ロースやもも肉…どれを買えば良い?牛肉の部位ごとの特徴とおすすめ料理をご紹介!
牛肉の部位とその使い方
牛肉は部位ごとの特徴が比較的はっきりとしているため、作りたい料理に合った部位を選ぶことが大切です。
よく筋肉を動かす(運動する)部分は肉質がかたいですが、じっくり煮込むほどやわらかくなります。コクのあるだしが出るので、シチューやカレーなどの煮込み料理に向いています。一方、あまり筋肉が動かない部分はきめが細かくやわらかいです。肉と脂の旨味が溶けださないように、加熱しすぎないことがポイント。しゃぶしゃぶや焼肉、ステーキなどがおすすめです。
牛肉には画像のようにたくさんの部位が存在しますが、ここからは部位別の特徴と、適した料理についてご紹介していきます。
肩(ウデ)
肩甲骨あたりの部位で、「ウデ」と呼ばれることもあります。脂肪分が少ない赤身肉のためややかためですが、コラーゲンや旨味成分が豊富で濃厚な味を楽しむことができます。じっくり火を入れるとやわらかくなるため、カレー、シチューなどの煮込み料理に向いています。
ミスジ
「肩」の下の部分にある部位で、あまり動かさない肩甲骨の裏にあるためやわらかく、霜降りと赤身肉両方のおいしさを味わえます。三本の筋があるため「ミスジ」と呼ばれていますが、かたそうなこの筋も、焼くとやわらかくなり食べやすくなるのが特徴です。一頭から少量しかとれない希少部位でもあり、焼肉やステーキとして食べられています。
肩ロース
首に近い背肉で、比較的大きな部位になります。きめが細かくほど良い食感があり、コクのある赤身と、適度についた脂肪を味わえます。薄切りですき焼きやしゃぶしゃぶなどに使われることが多いですが、かたまり肉はローストビーフにもおすすめです。
リブロース
「肩ロース」と「サーロイン」の間にあたる部位です。やわらかい肉質で霜降りのものが多く、牛肉らしい赤身と脂身を同時に楽しむことができます。脂肪が多いものは薄切りにしてもよく、すき焼きによく合いますよ。ローストビーフやステーキにして食べるのもおすすめです。
サーロイン
牛の背中の中央あたりにある運動量の少ない部位のため、きめが細かくやわらかいことが特徴。脂の旨味を感じる牛肉の最高部位の一つです。「サーロインステーキ」といわれるだけあり、1cm以上の厚切りにして肉汁を味わうステーキにするのがぴったり。どんな焼き加減でもおいしく食べることができる部位です。
ヒレ
サーロインの近くにあり、もっともやわらかくきめが細かい部位。脂肪分が少なく上品な味わいで、カツ、ステーキにして食べられます。また、「ヒレ」の太い部分は「シャトーブリアン」と呼ばれ、一頭からとれる量が少ないため、高級食材としてお店で提供されています。
ランプ
牛のももにあたる部位ですが、腰やお尻に近いためもも肉の中では一番やわらかく、適度な歯ごたえがあり「肉を食べた!」という満足感を得られる部位です。赤身の旨味と適度な脂肪のコクが味わえるため味のバランスがよく、ステーキやローストビーフ、焼肉、たたきなど、幅広い料理に使うことができます。
もも
運動量の多い場所のため、きめはやや粗めですが脂肪分が牛肉の中ではもっとも少なく、味わいもさっぱりとしています。脂が苦手な方や、ダイエット中にもぴったりの部位ともいえます。肉質の均一なかたまりがとれるため、大きな切り身で使う料理に向いています。煮込みやローストビーフにするのもおすすめです。
牛バラ
牛のお腹周りに広がる部位で、肩バラ・中バラ・外バラに分かれています。あばら骨の周辺にあり、比較的よく動く部位のため、筋切りなどが必要な場合もあります。しっかりとした赤身と脂肪が層になっており、濃厚でジューシーな旨味を感じることができます。焼肉店などで「カルビ」として食べられるほか、牛丼用に使われるお肉としてもおなじみです。
調理の幅が広がる!その他の牛の部位
赤身肉以外は、お買物に行ってもあまり目がいかない……という方も多いかもしれませんが、実は栄養価が高い上にお値打ちな部位も多く、料理のレパートリーを増やすにはぴったり。それぞれの特徴を把握して、ぜひ利用してみてくださいね。
タン
その名の通り、牛の舌の部分。鉄分やビタミンが多く含まれており、舌先はやや筋がありますが、つけ根は脂肪が多くやわらかいです。薄切りは焼肉やしゃぶしゃぶに、かたまりはじっくり火を通しやわらかくしたタンシチューが定番です。
レバー
牛の肝臓部分で、やわらかく濃厚な深みのある味わい。ビタミンAやビタミンEなどが多く高栄養素で低カロリーです。少しクセがあるので、血抜きをするなど下処理を丁寧にすることがポイント。香味野菜ともよく合います。レバニラ炒めが定番ですが、から揚げなどの揚げ物もおすすめです。
ハラミ
赤身に近い見た目と風味ですが、牛の横隔膜のため内臓に分類されます。旨味のある赤身とほど良い脂肪が味わえる人気の部位。火を入れてもかたくなりにくく、焼肉やシチューなどの煮込み料理にも幅広く使えます。
腸
牛の小腸はヒモ、シロ、マルチョウ、コプチャン、コテッチャンなどいろいろな名前で呼ばれています。脂がたっぷりついていますが、肉の脂肪よりもさっぱりとしており、やわらかく食べやすいのが特徴。大腸はシマチョウと呼ばれ、小腸より厚みがあり、コリコリとした歯応えが楽しめます。外食でも人気のホルモン焼き、もつ煮、もつ鍋などがおなじみです。
牛すじ
アキレス腱やスネなど、かたく筋がある部位のことをまとめて「牛すじ」と呼びます。かたくて扱いづらい印象がありますが、しっかり煮込むと、やわらかくホロホロになり、コクと旨味が強い上に、コラーゲンもたっぷり。圧力鍋を使うと調理時間を短縮することができますよ。牛すじ煮込みのほか、カレーやおでんに入れてもおいしいです。
番外編:牛脂
部位の話からはちょっとそれますが、牛脂についてもご紹介します。
スーパーなどで無料で置いてあることも多い牛脂ですが、よく目にするけど実は使ったことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。牛脂は、ヘットという牛の脂肪を精製して固めた食用脂や、牛の腎臓周りの脂を小さくカットしたケンネ脂が使われています。ステーキを焼くときにはもちろん、煮込み料理の具材を炒めるときに使ったり、ハンバーグなどのひき肉料理の際に細かく刻んで入れたりすると、ぐっとコクがでるのでおすすめですよ。
気軽に作れる!牛肉のおすすめ料理
おいしく簡単に作れる、フーディストさんの牛肉レシピをご紹介します。
フライパンでローストビーフ
牛肉と玉ねぎのスタミナ炒め
野菜たっぷりビビン丼
もつ鍋
牛肉は、味わいや食感が部位ごとに違っており、バラエティ豊かなメニューを作ることができる食材です。それぞれの特徴を知ることで、より楽しく調理することができそうですね。定番料理からごちそうまで、食卓がぱっと華やぐ牛肉をぜひ活用してください!