簡単&リーズナブル♪10分で作れるやみつきおかず「ヤンニョム厚揚げ」
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
スーパーの売り場を回っていると、韓国食品がコロナ前に比べてぐっと増えたことを実感します。韓国ドラマやK-POP人気の恩恵を受けて、韓国食品への関心も広がったようですね!
中でも特に脚光を浴びているのは、ヤンニョムチキンのソースですね。いろいろなメーカーから発売されていますし、先日フーディストサービスが発表した「2022年上半期のトレンド料理ワード大賞」でも「ヤンニョム〇〇」が3位にランクインしていました。
さて、今回はその「ヤンニョム」についてお話しようと思います!
ヤンニョムは「薬になる合わせ調味料」
日本ではヤンニョムチキンが浸透しているので、ヤンニョムは甘辛だれという印象が強いと思いますが、実は少し違います。
ヤンニョムは漢字で「薬念」という文字が当てられ、韓国料理の概念にある薬食同源に基づいた合わせ調味料のことをいいます。韓国料理では「食べ物が薬」だと考えられているので、体に良い「薬」を、おいしくなるようにと「念」じながら入れるので「薬念」なのです。
ですので、キムチを漬けるときのたれもヤンニョムですし、チヂミのたれも、プルコギの味付けも全部ヤンニョムと呼びます。
ヤンニョムに使う代表的な調味料は?
ここで「ヤンニョム」に良く使う、代表的な調味料をご紹介します。
- 塩…韓国では天日塩といって、塩田で海水を1か月ほど陽に当てて塩の結晶を集めた後、倉庫で寝かせることでにがりを少なくしたものが主流です。粗塩は野菜の塩漬け用として、きめ細かい花塩は調味用になります。
- みそ・しょうゆ…日本と同じようにみそやしょうゆを味付けに良く使います。紀元前から存在した伝統的な調味料ですね。
- コチュジャン…コチュジャンはみそやしょうゆに比べて歴史が浅く、200年ほど前に登場しました。今では韓国の家庭に欠かせない調味料です。
- ねぎ・にんにく…ねぎとにんにくは香味野菜としての役割が大きく、細かくみじん切りにして(にんにくはつぶしたり、おろしたりもします)ヤンニョムに加えます。ねぎとにんにくは素材の臭みを消し、食材の良い部分を引き出してくれます。
- ごま油…合わせ調味料に一番よく使う油はごま油ですが、健康を意識してえごま油と使い分けることもあります。韓国の市場には、搾りたてのごま油を売っているお店が結構あります。搾りたてのごま油で作ったヤンニョムの味は絶品ですよ!ちなみに、サラダ油は炒め物や焼き物で使用することが多いです。
その他には、すりごま、砂糖、酢、粉唐辛子、こしょう、からしなどがあります。
韓国料理に「さしすせそ」はない?
和食と良く比較される韓国料理。和食には調味料を使う順番として「さしすせそ」がありますよね?
日本の煮物は先に砂糖やみりんを入れて、素材に甘味を少し含ませてからしょうゆを加えるのが一般的です。
一方の韓国では「ヤンニョム文化」なので、しょうゆ、砂糖、みじん切りねぎやにんにく、ごま油を全部混ぜたものを最初から入れ、コトコトと煮て味をまとめていきます。これが韓国スタイルなのです。
食べてみるとわかるのですが、日本と韓国では味の染み込み方が異なります。
韓国式の煮物については、いつか改めてレシピをご紹介できたらと思います。
最後に、今回ご紹介するレシピは「ヤンニョム厚揚げ」です。
本場の韓国には、「豆腐の甘辛揚げ(トゥブカンジョン)」という料理があり、水切りした豆腐を食べやすい大きさに切ってから粉をまぶして多めの油で揚げ焼きし、コチュジャンベースのヤンニョムに絡めます。
今回のレシピはもう少し簡単に作れるように厚揚げを使うことにしました。
忙しいときでも、ささっと10分程度で完成しますので、一度作ってみてください!
「ヤンニョム厚揚げ」レシピ(調理時間:10分)
材料(2~3人分)
・厚揚げ…300g
・小ねぎ(小口切り)…適宜
[ヤンニョム]
・コチュジャン…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1
・みりん…大さじ1
・ケチャップ…大さじ1
・はちみつ(または、水あめ)…大さじ1/2
・水…大さじ1
・おろしにんにく…小さじ1
・すりごま…小さじ1/2
・ごま油…大さじ1/2
※ヤンニョムの材料は混ぜておく
作り方
1. 厚揚げをザルに入れ、上から湯(分量外)をかけて油抜きしたら、キッチンペーパーで水気を取る。
2. 厚揚げを1枚につき4等分に切る。
3. フライパンに2の厚揚げを並べて中火にし、全体的に焼き色がつくように焼く。
4. 混ぜておいたヤンニョムを3のフライパンの中心に入れて、ヤンニョムがフツフツとしてきたら、厚揚げにからめる。器に盛りつけてお好みで小ねぎをのせる。
本場の「豆腐の甘辛揚げ」は水あめを入れて作りますが、今回ははちみつにしました。とはいえ、水あめがあったらぜひ使ってみてください。両方なければ、みりんの量を増やしてもいいですね。
ケチャップとコチュジャンの比率はお好みで変えてもいいと思います。
厚揚げはレシピよりも小さめに切っていただいてもいいですよ。
今回厚揚げを焼くときにサラダ油は使いませんでしたが、カリッとさせたい場合は、サラダ油を少し入れてください。
「2022年上半期のトレンド料理ワード大賞」の発表と合わせて、タイミング良くヤンニョムについてご紹介できて良かったです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!