旨辛スープにハマる!行列しても食べたい韓国式中華「海鮮チャンポン」
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
先日、1か月ぶりにコリアンタウンの新大久保に行きました。たった1か月の間に新しいお店が続々とできていて、相変わらず変化の激しい街ですね。
新大久保は昨年あたりからチュクミ(イイダコ)料理が大ブームですが、そんな中でも日々行列の絶えないお店があります。それは、韓国式中華料理店です。
今回は韓国式の中華料理についてお届けしたいと思います!
「炸醬麵」から韓国式の「ジャージャー麺」へ
中国から渡ってきた「炸醬麵」が独自に進化
「韓国式中華料理」って、一体どんな料理だと思いますか?
一番代表的なのは、韓国ドラマでもよく見かけるジャージャー麺(韓国語の発音だと「チャジャンミョン」)です。
中華麺の上に野菜や肉などが入った真っ黒なソースがたっぷりとかかっていて、見た目は中国の「炸醬麵(ジャージャー麺)」に似ていますが、味は独特です。
それには理由があります。
1883年に現在空港のある仁川(インチョン)が開港すると外国との交易が盛んに行われるようになり、中国から渡って定住した商人たちが故郷の味を懐かしんで「炸醬麵」を作っていました。
そのうちの一人が、1912年に中華料理店「共和春(コンファチュン)をオープンして人気店となったのですが、共和春の「ジャージャー麺」は韓国人の舌に合うようにアレンジされ、中国の「炸醬麵」よりもソースにとろみと甘味があるのが特徴でした。
韓国のジャージャー麺が独特な味になったのは、この共和春風のジャージャー麺が広まったからなんですね。
1912年に開業した共和春は残念ながら閉店してしまいましたが、名前と味を引き継いだ店がいまも営業中で、韓国式ジャージャー麺の元祖を味わうことができます。元の共和春の建物は「チャジャンミョン博物館」になっているそうですので、機会があれば行ってみてくださいね!
「ジャージャー麺」は韓国人の国民食!
そんなジャージャー麺ですが、韓国人がよく食べるようになったのは、1950年代に入ってから。韓国で小麦料理が広まった時期と重なります。
その後、デリバリー文化が発達すると、ジャージャー麺を注文して自宅、学校、職場、さらには屋外にも運んでもらうのが当たり前になりました。国民食と言っていいほど、韓国の人はジャージャー麺が大好きなのです。
それを私自身が実感したのは、韓国人の仕事関係者と一緒に韓国を訪れると、滞在中に韓国式中華料理のお店に連れて行かれ、ジャージャー麺を食べることが多かったからです。また、韓国餅の勉強でソウルの料理学校に通っていた時は、先生がジャージャー麺の出前を頼んで生徒たちに振る舞ってくれたこともありました。懐かしい思い出です!
ハーフ&ハーフで「チャムチャミョン」
ジャージャー麺とともに韓国式中華料理の二大巨頭として君臨しているのが「チャンポン」です。
チャンポンといえば、日本の方には「長崎ちゃんぽん」がおなじみですが、韓国のチャンポンはスープが辛くて真っ赤なんです。甘いジャージャー麺と辛いチャンポン、対照的ですね!
どっちも食べたい気分のときは、だいたいどのお店でもハーフ&ハーフの「チャムチャミョン」が頼めます。こんな器に入っているんですよ。
ちなみにこのチャンポン、伝わってきたのは中国からですが、名前は日本の「ちゃんぽん」に由来しています。長きに渡って日本と韓国は食文化の影響をお互いに受けているので、日本語名で浸透している料理も少なからずあるんですよ。
韓国式中華といえば「タンスユク(酢豚)」もはずせない!
ジャージャー麺とチャンポンの他にもう一つ、忘れてはならないのが「タンスユク(酢豚」)です!
日本人が思う酢豚よりも野菜が少なく、衣をつけて揚げた豚肉が山盛りになっています。大皿料理なので基本的には友だちと取り分けて食べるのですが、この食べ方も人によってこだわりがあります。
お店の人にお願いして、最初からあんを酢豚の上にかけておいてもらうか、それとも別皿に入れてもらってつけながら食べるか…私はどちらでも良いのですが、韓国の方たちは「かける派」と「つける派」に分かれるようですよ。
この記事を書いていたら、韓国式の中華料理が食べたくなりました…。
最後にレシピのご紹介です。今回は「海鮮チャンポン」を選びました。
スーパーで手に入りやすい材料で作っていますが、最後により本場風の味にするためのコツもあわせて書きましたので、そちらもご参考になさってください!
旨辛スープにハマる!「海鮮チャンポン」レシピ
調理時間
15分
分量
1人分
材料
・冷凍シーフードミックス(解凍しておく)…100g
・玉ねぎ…1/8個
・しめじ…1/4袋
・長ねぎ…1/8本
・にら…2本
・ごま油…大さじ1
・ナンプラー…大さじ1
・顆粒昆布だし…小さじ1/3
・冷凍中華麺…1玉
・水…400ml
・塩…適量
A 粉唐辛子(韓国産のもの)…大さじ1
A おろしにんにく…大さじ1/2
A しょうゆ…大さじ1/2
作り方
1. 玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、にらは長さ5cmで切る。長ねぎは縦に四等分に切る。しめじは石づきを切ってほぐしておく。
2. 鍋にごま油を入れて中火にし、玉ねぎを炒めたらAを入れてさらに炒め合わせる。水、昆布だし、ナンプラーを入れて強火にし、沸騰したら中弱火に落とす。蓋をして5分ほど煮る。
3. 冷凍中華麺は、600Wの電子レンジに30秒ほどかける。
4. 鍋に解凍しておいたシーフードミックスとしめじを入れて火が通ったら、中華麺、にら、長ねぎを入れてひと煮たちさせ、塩で味を調える。
5. 麺と具を器に盛りつけてからスープを注ぐ。
今回はナンプラーと昆布だしと使いましたが、昆布だしの代わりに鶏がらスープの素でもいいです。
玉ねぎとAの調味料を炒める際、玉ねぎに軽く焦げ目がつくくらいしっかり炒めると、香ばしさがアップします。
韓国ではスープの味付けに薄口しょうゆを多用します。薄口しょうゆがある場合はぜひ使ってください。
今回は大きめの冷凍シーフードミックスを使いましたが、生の海鮮やムール貝、干しきくらげが準備できればぜひ入れてください。より旨味が増します!
それでは今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!