野菜のプロ・青髪のテツが教える!おいしい野菜の選び方・保存方法
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野菜のプロ直伝!「春キャベツ」の基本・豆知識・おすすめの食べ方

スーパー青果部歴10年の野菜のプロ・青髪のテツさんに、おいしい野菜の選び方からおすすめの食べ方までを教わるフーディストノート公式連載。今回ご紹介する野菜は、今が旬の「春キャベツ」です。自然の甘味を存分に楽しめるレシピは必見ですよ♪
2023/04/10
2023/04/07
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こんにちは。

スーパーの青果部歴10年の青髪のテツです。

今回は、まさに今が旬の「春キャベツ」についてご紹介していきます。

実は、春キャベツと冬キャベツは収穫時期が異なるだけでなく、品種も違うのです。

冬キャベツは葉が隙間なくびっしりと重なっていて、春キャベツに比べると葉にかたさがあり、加熱調理に向いています。

一方で春キャベツは、葉と葉の間に隙間が多いことが特徴。葉は水分豊富でやわらかいので、サラダや漬物に向いています。

それでは早速、おいしい春キャベツの選び方からご紹介していきます。

おいしい春キャベツの選び方

おいしい春キャベツを選ぶときは、以下の3つのポイントをチェックしてください。

・外葉がついていてハリとツヤがあり、全体的に淡い緑色をしている

・芯の切り口がみずみずしい

・持ち上げたときに軽い

それぞれ詳しくご紹介していきます。

春キャベツ

鮮度のよさを見分けるには、まず葉の状態をチェックします。

まずは、外葉がついているものを選びましょう。

理由は、キャベツは外葉から傷んでいく傾向があるためです。

外葉が黄色くなったり、しおれてきたりすると、多くのお店では外葉を取って陳列します。ごまかしているように聞こえるかもしれませんが、商品をきれいに見せるために工夫することは当たり前のことなので、わるいことではありません。

そのため、外葉がきれいな状態のものは鮮度がよいと判断することができます。

ただし、鮮度がよくても外葉を取った状態で陳列しているお店もありますので、一概に「外葉がないから鮮度がよくない」とは言い切れません。

外葉がない春キャベツは収穫されてから時間が経過している“可能性が高い”ということを覚えておいてくださいね。

また、外葉の状態もしっかりチェックしておきましょう。全体的に淡い緑色をしていて、外葉の先までハリやツヤがあるものは鮮度抜群ですよ。

春キャベツの芯

次に、芯の切り口をチェックしてください。

芯の切り口がみずみずしく、真っ白なものを選びましょう。

黒ずんでいたり乾燥していたりするものは、収穫してから時間が経ち、傷み始めている可能性が高いです。

春キャベツは巻きがゆるいものを選ぶ

最後に、持ったときに軽く感じるものを選んでください。

育ちすぎている春キャベツは葉がかたくなり、ずっしりと重くなっていく傾向があるためです。

葉の巻きが緩いものの方が、春キャベツらしいやわらかい食感を感じることができるので、サラダとして楽しむ場合は軽いものを選んでください。

ただし、農家さんいわく「春キャベツも冬キャベツと同様に重い方が糖度が高い傾向にある」とのことなので、加熱調理をする場合は重いものを選ぶとよいですよ。

春キャベツはこれらの条件を元に選ぶことで、失敗する確率が大きく減ります。ぜひ参考にしてみてくださいね。

春キャベツの保存方法

冷蔵保存の場合

ここからは春キャベツの保存方法についてご紹介していきます。

成長点を取り除く

1. 芯の少し奥にある「成長点」を壊すか取り除く。

成長点とは、野菜が成長するために必要な組織のことを指します。これを機能させなくすることで鮮度が保たれます。

今回は専用の道具を使いましたが、爪楊枝やフォークを芯に刺すことで成長点を壊せます。

春キャベツをペーパーでつつむ

2. ペーパーで包む。

今回は新聞紙を使って包みました。新聞紙の方が包みやすいですが、キッチンペーパーでも代用できます。

春キャベツをポリ袋に入れる

3. ポリ袋に入れる。

4. 冷蔵庫の冷蔵室で保存する。

春キャベツは冷蔵室で保存しましょう。春キャベツの最適保存温度は0~5℃。野菜室だと春キャベツにとっては暑すぎるため、傷む速度が早くなってしまいます。冷蔵室のスペースに余裕がある場合は、ぜひ冷蔵室で保存してください。

