「焼きすぎてかたくなる」を解消!鶏むね肉をしっとりやわらかく焼く方法
こんにちは!かな姐です。
年齢とともに食べ物の好みって変わってきますよね。
そういう話をすると、「歳を重ねると和食でしょ?」と単純に思われがちなんですが、ただあっさりしたものだけが食べたいんじゃなくって、そうじゃなくって!!っていうとき、あります。
わたしだってたまには、インスタントラーメンや、ハンバーガーとポテトを食べたいときもあるんですよ(笑)。
いつまでも健康でいるためには食は基本ですよね!
栄養バランスも大事だけど、自分が食べたいものをなんでもおいしく食べられることが何よりだと思います。
さて、今月のお悩みはこちらです。
・豚肉や鶏肉を焼くときに火を通しすぎてかたくなってしまいます (息子がお店の鶏たたきを食べてひどい食中毒になった過去があり、それ以降は食中毒になるくらならかたくなっても仕方ないと思って焼いてしまいます)
・豚肉や鶏肉、どのくらい焼かないとダメですか?かといって、焼きすぎてかたいお肉になるのは困ります
(他多数)
お肉の焼き加減、見極めについてはいろいろな方から複数いただいたご質問でした。
分厚いお肉を焼くときって気を使いますよね。
中まで火を通したいし、とはいえ火を通しすぎると今度はパサパサして旨味も何もかも全部流れ出てしまいそうだし。
ちゃんと中までしっかり火は通っていて、それでもかたくないお肉に焼き上げるためにはどうしたらよいのでしょう?
というわけで、今回は鶏肉、それもむね肉を使ってソテーしていく工程を見ていただこうと思います。
火が通っているけど中をしっとりさせるためには、
・お肉を焼く前
・お肉を焼くとき
・お肉を焼いた後
の3つシーンでお約束ごとがあります。
鶏むね肉をしっとりとおいしく焼く方法~お肉を焼く前~
ではまず「お肉を焼く前」から説明していきます。
スーパーで買ってきた鶏むね肉ですが、このまま塩こしょうを振って焼くだけではダメなんです。
ちなみにこちら、大きめの鶏むね肉を選んでみました。
1枚300gあります。
複数のお肉を同時に同じフライパンで焼く場合、それぞれなるべく同じくらいのグラム数の肉を選べば、焼き時間をずらす必要がないので簡単になります。
買ってきた鶏むね肉を裏返してみましょう。
皮が丸まっていますね。
まずはこれをしっかり手でのばしてお肉にまとわせるようにします。
丁寧に広げればこんなに伸びます。
ここにお肉の重量の1%の量の塩を振り、手でなじませていきます。
600gのお肉を使ったので、この日は6gの塩を使いました。3gずつを表と裏とに丁寧にすり込みます。
すり込んだら、このまま室温で20分くらいおき、お肉の温度を少しあげておきます。
冷蔵庫から出したてのお肉だと、冷たすぎて中まで火を通すのが難しく、外は焦げてるのに中は生だった、なんてことにもなりかねません。
冷凍されているお肉ならなおさら!
