韓国料理研究家・本田朋美の「おうちで簡単♪行ったつもりで韓国ごはん」
韓国料理研究家 本田朋美
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ぜんぶ食べた?新大久保やSNSで流行った韓国料理10年分!次は「水カルビ鍋」に注目!

日本で韓流ブームを牽引する街といえば新大久保!ここからSNSで流行った韓国料理がたくさんありますね!今回は、日本の韓国料理事情にも詳しい韓国料理研究家の本田朋美さんが、この10年を振り返りつつ、次に注目している「水カルビ鍋」のアレンジ料理を紹介してくださいました!
2022/11/24
2022/11/29
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包丁不要で簡単♪おかわり必至の...
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こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。

東京の景色が秋色に変わり、少しずつ冬に近づいているのを感じます。

そんな東京で10代の女子に一番人気の街といえば以前は原宿だったのですが、この2年ほど様相が変わり、新大久保に人が流れているそうです。

そこで今日は、新大久保を中心にSNSを含めてここ10年間で流行した韓国料理を振り返ってみたいと思います!

K-POPや韓国ドラマがブームを牽引

ご飯やおかずを野菜で包む「サンパ」

K-POPブームに沸いた2010年~2011年の第2次韓流ブームの後、新大久保で「サンパ(韓国語的にはサムパプ)」の専門店が数店舗オープンしました。

サンパ(サムパプ)

サンパとは、ご飯を包むという意味。韓国では肉や魚、ご飯をサンチュやえごまの葉などの葉物野菜で包んで食べる方法が一般的で、この食べ方のお陰もあって、韓国人の野菜の摂取量は世界トップクラスなんですよ。

サンパは日本の女性の間で話題となり大いに支持されました。すでに浸透していたサムギョプサルも葉物野菜で包んで食べますよね。これをきっかけに、サンパは日本でも当たり前の韓国料理になったと思います。

ドラマが火付け役となった「韓国風フライドチキン」

また、2013年に韓国ドラマ『星から来たあなた』がヒットし、ドラマの中で主人公が食べていたフライドチキンが本国で大流行。

そこに目を付けた方が、2014年に日本でもフライドチキンの専門店をオープンさせた結果、食アンテナの高い人たちが日本とは異なる味に飛びつきました。いまや家庭でも作られるようになった「ヤンニョムチキン」は、この韓国のフライドチキンの流れから認知されるようになったんですよ。

また2014年には、韓国のカリスマ料理研究家であり実業家のペク・ジョンウォンさんが新大久保に「セマウル食堂」を開業。セマウル食堂は韓国で大人気のチェーン店です。本場と同じ練炭プルコギや、いま日本で大人気の「チュモッパ(チュモクパプ)」も既にメニューに登場していました。

ヤンニョムチキン

そして、2015年に入ると第3次韓流ブームの兆しが見え、新たな韓国料理の潮流が生まれました。

「SNS映え」がキーワードに

チーズが伸びる!「チーズタッカルビ」が大ブレイク

チーズタッカルビ

2016年に入ると、多くの方がご存じの「チーズタッカルビ」が大ブレイク!人気のポイントは伸びるチーズがSNS映えし、いかにもおいしそうなビジュアルだったからですね。

SNSで見た人たちが次々とチーズタッカルビに飛びつき、専門店の前は大行列。専門店以外の韓国料理店のメニューも、チーズタッカルビありきとなりました。またチーズタッカルビは目の前でお店の方が作ってくれるので、ちょっとしたパフォーマンスを楽しめるのも人気のエッセンスだったことでしょう。

元々韓国には「タッカルビ」という料理があります。

ソウルから電車で1時間ほどの所にある春川(チュンチョン)の郷土料理で、1960年代は鶏肉を炭火で網焼きしていましたが、1970年代に入ると現在のスタイルになり鉄板で炒めるようになったんです。

元々のタッカルビにチーズはのっていませんが、近年では韓国でもチーズのトッピングが可能になりました。

私も春川で食べたことがありますが、タッカルビの良いところは一通り食べた後、鉄板の上にご飯と韓国海苔などをのせて炒めるチャーハンも味わえること。タッカルビの旨味とたれが絶妙に合わさって、これが別腹のおいしさです!

話は戻りますが、チーズタッカルビが大当たりしたことよって「韓国料理+チーズ」というコンセプトが定着し、そこからまた新たな韓国料理が誕生しました。

屋台料理「チーズハッドグ」が10代女性の間で大人気

2017年もチーズタッカルビは相変わらずのブームで、この年のJC・JK流行語大賞(モノ部門)で選ばれるほどでした。

このチーズタッカルビはお店の中で味わう料理ですが、2017年新大久保のストリートで手軽に楽しむ屋台料理「チーズハッドグ」が誕生しています。

チーズドッグ(チーズハッドグ)

アメリカンドッグのような形で、中にチーズが入っているのが一番オーソドックスなチーズハッドグです。

生地は小麦粉ともち粉をブレンド。油で揚げることで外側はカリッと、中はもっちりとした食感になっています。

チーズハッドグは、小銭で買えてしまう手軽さと、食べたときにチーズの伸び具合がSNS映えすることで10代女性の人気に火が付き、お店の前に人だかりができて道行く人が歩けないほどでした。

いまでは家庭でも楽しめるようにと、冷凍のチーズハッドグが販売されています。

コロナ禍で大きく流れが変化

とうとう海鮮のブームが到来!

