野菜のプロ直伝!「にんじん」の基本・保存方法・豆知識
こんにちは。
スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。
今回は「にんじん」についてご紹介していきます。
にんじんは年中お店に並んでいるのでいつが旬かわからない方も多いかなと思いますが、寒くなってくるこれからの季節が旬なんです。
それでは、まずは鮮度がよくおいしいにんじんの選び方からご紹介していきます。
おいしいにんじんの選び方
鮮度のよいにんじんの見分け方は以下のポイントをチェックしてくださいね。
・皮に黒ずみがない
・ずっしりと重く表面がなめらか
それぞれ詳しくご紹介していきます。
皮に黒ずみがない
にんじんの鮮度を見分ける時は、最初に皮の色に注目しましょう。
皮に黒ずみができているにんじんは、収穫してから時間が経っている証拠。にんじんは傷や乾燥などが原因で皮が黒く変色していきます。
ただし、黒ずみの原因はポリフェノールなので、変色していても普通に食べることができます。
なのできれいなにんじんと比べると鮮度は落ちているといえますが、見切り品などで安く販売されているのであれば狙い目といえます。
ずっしりと重く表面がなめらか
次に、にんじんの重さと皮の状態をチェックしましょう。
にんじんは8割以上が水分で構成されている野菜なので、鮮度が落ちてくると水分が抜けてきます。
水分が抜けたにんじんは皮にシワができたり軽くなったりするので、皮の状態や重さをチェックすることでより鮮度のよいにんじんを選ぶことができるというわけです。
表面がヌメヌメしていたり、異臭がしたり、カビが生えていたりするものは論外なので、絶対に選ばないでくださいね。
また、にんじんのオレンジ色はβカロテンによるもので、色が濃いほど含有量が多いです。そのため、栄養価の高いにんじんを選びたいときは、濃いオレンジ色のものを選ぶのがおすすめです。
にんじんの保存方法
ここからはにんじんの保存方法についてご紹介していきます。
冷蔵保存の場合
1. にんじんをペーパーで包む。
2. 保存袋に入れる。
3. 冷蔵室で立てて保存する。
にんじんは湿度に弱く、濡れた状態で保存すると濡れている部分から腐ってしまいます。そのため、必ず乾いたペーパーで包んで保存しましょう。
また、にんじんは可能であれば冷蔵室で保存しましょう。にんじんの最適保存温度は0~5℃。野菜室だとにんじんにとって暑すぎるので傷みが早くなります。冷蔵室のスペースに余裕があれば冷蔵室で保存してくださいね。
冷蔵保存したにんじんの保存期間はおよそ2週間です。ただし、保存期間はあくまで目安です。野菜は収穫後も生きているので傷む速度は全て同じというわけではありません。早めに食べきれるとよいでしょう。
冷凍保存の場合
にんじんは冷凍保存も可能です。以下の方法で保存しましょう。
1. にんじんをよく洗う。
2. 使いやすいサイズにカットする(なるべく小さく)。
3. 冷凍用の保存袋に入れる。
4. 冷凍庫に入れる。
冷凍したにんじんの保存期間はおよそ1か月です。
冷凍したにんじんを料理に使う場合は必ず凍ったまま加熱調理してください。自然解凍してしまうと、食感が大きく変わってしまい食味が悪くなります。凍ったまま炒めたりお鍋に入れたりするとおいしくいただけますよ。
にんじんの豆知識
にんじんの豆知識をご紹介します。
にんじんのβカロテンは食べ方によって吸収率が変わってきます。
吸収率は、
・生で食べる場合:8%
・煮て食べる場合:30%
・油と一緒に食べる場合:70%
と言われているので食べ方も考えましょう。
油で炒めると吸収率が高まる理由は、にんじんに含まれるβカロテンが脂溶性だからです。
できるならより効率よく栄養を摂取したいところですよね。
しっかりβカロテンを摂取したい方は、油で炒めたり、油分のあるドレッシングと一緒に食べたりしてくださいね。
最近の野菜トピック
早いことにもう12月ですね。
この時期の果物といえば、りんごや柿、柑橘類などですが、今年はどの果物も数が少なくお高くなりそうです。
というのも、11月の中頃まで気温が高かったことにより、果物が腐ってしまうなどして例年よりも収穫量が少なくなってしまっているようなんです。
また、今年は果物だけではなくキャベツも高いですね。
キャベツ農家さんに状況を聞いたところ、キャベツも異常気象や温暖化が原因で虫食いや病気でとろけてしまい、例年よりも収穫できていないとのことでした。
野菜や果物が高くなってしまっていますが、食べないというわけにもいかないと思います。
こんな時こそ、正しい選び方と保存方法を知って、貴重なお野菜や果物を捨てないように工夫をしていきたいですね。
今年も一年、ありがとうございました。また来年の連載で!よいお年をお迎えください。