【おいしい暮らし】「足りない甘みや旨みはすぐに調味料、ではなくまずは玉ねぎやきのこで」いがらしかなさんの野菜の使い方が素敵なんです

【おいしい暮らし】「足りない甘みや旨みはすぐに調味料、ではなくまずは玉ねぎやきのこで」いがらしかなさんの野菜の使い方が素敵なんです
暮らし上手な人にフォーカスし、お料理をすることや食べること、心地よく暮らすためのヒントをお届けする不定期連載「おいしい暮らし」。今回は、野菜料理家のいがらしかなさんに、簡単にできる野菜いっぱいのお料理レシピや、暮らしを楽しむコツを教えていただきました。
フーディストノート
フーディストノート
2019/12/01
2021/10/07
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おいしくて、簡単で、野菜たっぷり

お料理の世界に入ったきっかけを教えてください

「結婚を機に、夫の実家の農家で働き始め、最初の2年間は、毎日畑に出て野菜を育てていました。その中で野菜のおいしさの魅力をもっと発信したいと考えるようになり、野菜料理家として活動するようになったんです」

野菜料理家として、レシピを考えるうえで大切にしていることはなんですか?

「おいしくて、簡単で、野菜たっぷり、という3つを特に大事にしています。

まず『おいしい』は、例えば甘みが足りないなと思ったときに、すぐに調味料を足すのではなく、野菜で補えないかなと考えるようにしています。甘みが足りなかったら玉ねぎを足す、旨味が足りなかったらきのこを足すなど、野菜が持つパワーでおいしい味を作っていきたいと思います。

『簡単』は、私は会社員をしていた頃の経験が大きいですね。仕事が忙しくて料理をする時間がほとんど取れず、外食続きで、栄養バランスが崩れたりしていました。なので、忙しい人でも、パパッと作れるような簡単レシピを目指しています。

最後の『野菜たっぷり』は、それぞれの野菜の特徴をいかして、野菜が主役になるようなレシピを考えること。味付けもすごくシンプルで、野菜そのままの味を活かすレシピをご紹介しています」

キッチンに立つ時には、どんなことを考えていますか?

「料理は自分の心がよく表れるように思います。『今日は忙しいし適当でいいや』と思うと、味も見た目も適当なものしかできません。適当なものを作って食べると、なんとなく自分でもがっかりしてしまい元気が出ません。忙しくても、『家族と一緒においしいものを食べてまた頑張ろう』と思うようにして、一つ一つの工程をできる範囲で丁寧にこなすように心がけています」

いがらしさんのMY BEST レシピは?

■じゃがいものキーマカレー

「煮込み不要、フライパンで簡単にできるカレーです。じゃがいもはレンジで時短♪」

レシピをチェック!>>

■麻婆だいこん

「とろける食感の大根に味がよく染みてやみつきになりますよ。大根の上のほうを使うところがポイントです」

レシピをチェック!>>

■桃ヨーグルトアイス

「混ぜて冷凍するだけの簡単でおいしいアイスです。材料は4つだけで手軽です!」

レシピをチェック!>>

食材や調味料選びでこだわっていること、気を付けていることはありますか?

「食材は、とにかく新鮮なものを選ぶようにしています。野菜をお店で買う時には、ツヤや色、水分量、キズのありなしで、肉や魚はドリップが出ていないか、色が良いかなど、よく見比べてから買うようにしています」

最近、お気に入りの野菜といえば?

「フィレンツェという品種のなす(写真の大きななす!)があるのですが、以前食べてあまりのおいしさに感動し、今年から夫が農園でも栽培を始めたんです。フライパンで多めの油で焼くと、ジューシーでとろけるような食感になります。おろしポン酢で食べたり、麻婆なすにしたりやみつきになりました」

150を超える野菜レシピを考案、スタイリング、撮影まで担当された新刊のお話もお願いします

『おいしく長く楽しめる!収穫野菜の保存テク&レシピ』というタイトルで、野菜をおいしく長く楽しむために、『野菜を保存するコツ』と『野菜がたっぷり食べられるレシピ』をご紹介しています。一つひとつの野菜の性格に合わせて、常温・冷蔵・冷凍・天日干しなどで保存する方法を写真付きで解説。その保存した野菜をいかして簡単に作れるレシピも、野菜ごとに2~6品ほど載っています。

一般的な野菜はもちろん、最近注目されているイタリア野菜や、間引きにんじん・完熟ゴーヤのような家庭菜園だからこそ楽しめる野菜も取り上げているんですよ。監修は五十嵐透さん、料理部分は私が担当しました。家庭菜園をしている方はもちろん、スーパー等で買った野菜を長く楽しみたい方にもオススメです!」

撮影は1年がかりだったそうですね

「2018年の春から撮影が始まり、2019年夏に出版に至りました。特定の季節にしか手に入らない野菜があるため、撮影は野菜に合わせてスケジュール組み。春はえんどう豆、夏はトマトやなす、秋になりさつまいも、冬は白菜や春菊…といった具合で、季節を感じながら制作してきました。料理内容はもちろん、器やスタイリングにも季節感を出して、ページをめくる度、季節の移り変わりを感じられるような一冊になればと思っています」

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本では、ふだんの思いそのままに「野菜の持つさまざまな表情や可能性を表現したいと思い、一つひとつの野菜に向き合い、野菜の特徴(味、食感、形、色など)を活かした料理を心がけました」という、いがらしさん。そんないがらしさんが愛らしく手に取る野菜たちは、いつもよりももっと鮮やかに、おいしそうに見えましたよ。

いがらしかなさんへのQ&A

ブログを始めたきっかけは?

「結婚して、農家で働き始めたことですね。自分の目線で野菜が育つ様子や野菜の魅力、野菜をおいしく食べられるレシピを発信したいと考えて、ブログを書き始めました」

大好物といえば?

「大好物は野菜たっぷりのビーフシチュー。私の母の得意料理です。苦手なのは煮た鶏肉の皮。パリパリに焼いたものは好きなんですが…」 

お料理以外で、リラックスタイムの過ごし方といえば?

「器屋さん巡り、ホームパーティー、アカペラ、裁縫、ランニングなど、いろいろやっています。アカペラは友達と月1回集まってゆるゆると練習しているほか、月に1回ボイストレーニング教室に通っています。裁縫は小さい頃から好きで、小学生の頃はリカちゃん人形の洋服を作ったり、大人になってからは結婚式のカラードレスを作りました。ランニングは健康維持のために月2~4回程度やっています。フランスでワインを飲みながらフルマラソンを走る大会に参加して、完走しました!」

いがらしかな*農家のレシピ帳さんのプロフィール

▼いがらしかな*農家のレシピ帳さんのmyレシピブックを見る
https://www.recipe-blog.jp/profile/tokyo831

野菜たっぷりの簡単レシピを発信する、野菜料理家として活躍中。書籍、WEB、企業向けのレシピ開発、フードスタイリング、撮影、コラム執筆など行う。レシピ考案から調理、スタイリング、撮影まで担当した全151品の野菜がたっぷり食べられるレシピに、野菜の保存テクニック、家庭菜園の楽しみ方までわかる『おいしく長く楽しめる!収穫野菜の保存テク&レシピ』(ナツメ社)が発売中。

▼いがらしかな*農家のレシピ帳さんのブログ『農家のレシピ帳』を見る
https://tokyo831.com/
▼いがらしかな*農家のレシピ帳さんのInstagramを見る
@tokyo831_com

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