「チーズタッカルビ」と「チーズハッドグ」のブームが続いた後、2020年に誰もが想像しえなかったコロナ禍に突入。自宅で韓国ドラマを見る人が急増したことで、第4次韓流ブームも沸き立ちました。

そして、これまでとは異なる流行が訪れます。それまで韓国料理といえば肉料理が中心でしたが、主流が海鮮に流れていきます。

海老のしょうゆ漬け(カンジャンセウ)

代表的な料理はえびのしょうゆ漬け(カンジャンセウ)です。海鮮専門店ではメニューにありましたが、それまでカンジャンセウを売りにする店はあまりなかったことでしょう。

この料理も10代20代の女性の支持率が高いんですよね。この事実を知ったとき、韓国料理の裾野が広がったとしみじみ思いました。

釜山が元祖の「ナッコプセ」

ナッコプセ

2021年あたりには釜山がオリジナルと言われている「ナッコプセ」という鍋が広まりました。「ナッコプセ」とは素材名の頭文字から生まれた造語でナッ=ナクチ(テナガダコ)、コプ=コプチャン(牛の小腸)、セ=セウ(えび)が入ったピリ辛の鍋です。韓国では海鮮と肉を合わせた料理が多く、近年ではその代表格と言ってもいいでしょう。

寒い季節にナッコプセを食べると身体の芯から温まりますよ!

新大久保に溢れるイイダコ料理

そして、現在圧倒的に支持されているのはチュクミ(イイダコ)料理です。

韓国で展開しているチェーン店が日本で開業したのをきっかけに、他の飲食店も追随。かつてのチーズタッカルビを彷彿とさせるような勢いです。

いま流行のチュクミ料理は豚バラ肉、牛の小腸、えびをミックスした甘辛の炒め物。それぞれの持ち味が口の中でしっかりと贅沢に感じられます。

最後には、少し残った具材とご飯とプチプチ感がたまらないとびこを炒め合わせてチャーハン仕立てに。これが二度おいしいと評判が評判を呼び、行列覚悟で食べに行く方も多いです。

イイダコ(チュクミ)料理

今回は料理を中心に紹介しましたが、他にも韓国スイーツも流行しましたね。こちらもまたの機会にご紹介しますね♪

それでは最後に「牛肉と野菜たっぷりの水カルビ風鍋」のレシピをご紹介します。

いま私が注目している「山盛り水カルビ(サントミムルカルビ)」を自分流にアレンジしました。

具材を盛り付けてスープを注ぎ、牛肉と野菜の山を崩しながら煮れば完成です!寒い季節にピッタリの鍋料理。体の中から温まりますよ。ぜひお試しください!

キムチ鍋の素不要!「牛肉と野菜たっぷりの水カルビ風鍋」

調理時間

20分

分量

3~4人分

材料

・牛バラ肉(薄切り)…150g

・牛肉(しゃぶしゃぶ用)…200g

・白菜キムチ(カット済み)…150g

・春菊…1束(100g)

・大豆もやし…2袋(200g)

・長ねぎ…1/2本

・えのき…1袋(200g)

・しめじ…1袋(200g)

・緑豆春雨…20g

[スープ]

・水…800ml(4カップ)

・粉唐辛子(韓国産)…大さじ2

・コチュジャン…大さじ1と1/2

・しょうゆ…大さじ1

・おろしにんにく…大さじ1

・砂糖…小さじ1

・塩…適量

カルビ鍋:材料

カルビ鍋:材料

カルビ鍋:材料

カルビ鍋:材料

作り方

1. 長ねぎは長さ5cm、幅5mmの斜め切りにし、春菊は半分、または3等分に切る。えのきとしめじは石づきを切り落としてほぐす。

カルビ鍋:春菊

2. 緑豆春雨は熱湯(分量外)で戻してから、水で洗って水気を切る。

カルビ鍋:春雨

3. 鍋に水、粉唐辛子、コチュジャン、しょうゆ、おろしにんにく、砂糖を入れて強火にかけたら、塩で味を調えて火を止める。

カルビ鍋:スープ

4. 浅型の鍋の中心に牛カルビをおき、その上に緑豆春雨、白菜キムチ、大豆もやしをのせる。しゃぶしゃぶ用の肉を広げて大豆もやしの上に山の形になるようにのせる。肉のまわりに長ねぎ、春菊、えのき、しめじを置く。

カルビ鍋:工程

カルビ鍋:工程

5. 4の鍋に3のスープを注ぎ、強火にかける。沸騰したら中火に落とし、山を崩しながら火を通したら完成。

牛肉と野菜たっぷりのカルビ鍋

牛肉、大豆もやし、キムチから味が出るので、出汁は入れなくて大丈夫です。

春菊の代わりににら、せりなどの香味野菜もおすすめですよ。

それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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2009年より料理教室・講座をスタート。生徒数は1500人を超える。現在は慶尚北道聞慶市観光広報大使、韓国料理店のアドバイザー、企業へのレシピ提供・イベントの企画開催、ツアーの企画開催、執筆、メディアへの出演などを通じ、韓国料理の魅力を伝える活動を行っている。著書『あの名シーンを食べる!韓国ドラマ食堂 』(共著:八田 靖史、イラスト: 西村 オコ)も好評発売中。

 

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