「テーブルに置いて、けずり立てを楽しんでます!」~おいしっぽさんのお気に入り
おいしっぽさんのお気に入り「かつお節けずり器」と「大矢製作所のおろし金」
手になじむ和の道具たち
週に一度は着物姿でキッチンに立つ、というおいしっぽさんのお気に入りは、和の職人さんが手がけた「けずり器」と「おろし金」。この趣き、「ツール」ではなく「道具」という表現がぴったりです。
まずは、今ではなかなかお目にかからなくなった「かつお節けずり器」。「去年、『ヤマキだし部』のイベントでけずった時に、香りが素晴らしいのに感動して!実家で使ってないものを持って来ちゃいました」。さっそくけずっていただくと、ガシュッ、ガシュッという懐かしい音と、おいしそうな香りがふわりと漂います。
かつお節は、青菜のおひたし、ごはん、スライストマトと、食材を問わずそのおいしさを引き立てる万能のトッピング。「パルメザンチーズをけずって料理にかけるように、テーブルにこのけずり器を置いてそれぞれけずり立てのかつお節を楽しんでいます」とおいしっぽさん。「本枯れ節のけずり立ては、香りもコクも素晴らしいんですよ!」
浅草の合羽橋道具街にある金物専門店で一目惚れした「大矢製作所の純銅おろし金」。歯の方向がランダムになっている優れもので、「この歯のおかげで、野菜を同じ方向に動かすだけでも本当によく擦れていくんです。この職人技がすごくて、擦っていて楽しくなるんですよ」
テレビで紹介されたこともあるので、ご存じの人も多いのでは。「大根おろしも、水っぽくならずふわっと仕上がります。うちの家族はみんな大根おろしが大好きなんですが、最初食べたときはそのふわっと感にびっくりしました。道具で味が変わるんですね!」
擦ったあとは、やはり合羽橋で手に入れた「かなや刷子の薬味刷毛」でお掃除。おろし金やすり鉢のための専用の刷毛で、「適度な弾力と隙間があり、おもしろいようにきれいに早く取れるんです。こちらもすぐれものです」
かつお節とおろしにんにくで、とっておきの自家製調味料
このお気に入りの道具たちを使っておいしっぽさんが常備しているのが「かつおにんにく塩麹」。「手作りの塩麹に、削ったかつお節と、すりおろしたにんにくやしょうがを漬け込んだ自家製の万能調味料です」
このフレーバー塩麹、「野菜のナムルや魚、鶏むね肉の味付け、ドレッシングといろいろ使っています。麹効果でやわらかくしっとりと仕上がり、自然の旨味とコクもたっぷりです」。冷蔵で寝かせれば寝かせる程味に深みが出て、1ヵ月くらいは平気で使えるとか。この日も、塩麹をまとった小松菜と鶏むね肉をおいしくいただきました。かむほどに味が広がるんです!
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「どちらも今となっては私の道具というより、食卓で家族みんなで使うもの。自宅で開催している料理教室でも、ワイワイと場が盛り上がるコミュニケーションのツールにもなってます」というおいしっぽさん。素敵な道具には、そうやってお料理をおいしくしてくれる力もあるんですね。