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井上かなえ(かな姐)
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料理に対するやる気がでない…「誰かのために」がなくなった日の向き合い方(50代の悩み)

料理に関するちょっとしたお悩みに対して解決方法を解説する人気料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、料理に対して以前にようにやる気が出ないというお悩みに対して、ご自身の実体験をもとにご回答いただきます。やる気が出ないときのお助けレシピもあわせてチェックしてくださいね。
2025/03/30
2025/03/30
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シンプルだからこそ極めたい!絶...
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こんにちは!かな姐です。

料理をすることは嫌いじゃないけど「ちょっと今日はやりたくないな〜」って日、ありますよね。

特に子どもたちが巣立って、4月からとうとう夫婦2人になるわが家でも、そんな日が今後増えてくるのかもしれません。

誰かのために作る料理は楽しくても、自分のためだけだとそこまでテンションも上がらず、そもそも何が食べたいのかも思い浮かばないときもある…。

さて、今回のお悩みは、そんなわたしたち世代ど真ん中の方からいただいた内容です。

疲れてたり、50代に入ってお年頃だったりで、料理に対して以前ほど意欲がもてません…。そんな時期、ありましたか? どんな風にやり過ごしましたか?ブログで素敵なごはんが並ぶお写真を拝見して愚問かも〜とも思いますが。コレも悩みに入るのでしょうか?

料理に対するやる気が出ないとき、どうする問題です。

これは、あくまでわたし自身の話ですが、

50代になってきて更年期症状のせいなのか、いつもはなんてことなくフットワーク軽くできていたことが疲れてできない日があったり、やろうと思えばできるのに、どうもやる気が起きなかったり、うじうじと考え込んでしまってわたしなんてどうせ、と自分が以前よりもちっぽけな存在のような気がしたり、周りの人はきらきらと輝いているように見えるのに、自分はそこから取り残されてしまったかのような、仲間外れにされてしまったかのような、そんな疎外感を感じることがあります。

子どもたちのために作る料理はあれほど楽しかったのに、夫と自分のためだけに作る料理のなんとつまらないことか…と、そう思ったことは何度もありますし、これからもあるでしょう。

料理に対する意欲を持てないときには、外食するのもいいだろうし、何かお店で買って来たものを家で食べたっていいって以前はわたしもそう思っていましたし、今もそう思います。

少し自分にお休みを出してゆっくりさせてあげる、という方法が有効な方もいらっしゃると思うから!

ずっと行ってみたかった憧れのお店に行くのもいいだろうし、ちょっと足を延ばしてどこかの素敵なホテルのレストランで豪華な食事をするのもいいだろうし、デパ地下でちょっと贅沢にお惣菜をいろいろ買って帰るのもいいかもしれません。

が!!!!!!そうじゃないんだよなーーーってわたしの中のわたしが言っています(笑)。わかる!そうじゃないねん。そういうことじゃないねん。

それが有効だったころもあったけど、それが今は全く有効には思えなくて。

先日もオットが気をきかせて外で食べよう!と誘ってくれて、お言葉に甘えて外食をして帰った日があったんですが、

食べながらつい、(これが○○円?家で作ったら○○円で作れそう、それももっとおいしく作れる自信があるわ、なんかお金がもったいなかったわー)とか思っちゃって、ほんと最低ですよねわたし。

なんだろう、卑屈になっているというか、本当にややこしいお年頃というか、我ながら呆れるというか、やさしいオットには感謝をしつつも、自分のこの気持ちをどう持っていったらよいのやら途方にくれました。

きっと相談者さんも、そんな気持ちになることがあるんじゃないかなーって想像します。

結局、わたしがそのやる気が出ない時間から抜け出せたきっかけというのが、「いつものルーティンをいつも通りこなすこと」でした。

朝はいつもの時間に起きること。いくら寝ていても怒られることはないし、やるべきこともないとしても、朝はいつもと同じ時間に起きる。

顔を洗ったり化粧をしたり、ごみ捨てに行ったり、お弁当を作ったり、洗濯したり掃除したり朝ごはんを食べたりしていつも通りに時間を過ごし、仕事をすること。

ちょっと心が疲れているからお休みしよ…と何もせずにいるより、わたしにはこの「いつも通り」の効果がありました。

何十年も続けてきたことをテキパキと無意識にやっているうちに、身体の方が勝手にやる気スイッチが入り、結果、料理もいつの間にかできてる!

