしいものを作りたい!という欲望と共に、西宮で静かに暮らしているアラフィフです。
さて、こちらの連載ではわたしのブログの読者さんからのお料理にまつわる疑問にお答えします!ということで、数か月前にみなさまにアンケートをお願いしましたところ、めちゃくちゃたくさんの方からのお声が寄せられました!
すべてに目を通しながら、その場で(ああああ!答えたい!いい答え知ってるよ!!)(そうか…それも悩みになるのか…わたしにはなかった視点だ)(そういえばそうだよね。なんとなくこうかな?ってやってるけど、正解ってあるんだろうか)などなど、全部に即答したくてうずうずしてしまいました。
みなさまからいただいた質問を時間をかけて分類し(同じようなものはまとめさせていただき)、記事になるかどうかみっちり話し合い、そして検討、きっとほかのみんなも知りたいであろう質問を選び、そこから12か月分に厳選させていただきました。選ばれなかった方、ごめんなさい!!!!!!!
というわけで。
これから12か月間にわたって、みなさまからの料理にまつわる素朴な疑問にお答えしていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
はい、それでは栄えある連載第1回目に取り上げさせていただいたご質問がこちらです。
初歩的な質問ですみません。もやしのゆで時間にいつも悩みます。
小さめの一袋を使っていますが、ゆで過ぎか生な感じになり、ちょうどいいタイミングがみつかりません。
もやしのゆで時間についてです!
実はわたし、最初にちょっと告白することがありまして…あの…わたし、あまりもやしが好きではなくて…。
いえ!食べられないこともないし、全然苦手とかではないんですが、何が嫌って加熱すると小さくなってしまって、時間が経つと水っぽくなってしまうからなんです。
年中お安いですし、家計の味方なんですが、なんせ存在感が薄い。日持ちもあんまりしない。すぐ水っぽくなって味が劣化しやすい。
しかし逆に言えば、その欠点をクリアにさえすれば、もっと我が家でももやしが登場するかもしれないな!!と思い、この質問にお答えすることにしました!
質問者さんはもやしをゆでて、きっとナムルや酢の物などにするんだろうなと想像しましたので、もやしの加熱はどの方法が一番水っぽくならず、しゃきしゃきするのか?を検証してみました。
使用したのは、1袋200gのもやしです。
A. 鍋に湯を沸かし、煮立ったところにもやしを入れて3分ゆで、ざるにあけて水気をきる(水にさらさずざるにひろげる)
B. フライパンにもやしと油小さじ1を入れてざっくり混ぜ、蓋をして中火で3分蒸し焼きにする(フライパンに入れっぱなしにせず、すぐに皿やボウルにとる)
C. 耐熱コンテナにもやしを入れ、蓋を斜めにおいて600Wの電子レンジで3分加熱する(すぐに冷ますため、コンテナの中のもやしをなるべく広げて冷ます)
検証方法はこの3つです。
まず、Aの方法は湯を沸かす必要があるので一番時間がかかりましたし、鍋とざるを使うので洗い物も少し余分に出ます。が、しっかりざるの上に広げて冷ましてお味見してみたところ、ジューシーでシャキッとした歯ごたえもあり、もやしのプリッとした水分を一番多く感じられました。
次、Bの方法です。わたしの予想としてはこれが一番水気も出ず、シャキッと仕上がるんじゃないかなと思っていたのですが、、、結果は、たしかにジューシーでシャキッとした歯ごたえもあり、油のおかげで香ばしさまであっておいしかったのですが、残念ながら冷ましている間に下に水分が溜まってきてしまっていました。
最後に、Cの方法です。少量調理したい場合や狭い台所で手早く作りたいとき、朝急いでいるときなどに大変便利なレンジ調理。ゆでないので栄養成分も流れ出ないし、洗い物も最小限で一番手軽です。しかし結果は…少し加熱しすぎてしまったのでしょうか、プリッと感やジューシーさも若干ほかの2つと比べると劣り、かさもだいぶ減ってしまいました。加熱直後は水分は出ていなかったのに、冷ましている間にどんどん水分も出てきました。
今回はこの3方法しか試していないのですが、どれが良いかは適材適所で使い分けていただければと思います。
そしてどう加熱しても時間が経つとやはり水が出てきてしまうのは否めないので、その水分を逆手に取ったレシピをご紹介します。
「水っぽくならないもやしのナムル」レシピ
材料
・もやし…2袋
・塩…小さじ1/2
・乾燥カットわかめ…5g
・乾燥桜えび…5g
・すりごま…大さじ2
・ごま油…大さじ1
作り方
1. もやしは上記方法のいずれかで加熱して冷ます。冷ましている間に出てきた水分は箸で容器の側面に押し付けるようにして絞り(手で触りません)、水気を取り除く。
2. ボウルに水気をきったもやしを入れ、塩、乾燥わかめ、乾燥桜えび、すりごま、ごま油を入れてよく混ぜる。
※時間が経つともやしから水分が出てきますが、水に戻さずに入れるわかめと桜えび、すりごまがもやしの水分をどんどん吸い取ってくれるので水っぽさが多少軽減されます
さらにそれらのうまみも加わるので、おいしさもアップ!
そしてこちらのもやしを添えて食べるのに最適な牛肉おかずがこちらです。ぜひ一緒にどうぞ。
「牛のやわらか味噌炒め」レシピ
材料(4人分)
・牛肩ロース薄切り肉…500g
・味噌…大さじ3
・豆板醤…大さじ1
・油…少々
作り方
1. 牛肉は食べやすく3cm長さくらいに切る。
2. フライパンに油をひき、牛肉を入れて味噌と豆板醤を入れ、へらでよくかき混ぜながら中火にかける。味噌を肉に絡めつつ、ゆっくり加熱していき、肉の色が変わってフライパンの温度が上がってきたら火を少し弱め、ゆーーーーーーーーーーっくり加熱する。肉の色が変わったらすぐに火を止める。
※しっかり味の牛肉と、あっさりしたもやしのナムルの組み合わせがとてもよく合います
結論!
もやしのゆで方は沸騰したお湯で3分、その後ざるに広げて冷ますのが正解だが、忙しいときにはレンジで加熱もあり、炒め物をそのあとする予定ならフライパンで蒸し焼きする方法もあり(そのあとフライパンを使えば洗い物が一つで済む!)。
冷めると水っぽくなるもやしは、その水分をどう合わせる食材で吸い取るかを考えれば水っぽさを感じにくくなる!
というわけで、第一回目のオンライン料理教室、楽しんでいただけましたでしょうか。
次回のお悩み解決もお楽しみに!!!!!!!