あったか、ほっこり♪10分で作れる韓国のお雑煮「トックッ」
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
1月も後半となり、日本のみなさまの気持ちは節分に向かっていると思いますが、旧正月(ソルラル)を祝う風習が受け継がれている韓国では、家族や親せきと共にお正月を満喫したところです。
2023年の旧正月は1月22日で、1月21日から24日まで4連休。連休最終日は、帰省先から自宅に向かう高速道路が大混雑だったでしょうね。
日本でお正月に食べるものにお雑煮がありますよね。韓国にもお雑煮があるのですが、ちょっとスタイルが違うんです。そこで今日は、韓国のお雑煮「トックッ」にまつわるお話をご紹介します!
お雑煮で一年の健康と富を願う
「カレトッ」の形に込められた願い
以前、トッポッキ(トッポギ)の記事で、韓国の餅そのもののことを「トッポッキ」と呼ぶわけではなく、「トッ」は「餅」、そして「ポッキ」は「炒め」を意味することや、スープ用とトッポッキ用の餅は形が違うことをお話しました。
スープ用の餅とトッポッキ用の餅は最終形は違いますが原料とベースの形は同じで、うるち米を挽いて粉状にし、千歳あめのように細長く伸ばしてから成型し、蒸しています。
この餅は「カレトッ」と言って、その細長い形には「長生きできますように!」という願いが込められているんですね。
トッポッキにする場合はここから短い棒状にカットしていきますが、お雑煮にする場合は斜めに薄切りにして、小判状に切り分けます。この形には「お金に不自由ない生活ができますように!」という願いが託されています。
雪だるまのような「チョレンイトッ」
次に、ちょっと変わった韓国餅をご紹介します。
それは、雪だるまの形をした「チョレンイトッ」です。北朝鮮の開城(ケソン)が発祥と言われています。
この形は朝鮮半島では「ひょうたん型」と表現するのですが、「悪霊を退けられる」という信仰的な要素があります。また、昔の小銭をつないだようにも見えるため、「財物が家の中にあふれるように」と願って作ったようです。
このチョレンイトッとマンドゥ(餃子)が入った、開城スタイルのお雑煮も有名で、昨年11月にソウルに滞在したときに食べる機会に恵まれました。友だちとシェアしたのですが、なかなかの食べ応えでしたよ!
韓国雑煮は牛骨や牛肉ベースのスープが基本
日本では家庭や地域によって、お雑煮の味や餅の形、入る具が大きく変わりますよね。
韓国のお雑煮にも地域性があり、土地によって鶏肉を使ったり、干し鱈や煮干しでだしを取ったりします。海に近い地域では、牡蠣や海藻を具にすることも。
とはいえ一般的な韓国雑煮は、牛骨や牛肉で取ったスープがベースです。
牛骨のスープは、骨髄までしっかり煮出すので色合いは乳白色。ここに、一緒に煮た牛肉の塊肉をスライスしたり裂いたりして具として加えます。味付けは塩です。牛肉だけで取ったスープは黄金色で、薄口しょうゆと塩で味を調えます。
ちなみに韓国料理といえば辛い印象がありますが、伝統的なお雑煮に色が赤いものや辛いものはないんですよ。辛くない韓国料理には伝統を感じます。
それでは最後に、簡単に作れる韓国雑煮のレシピをご紹介します!
ナンプラー(韓国でスープ作りに使う魚醤とほぼ同じです)を利用することで、牛肉の旨味と魚介系の旨味の相乗効果が得られ、短時間でおいしく作れます♪
10分で作れる韓国のお雑煮「トックッ」
調理時間
10分
分量
2人分
材料
・トックッ用の韓国餅…150g
・長ねぎ(小口切り)…大さじ2程度
・牛こま切れ肉…60g
・水…400ml
・ごま油…大さじ1/4
・ナンプラー…大さじ1/2
・おろしにんにく…小さじ1/2
・しょうゆ…小さじ1/2
・塩…少々
・卵…1個
・韓国海苔(8枚切り)…2枚
・糸唐辛子…適宜
作り方
1. トックッ用の韓国もちを水(分量外)につけ、工程4でスープに入れるまでおいておく
2. 牛こま切れ肉にをはさみで一口サイズに切る(元から小さい場合は切らなくて良い)。
3. 鍋にごま油をひき、中火で牛肉を炒める。牛肉が色づいたら水、ナンプラー、おろにんにくを加えて強火にし、沸騰したら中弱火にして3分ほど煮る。
4. 3の鍋に、水を切った韓国餅としょうゆを入れ、1分ほど煮たら塩で味を調える。長ねぎと溶きほぐした卵を流し入れ、ひと煮たちさせる。器に盛りつけ、ちぎった韓国海苔、糸唐辛子を飾る。
韓国では、溶き卵の代わりに白身と黄身を別々に焼いた錦糸卵をのせることもあります。
もし韓国の赤唐辛子が手に入った場合は、小口切りにして飾ってもいいですね。より韓国らしくなります!
また韓国海苔がなければ、日本の焼き海苔もで構いません。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!