野菜のプロ直伝「大根」の基本・豆知識・調理のコツ
こんにちは。
スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。
今回は「大根」についてご紹介していきます。
大根は年中お店に並んでいるので、いつが旬かわからない方もいらっしゃるかと思いますが、寒い時期である今が旬の野菜です。
それではさっそく、大根の選び方からご紹介していきますね。
おいしい大根の選び方
まるごと一本の場合
まるごと一本の大根を選ぶときは、以下4つのポイントをチェックしてくださいね。
・葉がしおれていない
・葉が黄色く変色していない
・葉の断面に空洞ができていない
・皮にシワがよっていない
それぞれ詳しくご紹介していきます。
大根の鮮度をチェックするときは、まず葉の部分をチェックしましょう。葉が切り落とされていても茎の部分はだいたい少し残っているので、そこで葉の状態を確認してください。
葉がしおれているものや黄色く変色しているものは、収穫してから時間が経っている証拠なので避けましょう。
それから、葉の断面を確認しましょう。葉の断面に空洞ができている場合は、味も食感も落ちてしまっている可能性が高いので、避けた方がよいです。
最後に皮の状態をチェックします。皮にハリやツヤがあるものは鮮度がよい証拠。シワがよっているものは水分が抜け始めていて乾燥しているので、避けてくださいね。
鮮度とは別の話ですが、「大根という名前の通り、太くて、まっすぐで、ずっしりと重いものは、栄養が均等に行き渡っていておいしい」と、農家さんから教えていただきました。また、ひげ根が少なくて均等に生えているものも生育状態がよいという証拠なので、選ぶときの参考にしてみてください。
カットされている場合
カットされている大根を選ぶときは、「切り口が均等に白いもの」を選んでくださいね。
よく見ないと分かりにくいのですが、切り口がもやもやとしているものがあります。
断面がもやもやとしているものには“ス”が入っていることが多いのです。“ス”が入るとは、生育不良や乾燥が原因で身がスカスカになってしまった状態のことを言います。味も食感も落ちているので避けましょう。
また、夏によく見られるのですが、切り口が青や黒に変色しているものがあります。食べられないことはないのですが、変色した部分はかたくて苦いので、取り除くことをおすすめします。
カットされている大根だと、切り口をチェックするだけでおいしい大根を簡単に見抜くことができます。大根選びで失敗することが多い方は、まるごと一本の大根よりもカットされている大根を選んでみるのもよいかもしれませんね。
大根の保存方法
冷蔵保存の場合
ここからは大根の冷蔵保存の方法についてご紹介していきます。
4. 冷蔵庫の冷蔵室で保存する
大根は乾燥に弱い野菜です。ペーパーに包んで保存袋に入れることで、大根を乾燥から守りましょう。
大根の最適な保存温度は0〜5℃なので、冷蔵室で保存してください。野菜室は大根にとって暑すぎるので、傷みが早くなります。
冷蔵保存した大根の保存期間は、1週間程度です。
冷凍保存の場合
大根は冷凍保存も可能です。
ただし、大根は冷凍すると食感が変わりやすい野菜なので、工夫が必要です。
冷凍するまでに時間がかかると、細胞が壊れて食感が変わってしまいます。冷凍するまでの時間を短縮させることで食感が変わりにくくなるので、細かく切ってから冷凍させましょう。
保存方法は以下の通りです。
4. 冷凍庫に入れる
冷凍庫に入れるときは、金属のバットの上にのせて保管するのがおすすめです。冷凍するまでの時間が短縮されるので、食感が変わりにくくなりますよ。
冷凍した大根の保存期間は、1か月程度。
冷凍した大根を料理に使う場合は、凍ったまま炒め物やみそ汁に加えるだけでOKです。
サラダにする場合は、常温や冷蔵室で解凍してから使ってくださいね。
大根の豆知識
「大根の皮は食べられる」ということを、みなさんはご存知でしょうか。
大根の皮には、実は栄養素がたくさん含まれており、とくに食物繊維やビタミンCが豊富なのです。
とはいえ、皮をむかないと味がしみないし食感も悪くなるので、皮をむいて食べたいですよね。
ですから、皮はとっておいて、きんぴらにしたり素揚げして召し上がってみてください。おいしいですよ。
ぜひ捨てずに食べてくださいね。
大根に味を早くしみ込ませる方法
今回は、大根に素早く味をしみ込ませる方法をご紹介します。
おでんなどに使うときはぜひ試してみてくださいね。
1. 大根を輪切りにして皮をむく
5. ほかの具材と一緒に煮込む
これだけで味が早くしみ込みますよ。また、冷凍した大根も味がしみ込みやすくなっているので、おすすめです。
ぜひ試してみてください。
最近の野菜トピック
まだまだ厳しい寒さが続いていますね。
だいたい2月を過ぎて寒さがやわらいでくると、徐々に春野菜が出回り始めます。
近年、野菜は旬に限らず年中出回るものが増えてきていますが、生の春野菜はこの時期にしか出回らないものが多くあります。
具体的には、菜の花やタラの芽、ふきのとうなどの山菜ですね。
ぜひ旬の春野菜を食べて、季節のうつろいを体感していただけたらうれしいです。
ではまた次回の連載で!最後まで読んでいただきありがとうございました。