冷蔵保存した春キャベツの保存期間は2週間程度ですが、あくまで目安です。

野菜は生きていて、さらにそれぞれ個体差があるため、どの春キャベツも2週間持つという保証はありません。元の状態にもよりますし、水溶性の栄養素は時間が経つにつれて失われていくので、なるべく早めに食べきってくださいね。

冷凍保存の場合

春キャベツは冷凍保存も可能です。以下の方法で保存しましょう。

春キャベツをざく切りにする

1. 食べやすい大きさにカットする。

春キャベツを水洗いする

2. 水でよく洗い、しっかりと水気を取る。

春キャベツを保存袋に入れる

3. 保存用の袋に入れる。

4. 冷凍庫に入れる。

冷凍した春キャベツの保存期間は1か月程度です。

中途半端に解凍して調理すると水分が抜けて食感がわるくなってしまうので、凍ったまま炒め物や煮物に入れてくださいね。

春キャベツの豆知識

春キャベツの豆知識をご紹介します。

キャベツが入荷する度に時間があれば糖度を計測していたのですが、春キャベツの糖度は平均7〜8℃。それに対して、冬キャベツは平均10~11℃。糖度でいうと冬キャベツの方が高い傾向にあります。

ただ、夏や秋に収穫されたキャベツと比べれば、春キャベツの方が糖度が高い傾向にあるのは間違いありません。冬から春に収穫されたキャベツを食べるときは、甘味に注目してほしいなと思います。

そして、冬キャベツと春キャベツの違いは何といっても葉のやわらかさ。春キャベツの葉はみずみずしくてやわらかくておいしいですよ。

ぜひサラダなどの生食で楽しんでくださいね。

おすすめの春キャベツの食べ方

私が個人的に好きな春キャベツの食べ方をご紹介します。

個人的に春キャベツは大きめにカットしてソテーでいただくのが好きです。

もちろん、春キャベツの特徴であるやわらかさを活かすならサラダにするのがおすすめなのですが、少しめずらしい食べ方かと思うので、ぜひ試してみてほしいです。

春キャベツのソテー

調理時間

10分

分量

1人前

材料

  • 春キャベツ…1/8個
  • にんにく…1片(みじん切り)
  • ごま油…大さじ1
  • 水…大さじ2

作り方

  1. 春キャベツを1/8にカットする。
  2. フライパンにごま油を入れて熱し、にんにくを加えてじっくりと炒める。
  3. にんにくが軽く焦げてきたら、春キャベツを加えて焼き色がつくまで炒める。
  4. 水を加えて蓋をし、2分間蒸し焼きにして完成。

春キャベツの甘さがしっかりと感じられますよ。ぜひ作ってみてくださいね。

最近の野菜トピック

ずいぶんと過ごしやすい季節になりました。

この季節は、生たけのこ、菜の花、そら豆、スナップエンドウ、たらの芽などの春野菜がどんどんお店に陳列されていきます。

春野菜は苦味が強いものやなじみのないものが多く、あまり人気がないイメージですが、ぜひ季節を感じられる春野菜を使った料理にチャレンジしてみていただきたいです。

それでは、今回の選び方や食べ方を参考に、今が旬の春キャベツを楽しんでくださいね。

また次回の連載で!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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X(旧Twitter)フォロワー数75万人を超える(2024年2月現在)、スーパー青果部歴10年の野菜のプロ。野菜・果物の役立つテクニックや、価格の市場動向など価値ある知識をXやブログを中心に発信している。著書は『野菜売り場の歩き方』『おいしい野菜まるみえ図鑑』『やさいのトリセツ』など。

 

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