“適度に見せる”で、キッチンのごちゃつきを解消!~大石亜子(あこ)さんの「世界一楽しいわたしの台所」
あこさんの「世界一楽しいわたしの台所」
キッチンのテーマ、こだわりやお気に入りのポイントを教えてください。
「“お気に入りがぎっしり詰まったちいさな厨房”がキッチンのテーマです。なかでも一番気に入っているのは、主人が手作りした3つのライトがアクセントになっているL字型のカウンターですね。お茶を飲んだり、ごはんを食べたり、ちょっと一杯飲みながらおつまみに手を伸ばしたり…。気軽に楽しめるスペースです」
そんなキッチンの収納や使い方のマイルールは?
「私が自宅で料理教室を開いていることもあって、どうしてもいろいろなものが増えていきます。とはいえ収納スペースに限りはあるので、ごちゃごちゃにならない程度に“適度に見せる”キッチン作りを心がけています。また、それらのものを落としたり、皿を割ったりを防いで動きやすくするため、動線を確保することも注意しています。
それと、見た目にごちゃっとした印象にならないよう、ツールなどは空間になじみのよい色づかいものを選ぶんでいます。キッチンペーパー、洗剤、ハンドソープ、スポンジなどは派手な色を避けたり、無漂白のもの、ベージュ、黒、茶が多いですね」
たしかに、色も形もシンプルなツールが多いですね!
「そうですね、調理器具はデザイン性よりも機能性重視で選んでいます。扱いやすかったり、手入れがラクだったりするものを使うことで時間が短縮でき、それが料理上手への近道かな、とも思っています!」
コンロまわりや調理スペースのマイルールも教えてください。
「菜箸や木べら、軽量スプーンやバターナイフなどのよく使うものは、それぞれグラスに入れてコンロのそばに置いています。また、調理台はいつも清潔に保ち、余計なものはしまうことで、調理がスムーズにでき、これでストレスもぐんと減ります」
コンロの横に吊るしてあるものは?
「調理中よく使うcuocaの軍手、キッチンばさみ、トング、おたま、目玉焼き用フライパン、カップ代わりに使う真鍮の小鍋を、北欧、暮らしの道具店で購入したマグネットフックで吊るしています。しっかりくっついて落ちませんし、使いたい時にすぐに手に取れます」
こちらで、とくにお気に入りのアイテムは?
「コンロの前にある、自分で塗って組み立てた木のスツールです。もう15年以上前に作ったものですが丈夫で、座ってできる作業をする時、高い所のものを取る時にも重宝しています」
こちらのキッチンカウンターには、どんなものを収納していますか?
「明るいブラウンのものは、食器棚として使っています。上段の扉がない棚には、ふだんよく使う食器(平皿・オーバル皿、ココットなどスタッキングできるものが多い)、スプーン、フォークが入っています。扉のある下段には、ガラス容器やグラス、和食器、木製の器や皿と分けて整理しています」
キッチンカウンターに収納しているもので、とくにお気に入りのものは?
「淡いブルーにゴールドのラインが入った機械は、『BRUNOアイスクリーム&かき氷メーカー』です。アイスクリームとかき氷が一台でできちゃう画期的なマシーンで、ほうじ茶や豆乳を使ったり、フルーツを加えるなどしてオリジナルスイーツを楽しんでいます。やっぱり、自分で作るおやつはヘルシーで安心です。
もう1つは、左下に写っているIKEAのキャビネット(自分でオイルを塗って組み立てました!)に入れて使っている、海外スーパーの紙袋で作った物入れもお気に入りです。キャビネのスペースにピッタリで、中にはコースターや、ペーパークロス、鍋敷きなどが入っています」
フライパンはシンク下の引き出し、ですね。収納のマイルールといえば?
「引き出しの左サイドには、いろいろなサイズのフライパンを収納ラックを使って立てて収納しています。右サイドは100円ショップで購入したラックを活用して、上段にはボウルやざるをのせて、下段にはフードプロセッサーやミキサーをしまっています」
フライパンの立ててあるラックが、ちょうどよい大きさでいいですね!!
「このラックはKEYUKAのものです。すっきり収まって、とっても便利ですよ。フライパンの大きさと数に合わせて、サイズ違いを複数組み合わせて使っています」
ダイニングスペースのイメージをひと言で言うと?
「木とグリーンのナチュラルな心地よさ、です。窓が多く、光がたくさん入る明るい空間に、木製のカウンターやテーブルを使ったり、庭で摘んだハーブを刺したり、ドライフラワーを飾ったりしています。私がフラワーアレンジメントの師範を持っているので、お花やグリーンに触れるのは大好きなんです」
ダイニングセットがお部屋の雰囲気とぴったりです。
「3年ほど前にこの家を新築した際に、よいものが見つかるまでとりあえず、と買ったものなんですが、自分たちで床に合わせて色を塗ったこともあって、すっかり愛着がわいてそのまま使っています」
この統一感、ご自身でDIYされたんですね!
「テーブル、カウンター、床にはすべて同じ『オスモカラー』という塗料を使って、主人と2人で塗りました。このオスモカラーは、植物油(ひまわり油、大豆油、あざみ油)と植物性ワックスからできた自然塗料で、“木の呼吸”を妨げないところや、万一、口にしても安心なところが気に入っています」
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「料理だけではなく、暮らしにかかわるてしごと(フラワーアレンジメント、DIY、ハンドクラフトなど)を通じた、“心地のよいおうちづくり”を発信していきたいと思っています」というあこさん。お気に入りが詰まったキッチンは、さながらあこさんの工房なんですね。まねしたくなるハンドクラフトは、Instagramにも時々登場していますよ。
調理師、料理家。料理教室「casa piccola」を主宰し、気軽に作れて、彩りや盛り付けも考慮した“目にもおいしいおうちごはん”が人気。『時短!簡単!さば缶をたべる。』(ダイアプレス)、『調理師あこの今日なにつくる?』(エンターブレイン)が発売中。
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「おうちで家庭科ラボラトリー ~料理と手しごと~」
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大石 亜子 (@chourishiako)