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韓国料理研究家・本田朋美の「おうちで簡単♪行ったつもりで韓国ごはん」
韓国料理研究家 本田朋美
韓国料理研究家・本田朋美の「おうちで簡単♪行ったつもりで韓国ごはん」

人気の韓国料理「カムジャタン」がおうちで簡単に!もうお店行かなくていいかも?

気温が下がってくると恋しくなるのが鍋料理。人気の韓国料理「カムジャタン」をおうちで作ってみませんか?今回も韓国料理研究家の本田朋美さんに、手に入りやすい材料で本場風の味が楽しめる簡単レシピを教えていただきました!ボリューム満点で、リピ確定のおいしさですよ♪
2023/10/24
2023/10/27
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こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。

肌に当たる風が少しひんやりとして、秋の訪れを感じますね。

こんな時期に食べたくなる韓国の鍋料理といえば、私は真っ先に「カムジャタン(じゃがいもと豚の背骨のスープ)」を思い浮かべます。

かれこれ18年ほど前に初めて訪れたコリアンタウンで、韓国人の友だちとおいしさを分け合ったのが「カムジャタン」なんです!

カムジャタン

そんな個人的にも思い入れのある料理ですが、日本では安定した人気がありますよね。

そこで、今日は「カムジャタン」にまつわるお話をご紹介します!

「カムジャ」はじゃがいものこと

まず「カムジャタン」という料理名ですが、韓国語でカムジャ=じゃがいも、タン=スープのことを指しています。直訳すると「じゃがいもスープ」ですが、基本的には鍋料理です。

カムジャタンは必ず2人前以上

主な食材はじゃがいもと豚の背骨。飲食店では背骨の代わりに首の骨を使うこともあるそうです。

そして、カムジャタンは2人前以上で提供され、最後は残ったスープにご飯やすいとん、うどんなどを入れて楽しみます。

カムジャタン

ちなみに一人前になるとじゃがいもが入らない「ピョヘジャングッ(豚の背骨の酔い覚ましスープ)」という名前になります。

一人前にじゃがいもを入れない理由はわかりませんが、韓国ではひとりで食べられる食事が日本に比べて少ないので、ひとり旅愛好家にはありがたい料理です。

韓国には24時間営業のカムジャタン専門店があり、常にお客さんで賑わっています。愛されている証拠ですね!

カムジャタン専門店

仁川開港と鉄道工事がリンクして生まれた料理

次にカムジャタンが誕生した経緯をお話しますが、これがなかなかおもしろいんです。

諸説あるようですが、一番有力なのは現在空港のある仁川(インチョン)起源説です。

1883年に仁川が開港し、1899年に朝鮮半島初の鉄道が仁川とソウルの鷺梁津(ノリャンジン)間で開通しました。

当時仁川では、開港したことで外国人の流入が増え、ステーキをはじめとする肉料理の需要が増加したため屠畜場を建設して外国人の食に対応したところ、肉を出荷したあとの骨の部分が多く残るようになっていました。

この、残った骨を利用した鍋料理としてカムジャタンが生まれ、鉄道工事に携わっていた労働者たちの間で話題になったというのです。

カムジャタンは肉をとったあとの骨を利用するだけに、低価格でありながらうま味があり、程よい辛さのおかげで頭も体もしゃきっとするので、労働者にはうってつけの料理だったのでしょう。

本場のカムジャタンには「白菜の外葉」が必須!

ここで本場のカムジャタンのポイントをご紹介します。

カムジャタンの出汁になるのは、具としても食べる豚の背骨です。これをじっくり煮込んで、うま味を引き出していきます。

そこへコチュジャン、テンジャン(みそ)、クッカンジャン(薄口しょうゆ)、粉唐辛子、にんにくなどを入れてコクと辛味をつけます。

野菜は「ウゴジ」という、ゆでた(またはゆでてから干した)白菜の外葉が必須です。

韓国では食糧難の時代が長かったので、食材を無駄にしない使い方が今でも受け継がれているのですが、その代表的なものがこのウゴジです。白菜キムチを漬ける際に、外葉を捨てずにウゴジを作って冷凍保存しておき、使いたいときに取り出してスープに入れます。

ウゴジ(白菜の外葉)

そして、カムジャタンの仕上げのポイントは、えごまの粉とえごまの葉をたっぷりと入れること。豚の背骨の臭みを和らげる上に香ばしさがプラスされるので、これもマストといっていいでしょう!

