庄司いずみさんが、「人生でもっとも繰り返し作っている」ベジ料理って?【おいしい暮らし】
これからはベジタリアンで行こう!と決めた理由
野菜のお料理といえばこの方、というほど、おなじみの野菜料理研究家、庄司いずみさん。日本ではまだ数少ない、本格的なベジタリアン・クッキングクラス『庄司いずみ ベジタブル・クッキング・スタジオ』も主催する庄司さんに、ベジタリアンになったきっかけや思い出の一品など、野菜料理にまつわるいろいろなお話、うかがいました。
ベジタリアン料理や野菜料理と出会ったきっかけは?
「子どもの頃から野菜好き。瀬戸内海沿いの町に育ったので新鮮な魚介が食卓によくのぼりましたが、残念ながら魚は苦手。肉料理もそれほど好きではありませんでした。
実家を離れ、一人暮らしを始めてからも、自分で作るのは野菜のおかずが中心。友達がくれば肉や魚の料理もつくったし、結婚してからはいろいろな料理にトライしましたが、野菜好きはかわらずでした。
そんな野菜好きがベジタリアンにかわったのは、産後の体のトラブルがきっかけ。乳腺炎になり高熱が出るわ、パンパンに腫れて痛いわ…。泣くほど辛かったのですが、そのときに助産師さんから『野菜とごはん中心のあっさりした食事に』と指導されたんです。
脂っこいものや肉料理を食べるとおっぱいがドロリとなり、症状が重くなる。『食べたものが自分の体をつくる』というあたりまえのことを、身をもって知りました。その上、もともとが野菜好きだったことも手伝って、『これからはベジタリアンで行こう!』と決めたんです」
ベジタリアンになってそれまでの暮らしと変わったことは?
ご家族にも好評だったレシピ、教えてください!
「実験しておいしくできたベジタリアン料理は、あらためて家族にもつくりました。そんな中、娘がいたく気に入って、『そんなに好き!?』と作った私も驚いたのが、『大根の唐揚げ』。サッと蒸した大根にしょうゆなどで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げるだけの簡単料理ですが、ぱくぱく食べ、しょっちゅう『また作って!』とリクエストがきました。煮ものよりボリュームもあるので、お弁当にも便利。
これまた娘の大好物の『えのきのおやき』と並び、人生でもっとも繰り返しつくっている料理のひとつです」
これまでのMY BEST レシピは?
コンビニやファミレスにも『V』のマークが入ったメニューや商品を
これからやってみたいことは?
もう一つの夢は、日本のおいしい野菜料理や、カンタンで楽しいベジタリン料理を海外に伝えること。
海外にいくと、ベジタリアン料理がどこのお店にもあったり、スーパーの棚にヴィーガン向けの商品が並び、ベジタリアン文化が進んでいることに驚きますが、その一方で日本の精進料理や家庭の野菜料理、そして今どきのベジカフェのベジタリアン料理は、味もセンスもテクニックも、世界でもトップクラスと感じます。それを世界に伝えることも、野菜料理家としての目標です」
庄司いずみさんへのQ&A
ブログを始めたきっかけは?
私がベジタリアンになった20年前頃は、マクロビオティックや精進料理の本はあっても、家庭で簡単に作れる野菜料理の本はありませんでした。「ないなら私が作りたい!」と考えましたが、料理の素人が料理本を出せるわけがないこともわかってました。そのうちに料理ブログのブームが始まり、ブログ本が次々ヒットするのを目にし、「本を出すならこれが唯一の道かも」と考えはじめたのがキッカケです。
1ヵ月でも食べ続けられる大好物といえば?苦手な食べ物は?
どんなものでも1ヵ月食べ続けると飽きると思いますが、ごはんなら!それもおにぎりだったら、毎日でも平気。中身は自分で毎年漬けてる梅干しが一番。海苔は焼き海苔。ケチらずに、おにぎりが全部隠れるくらい大きな海苔で巻くのが私流。苦手なのは、肉や魚など動物性の食材。もともとそれほど好きではありませんでしたし、ベジタリアンになった今、なおさら香りなどに敏感になってしまいました。
リラックスタイムの過ごし方は?
気分転換のためにヨガの時間は欠かしません。近所のヨガスタジオは朝7時からのクラスがあるので、行ける時は朝ヨガを。朝早くの仕事のときは、早起きをして10分だけでもおうちヨガをします。ゆったりとした呼吸をしながら体を動かすことで、気持ちが静まります。仕事や家事をしていると、どうしても一日中大急ぎで行動することになるので、リセットの時間として欠かせません。
あとは夕方、夫と一緒に飲むビールの時間でしょうか。ほろ酔いでおしゃべりするのが楽しいのです。