わたしの場合なんですけど、子育てが終わった今、ぽっかりと時間が空いてしまったこともテンションが下がる理由になっていたみたいです。

やるべきことがない、ぽっかり空いた暇な時間があるから、要らんことをうだうだいろいろ考えてしまっていたっていう。

(そういう時間を利用して、読書をしたりすればいいんですが、なんせ今度は老眼のせいで文字が読みづらいっていう)

「スケジュール帳を活用し、やることリストを作成する」

これもわたしには有効でした。なんせ自分に暇を与えないこと(笑)。

スパルタ方式って思われるかもしれないんですが、ゆっくり過ごすのが有効な場合と、そうじゃない場合がある気がして。

わたしにはやるべきことがまだこんなにある!わたしは誰かの(夫や子ども、家族や周りの人たち)、世の中の役に立っているって思うことも大事なんじゃないかなぁ…自己肯定感が低くなるとテンションも下がる気がします。わたしの場合ですが。

 

いやいやそうではなくて、料理へのモチベーションだけが低いんだ!っていうときですが、わたしの場合は

・写真のきれいな料理の雑誌を眺める

・デパ地下のお総菜売り場を興味津々で覗き込みながら歩く

・カルディを覗いて新商品をチェックする

・普段行くスーパーではないスーパーに遠征する

・買ったことのない野菜を買ってみる

・試したことのない料理に挑戦してみる

・いつもは晩ごはんといえば和食!ご飯とみそ汁と主菜と副菜と!って決めてるけど、パスタにしてみる

・ご飯の代わりにパンを合わせることにして献立を考えてみる

・うどんと炊き込みご飯、みたいなうどん屋さんメニューにしてみる

・ホットプレートで何でも焼いて食べることにする

などなど。いかがでしょうか。

何かヒントになることが一つでもあるといいのですが!

最後に、やる気が出ないときのお助けレシピを1つ置いておきますね。

「新玉ねぎと新じゃがとウインナーで作るワンプレートごはん」レシピ

やる気が出ない時のごはん

分量

2人分

材料

  • 米…1合
  • ウインナー…6本
  • 新玉ねぎ…1個
  • 新じゃが(小)…2個
  • パクチーか青ねぎ…適量
  • トマトなど…あれば適量
  • 塩、黒こしょう、エキストラバージンオリーブオイル…適量

作り方

1. 米は研いで炊飯器の内釜に入れ、分量の水に浸して30分おく。

2. 新玉ねぎは半分に切る。じゃがいは半分に切って水にさらす。

3. 1の米に塩小さじ1/2を混ぜ、2の新玉ねぎとじゃがいもをのせ、ウインナーものせる。炊飯器にセットしてスイッチを押す。

炊飯前

4. 炊きあがったら、ご飯の上にのせていた具を全てバットに取り、軽く塩とオリーブオイルを振る。

炊飯後

一旦取り出して味付け

ご飯をほぐして混ぜ、お皿に盛る。具材もお皿に盛り、パクチーや青ねぎをのせ、ブラックペパーを振る。あればトマトを添える。

※わたしはエキストラバージンオリーブオイルと塩で仕上げましたが、代わりにバターをからめて仕上げにしょうゆをかけて食べてもおいしいです。冷蔵庫にあるステーキソースや○○のたれ、ポン酢、マヨネーズなどなど味付けはお好みで!

※ポイントは、炊飯器で一緒に炊いたものだけをお皿に盛るのではなく、生のお野菜を組み合わせること。いろんな調理法、食感の組み合わせにすることで、脳が満足します

 

米を研いで、あとは具材を切って味付けせずにのせて一緒に炊くだけ。

味付けは加熱後に行うので、食材から水分も出過ぎませんし、米に混ぜ込まないのでベチャつくこともなく、味付けはそのときの気分で変えることも可能です。

炊飯器でじっくり加熱したじゃがいもはほっくほく、玉ねぎはあま~く、ウインナーは間違いなくご飯に合う!笑

なーんにも料理をしたくないけど、買い物にも行きたくないし、外食にも行きたくないっていうときに、思い出して使っていただけるとうれしいです。

50代は身体的にも精神的にもホルモン的にも大変なお年頃ですから、上手にだましだまし少しずつ、一緒に乗り越えていきましょうね。大丈夫!みんないつかは通る道!みんな一緒です!(ってわたしも読者のみなさんに励まされてここまでやってこられました!いつもありがとうございます!)

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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