春を満喫!「つるんと食感のすいとん」
こんにちは、国際薬膳師の麻木久仁子です。季節や体質、体調に合ったものを食べるという伝統的な東洋医学の考え方に基づいて、簡単で健康的なレシピをご紹介します。
待ちに待った春です。薬膳では「陰消陽長(いんしょうようちょう)」といって、冬の陰気がさり、大地にも人にも陽気が生まれるときとされています。
春になるとさまざまな恵みが芽吹きます。菜の花、たけのこ、ふきのとうなど、勢いよく芽を伸ばし成長する食材から力をもらいましょう。これらの食材には独特の苦味があり、発散力=デトックスの力があるとされています。また、あさりやわかめには「清熱利水化痰(せいねつりすいかたん)」といって体にこもる熱を冷ましてむくみを取り、水の流れを整えるといわれています。特にわかめはこの時期、朝採れの生のものがでまわります。茎までしゃきっとやわらかく食べられますので、ぜひ楽しんでください。
今回はこれらの旬の食材を使って、すいとんを作ります。すいとんは小麦粉と片栗粉を水で軽く練ったものを煮る、素朴な椀です。軽く練ってぽとんとだしに落として煮るだけですが、つるんとした食感がくせになりますよ。お昼ご飯や夜食、家飲みの締めにもおすすめです。
春を満喫!「つるんと食感のすいとん」レシピ
調理時間
15分
人数
2人分
材料
菜の花…2本
たけのこ…35g
わかめ…40g
鶏ささみ…1本
あさり(塩抜きしたもの)…6個
かつおだし…700ml
薄口しょうゆ…大さじ1
塩…小さじ2/3
柚子の皮(あれば)…少々
A 小麦粉…120g
A 片栗粉…30g
A 水…120ml
A 塩…ひとつまみ
作り方
1. 菜の花、たけのこ、わかめは食べやすい大きさに切る。
2. 鶏ささみは食べやすい大きさに切り、塩少々を振ったら片栗粉(分量外)をまぶす。
3. Aをボウルに入れ、なじむまで練る。
4. 鍋にかつおだし・薄口しょうゆ・塩を入れて、沸騰したら3をスプーンで救って落としていく。
5. 4に鶏ささみとたけのこを加え、すいとんが浮いてくるまで中火で煮る。
6. すいとんが浮いてきたらあさりを入れる。あさりの口が開いたらわかめと菜の花をいれ、ひと煮立ちさせる。
7. 器に盛り、お好みで柚子の皮をあしらう。
調理のポイント
すいとんは小麦粉:片栗粉は4:1、粉全量:水は5:4と、粉と水の割合を覚えれば人数に合わせて分量も簡単に調整できます。たねを落とすときは形にこだわらず、スプーンですくってぽとんと落とします。無骨な形の方が汁がからんでおいしいですよ。
菜の花やたけのこの他にも季節の野菜ならなんでもOKです。たらの芽、こごみ、うるい、ふきのとう、アスパラガスなど芽吹くものを使ってください。
さて、みなさまにお楽しみいただいた連載も今回が最終回となります。2年半近くに渡りご愛読いただきありがとうございました。今後も、薬膳の知識をいかしながら食や健康の大切さをお届けしていきたいと思いますので、SNSなどチェックいただけるとうれしいです。