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井上かなえ(かな姐)
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固くならない・くっつかない!冷めてもおいしい「パスタ弁当」を作るコツ6つ

料理にまつわるちょっとしたお悩みに、人気料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんが答えるフーディストノートの公式連載。今回は、「パスタをお弁当に入れるとおいしくない…」というお悩みにアプローチ。「パスタはお弁当に不向き」そんな常識をくつがえしてくれるアイデアが満載なので、お米の高騰でパスタをもっと上手に活用したいという方はぜひ参考にしてくださいね。
2025/05/30
2025/05/30
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こんにちは!かな姐です。

過ごしやすい季節って毎年一瞬で終わる気がしますよね。

気が付けばまたあのムシムシした季節がやってきました。1年ってホント速い!

今回のお悩み相談:パスタをお弁当に入れるとおいしくない…

さて、今回のお悩みはこちらを選んでみました。

パスタをお弁当に入れると、食べるころには固くなってしまいます。くっついて食べにくいし、味もおいしくない…。冷めてもおいしく食べられる方法はありますか?

お米が高くなってしまった今、ご飯以外の主食をとる機会も増えてきたように思います。

朝はパン、お昼は麺類、夜だけご飯、というように、ご飯を食べる回数を意識的に減らしているという方も多いのではないでしょうか。

麺類をお昼のお弁当に持って行かれる方は、冷めてもおいしく食べられる方法が気になりますよね。

冷めたパスタがおいしくない理由って?

パスタといえば、できたて熱々のぷりっぷりの麺をいただくのが一番おいしいので(冷製パスタは除きます)、あのイメージでお弁当に入っているパスタを食べてしまうと、どうしてもがっかりしてしまうというか、やっぱりあれに比べるとおいしくないよなーって思ってしまいます。

冷めるとどうしても麺が固くなりますし、アルデンテのぷりっと感もなく、さらには麺同士がくっついて食べにくい、そして総じておいしくない、と。

だったら熱々のパスタをイメージさせない、新しいパスタを考えたらいいのでは?と思い、わたしが思う「冷めてもおいしいパスタ」を今回考えてみました。

冷めてもおいしく感じるには、たくさんのポイントがありました!

実際に作りながらご覧いただきましょう。

麺・具・詰め方ぜんぶにコツあり!「冷めてもおいしいパスタ」の作り方

まず、麺は食べやすさを考えて半分に折り、塩を適量入れた湯でゆでていきます。

長いとお箸で持ち上げたときにびろ~んとなって口に入れにくいですし、お弁当箱に詰めるときのことも考えて。

半分に折って茹でる

こちらは1人前。

麺を折ると、小さなお鍋でもゆでやすくなり、一石二鳥です。

パスタをいつものようにアルデンテでゆでると、冷めたときに固くなってしまう原因になるので、麺は袋に表示してあるより1分長めにゆでます。お弁当用に冷ますので、食べるときの固さがちょうどよくなります。

後で調整しやすいように、ゆでている間にゆで汁を少し取っておきます(使わないかもしれませんが、固さの調整用にあると便利)。ゆで上がったらざるにあけてしっかり湯切りをし、ここにオイルを振って全体を混ぜ、オイルでコーティングします。こうすることで麺同士がくっつきにくくなります。

オイルでコーティング

今回は和風のパスタにしたいのでごま油を使いましたが、洋風ならオリーブ油を使います。

ゆでるときに使ったお鍋の上に麺が入ったざるを置いて、オイルをかけるようにすると、残ったオイルが下に落ちて、それを利用して具を作っていけるので一石二鳥!

