お店みたいな焼き色がつく大切なフライパン~クック井上。さんのお気に入り
クック井上。さんのお気に入り「餃子専用フライパン」
1つで何役もこなしてくれる使える万能ツールは、収納スペースもとらないしやっぱり便利ですよね。だからこそ、「これは○○にしか使わない」なんて専用の器や包丁があると、ちょっと贅沢な気分になれるもの。お仕事柄、いくつものフライパンをお持ちのクック井上さん。は、大好きな餃子を焼く専用にしているフライパンがあるそうなんです!
2枚のフライパンを餃子専用にしているそうですね!それぞれお気に入りのポイントを教えてください
「右のグレーのフライパンは、グリーンパンのセラミック製です。薄く油をひいて、お湯を注いで蒸し焼きのようにするスタンダードな焼き餃子用にしています。焦げ付き防止のフライパンなのに、焼き目はきちんとつく、というのが気に入っています。持ち手がしっくりくるし、程よく重さがあるのも安定感があっていいんです」
「左は、油を多く入れて、揚げ焼きのようにする際に使う用。熱伝導がよく、カラッと揚げ焼きになります。表面がザラザラなので、餃子の底面との接地面が少なく、良い色の揚げ焼き目が付くのが気に入っています。鋳鉄なのに、特殊技術で錆びにくいってのも◎です」
餃子専用にしているのには、何か理由があるんですか?
「見た目が格好いいですよね、いかにも餃子のためのフライパンって感じで(笑)。それと、とくに鋳物のほうは熱伝導が良く、きれいに揚げ焼きできることもあって餃子専用にしています。それまでには餃子を焼くのに普通の安いフライパンを使っていたのですが、こだわるとやっぱり焼き上がりが違うなと思って…、あらためて調理道具って大事だなと感じています」
今日は、セラミックのフライパンを使って、「絶対に失敗しない焼き方」で餃子を焼いていただきました!焼き方のポイントをお願いします
「これは、ブログでも以前から『絶対に失敗しない餃子の焼き方』として紹介している方法です。まず、最初に焼き目をつけてしまう人が多いと思うのですが、基本的には焼き目は最後。餃子は火を点ける前にフライパンに並べておいて、コールドスタートでいきましょう。
それから、蒸し焼きのための水分は、水ではなく熱湯がベスト。お水だとフライパンの温度を下げてしまうのと、皮が水を吸ってしまい、ジュクジュクになってしまうんです」
餡の作り方にもこだわりがあるそうですね!
「市販の皮は、自家製に比べると伸縮性が少ないので、餡が水っぽいと包みにくいです。野菜をフードプロセッサーなどで細かく切るなら、少量の塩をして水気を絞る。絞りたくない場合は、手切りで、やや粗めに切ると包みやすいです。
味付けに関してですが、下味はお肉につけて、それを野菜と混ぜるとしっかり付きますよ。ぜひブログを見て試していただきたいです!」
そして、今日もお出しいただきましたが、餃子とぬか漬けの組み合わせが定番とか
「餃子を食べる際は、シンプルが一番。餃子に合わせるのは、大人はビール、子どもはご飯があれば十分だというのが、僕が小さい頃から慣れ親しんできて、今もそうしている井上家流の餃子の楽しみ方です。そこに、箸休めにお漬物があればなお良し、という感じでお漬物を添えるんです。歯ごたえがあって、ぬか漬けのようにやや酸味があるお漬物がよく合いますよ」
餃子は、井上さんにとって思い出の味、家族の味、なんですね
「僕が幼稚園生の頃、初めてお料理のお手伝いをさせてもらったのが餃子でした。今思えば、子どもがやれば皮は破るし、こぼすし、時間はかかるし、形は不格好だし…。多分、オカンからしたら面倒だったに違いありません。でもいつも『よくできたねー。これからは、男もお料理できなアカンでー』と、お料理をするきっかけをくれました。僕にとっては、褒めてもらえる時間、成功体験の時間でした。そこから、餃子を食べるのも作るのも大好きになりました。
思春期の頃なんかは、1人で50個ぐらい食べていたので、自分が食べる分は自分で包むのがルールでした。それを、自分が親になった今は我が子にも植え付けようと。うちの子どもたちはまだ小さくて上手には包めませんが、今のうちに『手伝わざる者食うべからず、包まざる者食うべからず』ということで、餃子の英才教育をしています(笑)」
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「今は50種類くらいはレシピがありますが、100種類くらいにして餃子のレシピ本を出したいです。あと、実は水餃子も大好きでよくやるんですが、いよいよ餃子専門店を出したくなっている自分がいます…(笑)」という井上さん。この日も、熱い“餃子愛”を語りつつ20個ほどの餃子をあっという間に包み、愛でるようにフライパンをのぞきながら焼いて…。そうして焼き上がった餃子の、外はカリッと、中はふんわりエアリーな食感に、取材チーム一同驚き!箸が止まらくなりましたよ。