ふたりごはんは、Mr.Childrenが流れるキッチンで生まれます。~榎本美沙さんの「世界一楽しいわたしの台所」
榎本美沙さんの「世界一楽しいわたしの台所」
ふたりごはん、のためにあるような空間
ご夫婦で一緒につくる“ふたりごはん”を紹介されている榎本さん。「妻」「夫」と作業の分担も書かれているレシピは、榎本さんとご主人が仲良くキッチンに立っている様子が浮かんでくるようで、見ているだけでも素敵なんです。
それだけに、キッチンもすっきり広々。「2人一緒だと作業が同時進行することも多いので、キッチンはなるべく広く使えるよう、あまりものをおかず作業スペースを確保するようにしています」という榎本さん。ダイニングとの間にも間仕切りはなく、キッチンに立つ人とダイニングに居る人が、たっぷりコミュニケーションをとりながら過ごせます。「仕事でもプライベートでも、ダイニングにいる人と話をしながら料理をすることを大切にしています」という榎本さんの理想のキッチンです。
冷蔵庫には、料理家として独立するきっかけにもなったというMr.Childrenのポストカードがずらり(写真には写ってない側にも!)。「仕事上、この場所で悩むこともしょっちゅうなので(笑)、行き詰まった時にさりげなく見ながら、自分に喝を入れています」。取材中ももちろん、BGMはMr.Childrenでした。
しまえるものは、しまうようにしています
「どうしてもここで仕事をすることが多いので、しまえるものはしまうようにして、効率よく作業できるようにしています」と、シンク、コンロまわりも本当にすっきり。鍋、ボウルやバットなどの調理道具類、乾物や小麦粉などの粉物、スパイスのストックなどはそれぞれシンク、コンロ下の収納スペースへ。壁も天板も真っ白、清潔感いっぱいのキッチンです。
唯一、よく使うフライパンやフライ返しは、S字フックで吊るして取りやすくコンロ前に。引き出しや棚で意外にスペースをとるフライパンは、こうして見せる収納にするのもありですね。
ちなみに、榎本さん愛用のフライパンは、使いやすくて丈夫、とファンの多いマイヤーの「スターシェフ」(写真一番手前)。「適度な深さで焼き物にも煮物にも使えて重宝しています。少し重めなので安定感があり、コンロの中心からズレにくく調理しやすいのもうれしいです」
4段ラックで収納スペースを拡張
「夫婦2人で調理するのに、とにかく作業スペースを確保したかったので」と、コンロの背中側には4段のラックをセット。調理中に手を伸ばしやすいラックの上段には、塩こしょうやスパイス、オリーブオイルなどよく使う調味料類を、下段は仕込み中の自家製みそやしょうゆ、かごには玉ねぎなどの常温保存の野菜が入っています。ぎっしり並べずにこれだけゆとりがあれば見た目もよく、何かのときの「ちょっと置き場」も確保できますね。
和食のレシピが多いようですが、実はご夫婦そろってのカレー好き。榎本さんのホームページにも、「本格キーマカレー」や「筍のアチャール」など、スパイシーなレシピもしばしば登場します。お気に入りのスパイスは「マスコットフーズ」のもの。「ガラムマサラなど調合スパイスや、ピクルス用にブレンドされたピクリングスパイスなど、手軽に使える調味料が多いのがいいですね。舌にピリリとくる辛さがクセになる『黒こしょう薬味』もお気に入りです」。鳥が描かれたパッケージでかわいい、4種の完熟オリーブを使ったスペインの「メルラ エキストラバージン オリーブオイル」もおすすめとか。
かご大好き!かわいいかごをいつも探しているという榎本さん。「野菜ストックだけでなく、食器の整理やカトラリーやナプキン入れにも使っています。先日視察旅行に行ったスペインとフランスの国境、バスク地方でも、手作りのかごをたくさん買ってきました」
食器は、重ねすぎて忘れてしまうことがないように
食器は背の高い4段の食器棚に。「食器はどんどん増えるので(笑)、重ねすぎて忘れてしまうことがないよう、棚に小さなラックを入れて整理しています。収納しづらい豆皿も増えるので、かごに入れて出しやすくまとめています」。ここでも榎本さんの大好きなかごが活躍!
「選ぶのは和食器が多いのですが、シンプルで和食にかぎらず幅広い料理にも合わせられるものが好きです」という榎本さんは、毎年各地の陶器市や窯元巡りをするほど。「とくに信楽の文五郎窯さんにはお世話になっていて、窯元にもうかがいました。実際に作家さんとお話をしながら器を選ぶことで勉強になります!」
こちらの食器棚でのお気に入りは、一番下の段に入っている盆ざるとせいろ。「梅干しづくりに使う盆ざるは国産のもので、少し値が張りましたがその分しっかりと作られていて。せいろは、野菜とお肉や魚を一緒に蒸すだけで香りのよいごちそうが簡単にできるので助かっています」。ふたりごはんを支える和のアイテムたちです。
ベンチスタイルで、なるべく多くの方が座れるように
「日差しがうまく入るので、自然光で撮影もしやすく、ホームパーティーのときもよい雰囲気がつくれるのでありがたいです」というダイニング。テーブルは、これまでの取材で一番か二番目の広さではないでしょうか。「いずれ自宅で料理教室を開きたいと思っているので、広くて高さもあるテーブルを選びました。なるべく多くの方が座れるように、いすもベンチスタイルです」と、ぐるりと囲めば8人は座れそうです。
テーブルもベンチも、榎本さんのお好きなウォールナットのやさしい色合いで、床板や白い壁にもぴったり。北欧風の雰囲気もありますね。撮影時には作業スペースにもなるので、テーブルにはものをあまり置かないのが榎本さんのマイルールです。
「じつはこのテーブル、水気のあるものをおくとすぐ跡になりますし、お皿を引いただけで傷がつくという、ものすごくナイーブなものなのですが…。傷つけながらも(笑)、愛着をもって使っています」
一緒にキッチンにも立つご主人からリクエストの多いレシピは、唐揚げ。「私自身も好きなのでよく作るのですが、人気メニューなだけにいろいろなレシピがあるので、自分自身が本当においしいものを研究しました!(笑)」。その成果をまとめたレシピが、「究極の『普通の唐揚げ』」。「妻が鶏肉を切り、しょうが、にんにくのすりおろしは夫ががんばりましょう!」なんてメッセージを読むと、やっぱりほっこりさせられます。
「これからは、書籍の出版とテレビのお仕事にも挑戦してみたいと思っています!」という榎本さん。ご主人といろいろなお話をしながら生まれていくレシピだからこそ、ご夫婦に、そしてたくさんの人に、元気と笑顔という“最高のギフト”をくれるんですね。
あの人気料理家さんのプライベートキッチンも登場♪
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