パスタは一旦横へおいて置き、このお鍋を使って具を作っていきます。

生姜

麺よりも具の方が多いんじゃないか?くらいの具の割合にすると、お弁当のときはバランスがいいと思います。

そして、冷めたときに味のポイントになるよう、しょうがを加えます。においが気にならなければにんにくでもおいしいと思います。

具材を調理する

先ほど麺にからめたごま油が多少落ちている鍋を使って、そのまま具を調理します。

パスタといえばベーコンやツナ、ウインナーなど加工食品を使うことが多いですが、今回は和風なので牛バラの切り落とし肉を使ってみました。

お好みで豚肩ロースの切り落とし肉でもおいしいと思います。しっかりとボリュームを出したいので、しめじも入れて。

ここに酒としょうゆを入れて煮詰めていきます。

煮詰めた

調味料がしっかりと具にしみ込み、汁気がほとんどなくなったらOKです。

ここに、先ほどゆでてオイルを振って混ぜておいた麺を入れてからめます。

麺と絡める

火は消しています。

からめるだけ。

このとき、乾燥しすぎて具と麺がからみにくいようでしたら、先ほど取っておいたゆで汁を少し加えて調整します。ゆで汁はもう使わないので捨ててしまって大丈夫です。

出来上がり?まだまだ

はい、混ざりました。

このままお弁当箱に詰めていきますが、詰めるときにも一工夫します。

麺を一口ずつ丸める

ゆで汁を取っておいた計量カップを使って、フォークでひとすくい分ずつコンパクトに丸めて、

丸めながら入れる

麺を丸めた状態のままお弁当箱に入れていきます。こうすることで、お箸で持ち上げたときに麺全部が一斉に持ち上がることなく、一部分、少量だけを持ち上げることができます。

具も一緒に

詰める作業が終わりました。

これだけでもおいしいんですけど、全部同じ味だと途中で飽きる気がするので(そのためにしょうがも入れましたが)、わたしはここに薬味をたっぷりのせます。

味と食感に変化をつける

みょうがと青じそをトッピングしました。

三つ葉やセロリ、パクチー、青ねぎの小口切り、長ねぎを白髪ねぎにしたもの、山椒などもよいと思います。

ブラックペッパーや刻み海苔(海苔はラップに包んで別添えにして、食べるときに添えてもいいかも)などでも!

薬味などをトッピングすることで、冷めたパスタの食感があまり気にならなくなり、また味や食感に変化が出て最後まで飽きずに食べられます。

固まっていない!

実食レビュー!冷めてもおいしいパスタ弁当

完成したパスタ弁当を、4~5時間ほどおいて食べてみましたが、我ながらめちゃくちゃおいしくできた!!と思います!!

 

最後に今回のお弁当用和風パスタのレシピを書いておきますね。

冷めても美味しい

お弁当用!冷めてもおいしい「牛しめじの和風パスタ」レシピ

分量

1人分

材料

  • スパゲティ…80g
  • 牛バラ切り落とし肉…80g
  • しめじ…1/2パック
  • しょうが…薄切り2枚程度
  • ごま油…小さじ1〜2
  • 酒、しょうゆ…各大さじ1
  • 青じそ…1枚
  • みょうが…1本
  • ブラックペッパー…少々

作り方

1. 鍋に湯を沸かし、塩を適量入れる。半分の長さに折ったパスタを入れて、袋の表示時間より1分多にゆでる。ゆで汁を少量とっておく。ゆで上がったらざるにあけて湯を切り、ごま油をからめる。しめじは石づきを取って小房に分け、しょうがはせん切りに、青じそは1cm角くらいに切り、みょうがは縦に半分に切ってから斜め薄切りにする。

2. 空いた鍋に牛肉としめじ、しょうが、酒としょうゆを入れて火にかける。かき混ぜながら煮て、煮汁が少なくなってきたら火を止め、1のパスタを入れてよく混ぜる。

3. 2を一口ずつ丸めながら弁当箱に入れる。そのまま冷まし、完全に冷めたら青じそとみょうが、ブラックペッパーをトッピングする。

冷めてもおいしく食べられるパスタ弁当ポイント6つ!

  1. 麺は半分の長さに折って食べやすくする。
  2. ゆで時間はいつもより1分長めにして、アルデンテにはしない。
  3. 麺にオイルをからめてコーティングする。
  4. 具はたっぷり麺は少なめのバランスがちょうどよい。
  5. 麺を一口サイズに丸めて弁当箱に詰める。
  6. 冷めると味が単調に感じるので、薬味などをトッピングして味に変化をつける。

冷めてもおいしいパスタ弁当、よかったら一度お試しください!

これ、自分でもかなりおいしかったので、他にもいろいろなパスタ弁当を作ってみたくなりました。

ではまた次回をお楽しみにーー!

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井上かなえ(かな姐)

料理研究家。野菜ソムリエ。忙しくても手早く作れてきちんとおいしいレシピが支持されている。毎日の家ごはんやレシピを紹介するブログ「母ちゃんちの晩御飯とどたばた日記」は、「レシピブログ」の人気ブロガーランキングで殿堂入りするほどの人気。神戸、東京で料理教室を主催するほか、NHK「きょうの料理」の出演や、企業のメニュー開発、書籍でのレシピ提案など幅広く活躍。著書に『はじめての自炊練習帖』(ダイヤモンド社)、『15分スープひとつで満足ごはん』(講談社)など。

 

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