では最後に、カムジャタンの作り方をご紹介します。

日本では豚の背骨が手に入りにくいのでスペアリブを代用し、ウゴジの代わりに白菜キムチを使います。

骨からうま味がじんわりとしみ出しますし、程よくお肉もついて食べ応えがありますので、家庭で作るときはスペアリブが圧倒的におすすめです!もうお店に行かなくてもおうちでおいしいカムジャタンが食べられますよ。

 

※6月のコラムで書いた、おうちで作れるチュクミポックムのレシピもおすすめなので、ぜひこちらも作ってみてくださいね

もう並ばない!大ブームの「チュクミ」がおうちで作れる簡単レシピ

カムジャタン(じゃがいもと豚の背骨のスープ)レシピ

調理時間

60分

分量

2人分

材料

・スペアリブ…4本(約400g)

・酒…大さじ1

・白菜キムチ…200g

・水(スープ用)…1000ml(5カップ)

・みそ…大さじ1/2

・長ねぎの青い部分…2本

・にんにく…1片

・じゃがいも…2個

・長ねぎ…1/2本

・えのき…1/2袋

・えごまの葉…2枚

・えごまの粉…大さじ1

・塩…適量

(A)

・コチュジャン…大さじ1/2

・粉唐辛子(韓国産・細挽き)…大さじ1

・しょうゆ…大さじ1/2

・おろしにんにく…大さじ1

カムジャタン材料 カムジャタン材料

作り方

1. 鍋にスペアリブがかぶるぐらいの水(分量外)と酒を入れて強火にかけ、沸騰したら中火に落としてスペアリブを入れて3分ほどゆで、ザルにあげて水で洗う。

カムジャタン作り方

カムジャタン作り方

2. 鍋に1のスペアリブ、白菜キムチ、水(スープ用)、みそを入れて強火にかける。沸騰したら弱火に落としてアクを取り、長ねぎの青い部分、皮をむいて半分に切ったにんにくを入れる。アルミホイルやクッキングシートなどで落し蓋をして、45分ほど煮る。

カムジャタン作り方

カムジャタン作り方

3. じゃがいもは皮をむき1個を半分に切り、長ねぎの白い部分は長さ5cm、幅5mmで斜め切りにする。えのきは根元を切り落としてほぐし、えごまの葉は1枚を4等分に切る。

カムジャタン作り方

4. 2の鍋から長ねぎの青い部分、にんにくを取り除く。

カムジャタン作り方

5. 4の鍋にじゃがいもとAを入れて強火にかけ、沸騰したら中弱火に落としてじゃがいもがやわらかくなるまで約10分煮る。

カムジャタン作り方

6. 5の鍋にえのき、長ねぎ入れて一煮立ちさせたら、塩で味を調える。火をとめ、えごまの粉とえごまの葉をのせる。

カムジャタン作り方

カムジャタン

今回じゃがいもはメークインを使いましたが、男爵でも何でも、お好きな品種を使ってください。

カムジャタンにはえごまの葉とえごまの粉がつきものですが、手に入りにくい場合は代用品としてにらや春菊を入れたり、すりごまを加えたりしても良いと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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韓国料理研究家 本田朋美さんのプロフィール
韓国料理研究家 本田朋美

2009年より料理教室・講座をスタート。生徒数は1500人を超える。現在は慶尚北道聞慶市観光広報大使、韓国料理店のアドバイザー、企業へのレシピ提供・イベントの企画開催、ツアーの企画開催、執筆、メディアへの出演などを通じ、韓国料理の魅力を伝える活動を行っている。著書『あの名シーンを食べる!韓国ドラマ食堂 』(共著:八田 靖史、イラスト: 西村 オコ)も好評発売中。

 

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