包丁不要で簡単♪おかわり必至の「大豆もやしと牛肉の韓国風炊き込みご飯」
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。新米のおいしい季節が到来しましたね!
今日は「韓国のごはん文化」についてお話します!
韓国の「ごはん」文化
挨拶は「ごはん食べた?」
みなさまご存じだと思いますが、韓国語での挨拶は「アンニョンハセヨ」です。一日を通して使える便利な言葉ですが、このアンニョンハセヨと共に良く使う挨拶があります。
それは「パン モゴッソ?」です。日本語に訳すと「ごはん(この場合は食事を意味します)食べた?」です。待ち合わせをして会った友だちへの第一声として日常的に言うんですよ。
この言葉が定着した経緯として、戦争などの動乱が絶えず、食料不足で思うようにお腹を満たせなかった時代の韓国の食事情が背景にあります。食事を取らなければ何をするにも力が出ませんよね。そんなわけで会ったときに言う言葉がそのまま「ごはん食べた?」という挨拶になったのでした。
実際、友だちと会ったときに相手が食事を済ませていなかったら飲食店に直行することが多いです。
ご飯はスプーンで
次は食事マナーについてです。
韓国では洋食のときを除くと、箸とスプーンがセットで出てきます。和食の場合、箸とスプーンを一緒にセッティングすることは、あまりないですよね?
韓国料理は箸でおかずを、スプーンでスープとご飯を食べるのが基本です。これには理由があります。
韓国では器を持たずにテーブルの上に置いたまま食事をするのがマナーなので、スプーンでご飯とスープを口に運ぶ方が食べやすいのです。また、スープにご飯を入れて「クッパ」にすることも多いので、その場合もやはりスプーンが便利ですね!
高級店になるとお料理のお皿が小さくなるのにあわせて、小さなスプーンも一緒に用意されることがあります。
白いご飯がメインの「白飯定食」
ここからは韓国の米料理の豆知識です。
ソウルから車で一時間ほどの郊外に利川(イチョン)という、米の産地として有名な町があります。
利川では大型の定食屋が軒を連ねていて、お客さんで賑わっています。定食屋のメニューは「白飯定食」一択!日本のように好きな料理を選べるようにはなっていません。
韓国の「白飯定食」はその名のとおりメイン料理が白飯で、その他に白飯に合うおかずが20種類ほど出るのです。ナムルやキムチといった野菜料理から、魚料理や肉料理、スープとバラエティに富んでいて、見ているだけでも圧巻です。
お店によっては、大きな木の板に料理を並べて運んできて、板ごとテーブルにセッティングするので、その一連の流れがエンターテインメントのようで楽しいですよ。
おこげにお湯やお茶を注いで食べるのが韓国流
白飯定食の白飯は、一人用の土鍋やお釜で提供されます。茶碗にご飯をよそうと鍋の底におこげができているので、そこへお湯やお茶を注いで蒸らしておきます。
そして、食事が一通り終わった頃に完成する「おこげ茶(ヌルンジ、またはスンニュン)」をいただくのが韓国流です。このおこげ茶は消化を助けると言われています。
また、食欲が落ちているときに、おこげをお粥にして食べることもあります。韓国ではスーパーでおこげが単品で市販されており、とても身近な食材です。
体に良いものを炊き込む「栄養ご飯」
白飯の話の後は、韓国の炊き込みご飯も気になりますね!
韓国では銀杏、なつめ、高麗人参、雑穀など体に良い材料を入れた炊き込みご飯のことを「栄養ご飯(ヨンヤンパッ)」と呼びます。具材には、たけのこ、かぼちゃ、松茸や牡蠣など、その季節ごとに旬のものも加えます。
また精進料理では、蓮の葉で包んで蒸した「蓮の葉ご飯」が代表的です。
蓮の葉を開くとき、プレゼントを開けるようなワクワク感があるんですよ。蓮の香りがふわっと鼻をくすぐり、食欲がかきたてられます。
韓国の炊き込みご飯にはたれをかける
炊き込みご飯といえば、日本でもよく作られる料理の一つですが、日本と韓国ではテイストが少し異なります。
日本では炊き込みご飯自体にしっかりと味をつけて炊くと思いますが、韓国ではごく薄味で炊いて、食べるときにたれをかける炊き込みご飯のバリエーションがたくさんあります。食べる直前にたれをかけると、味がしまって食がぐんとすすみますよ。
そこで今回は、韓国式の炊き込みご飯のレシピをひとつご紹介します。
ひと手間減らすために日本のめんつゆを利用しますが、にんにくとごま油のおかげでしっかり韓国テイストになっています。
包丁不要!めんつゆで簡単!「大豆もやしと牛肉の炊き込みご飯 」
調理時間
60分(炊飯時間を含む)
分量
3~4人分
材料
・米…2合
・水…380ml
・牛こま切れ肉…100g
・大豆もやし…200g
・小ねぎ(小口切り)…適量
[A]
・めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ1
・ごま油…小さじ1
・おろしにんにく…小さじ1/2
・塩…小さじ1/2
[たれ]
・めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ2
・ごま油 …小さじ1/2
・白ごま…小さじ1
・粉唐辛子(または、一味唐辛子)…適宜
作り方
1. 米を洗ってザルに上げる。
2. 牛こま切れ肉は、大きいものがあれば食べやすい大きさに手でちぎり、[A]で下味をつける。
3. 炊飯器に洗った米、牛肉、大豆もやしを順にのせ、水を注いでスイッチを入れる。
4. 炊飯中にたれを作る。
5. ご飯が炊き上がったら切るように混ぜて茶碗によそい、小ねぎをのせる。食べるときに好みの量のたれをかける。
大豆もやしを使う場合は豆からうま味がでるので水で大丈夫ですが、緑豆もやしを使用する場合は、水の代わりに昆布出汁をおすすめします。
たれに使う唐辛子は、韓国産の場合は辛味が強くないので小さじ1/4~1/2くらいを目安に加えてください。一味唐辛子の場合は味のアクセントになる程度に少量を入れるのが良いと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!