きちんと解凍し、そしてさらに室温に20分くらい置いてから焼き始めます。
その間に先ほどすり込んだ塩が中までなじみ、鶏から水分が出てきますので、焼く前にこれをきちんとふき取ります。
キッチンペーパーで両面しっかりと水分を押さえます。
はい、ここまでできたら焼きはじめましょう。
鶏むね肉をしっとりとおいしく焼く方法~お肉を焼くとき~
フライパンに油をひき、先ほど丁寧に伸ばした皮目を下にして並べます。フライパンは冷たいままで大丈夫です。
お肉を並べ終わったら、このタイミングで火にかけます。
火加減は中火で。
火にかけたら5分ほど触らず、このまま焼いていきます。
どんどんフライパンの温度が上がっていきます。
5分後です。
まだ中はぜんっぜん生なんですが、横から見るとしっかりと皮に焦げ目がつき、お肉の1/3ほどのところまで白っぽくなってきていますね。
一度ひっくり返しましょう。
はい、ひっくり返しました。
ここからは皮じゃない部分を焼いていきます。
蓋をした方が中まで早く焼けますし、ふっくらと焼き上げることができるので今回は蓋をします。
蓋をしてこちらも5分、火は先ほどより弱めて焼きます。
裏面も5分焼きました。
蓋をとってみましょう。
裏表、どちらも5分ずつ焼いた状態です。
これで終わりじゃないんです。
ここから仕上げに入ります。
もう一度皮目を下にし、焼きなおします。蓋はもうしていなくてもいいです。
このときに風味づけでバターをちょっと入れてもよいです。
入れなくてもよいですよ。どっちでも。
お肉の上にのせたバターが溶けたら全体にからめます。
このとき、トングや菜箸などでお肉を押してみると、押したお肉が押し返してくるような弾力を感じれば、火が通っています。
押したお肉が押されっぱなしのような感じであれば、まだ生ということになります。
(お肉のグラム数によって焼き時間を多めにしてみたり、逆に少なめにしてみたりして調整してください←グラム数大事)
鶏むね肉をしっとりとおいしく焼く方法~お肉を焼いた後~
お肉にしっかり火が通ったらホイルに包んでしまいます。
このとき、フライパンに残ってるバターや肉汁は全て鶏肉にかけてください。
しっかりと包んで、このまま10分蒸らします。
フライパンの上で蒸らしてもよいのですが、それだとフライパンに残った熱で肉汁がどんどん出てしまい、お肉がかたくなってしまいます。
(そういう方法もあるのですが、その場合は今回ご紹介した焼き時間よりももう少し短めにするとちょうどよく焼けます)
10分後、ホイルを開け、斜めにそぎ切りにしてお皿に盛り付け、ホイルに溜まった蒸らし汁をかければ完成です。
いかがでしょうか。
ちゃんと火が通っている状態で、でもかたくなくしっとり!の状態です。
しっかり焼いて、その後ホイルに包むことでしっとりさと潤いをむね肉の閉じ込める方法です。
ちなみにホイルに包まずにそのままアツアツを食べたい!という方。
それでもよいのですが、包丁で切り分けたときに肉汁が流れ出してしまい、お皿にのせるころにはスカスカになってしまう可能性があります。
できれば焼いた時間くらいはホイルに包んでおき、その後切り分けるようにしてみてください。だまされたと思って一度やってみて!違いは歴然です。
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3つのシーンごとにお約束ごとをご紹介しましたが、ポイントがたくさんありましたね。
厚めのお肉を焼くときは、適当だとそれなりの仕上がりになってしまうので、薄切りのお肉を焼くときより少しだけ気を引き締めます。
お肉の温度や焼き時間、蒸らし時間など、丁寧さを心がけて料理するとよいと思います。
ちなみにこの方法だと、夜遅く帰ってくる家族のためにレンジで温め直ししても、全く問題なし。
(切り分けた後もすぐにラップをして、しっかりと保湿しておけば良いです)
最後に今回のむね肉のレシピを書いておきますね!
「鶏むね肉のしっとりバターソテー」レシピ
材料
・鶏むね肉…2枚(今回は、1枚300gのものを使用)
・塩…肉の重量の1%
・こめ油…小さじ1
・バター…10g
作り方
1. 鶏むね肉は皮を広げて肉の表面を覆うようにしっかり伸ばす。塩を両面にすりこみ、室温で20分ほどおく。20分後、出てきた水分をキッチンペーパーで拭きとる。
2. フライパンにこめ油をひいて1の鶏むね肉の皮目を下にして並べ、中火にかける。触らずに5分焼いたら裏返し、裏面は蓋をして弱火で5分焼く。
3. 両面焼けたら蓋をとって皮目をもう一度下にし、バターを入れて全体にからめる。火を止め、お肉を汁ごとホイルに移してしっかりと包み、10分蒸らす。
4. ホイルを開け、お肉を斜めにそぎ切りにする。皿に盛り付け、ホイルの中に溜まっている蒸し汁をお肉にかける。
ポイントを抑えながらぜひ作ってみてくださいね!では来月の連載もお楽しみに!